多治見市の中心街を散策していると、御幸町の森羅神社の北側の細い路地で偶然銭湯の看板を見つけました。
木製の古風な看板にはマークの下に多治見温泉と書かれていますが、残念ながら営業している様子はありません。
建物の写真を撮っていると、偶然多治見温泉の御主人とお話をする機会に恵まれました。
御主人のお話では、多治見の町には最盛期には20軒以上の銭湯があったということですが、最後まで営業していた多治見温泉が廃業し、現在営業している銭湯は1軒もなくなってしまったそうです。
今回の多治見の町歩きでは、多治見温泉を含め3軒の廃業した銭湯の建物を見つけましたが、大半の銭湯は廃業後すでに取り壊されてしまったようです。
■創業大正8年の旧多治見温泉。建物は純和風2階建の落ち着いたたたずまい
■建物北側~浴場の壁は一部煉瓦造になっています
■看板が寂しそうです
■昭和橋の南から東へ延びる広小路商店街に残る旧衛生湯(創業明治期)
現在残っている建物は昭和20年代の築ですが、正面には左右対称の小さな破風が二つ並び、洋風の縦長の窓がモダンな雰囲気
■少し奥まった玄関の中央には定番の豆タイルが貼られ、「御婦人」「御殿方」と書かれた小窓が良い味です
■多治見駅の南東、本町に残る旧布袋湯
創業は不明ですが玄関のタイルや小窓のたたずまいがモダンで、戦前の築と思われます
■玄関中央にお約束の豆タイル、その上の菱形をあしらった窓枠はもう何も言うことはありません!
■腰の装飾タイルも凝っています
撮影:2013/04/29 〈参考:ぎふ銭湯ものがたり/岐阜新聞社〉