夏の暑さに町歩きをずっとさぼっていましたが、気が付くといつの間にか秋を通り越して初冬の気候になっていました。これは急がねば真冬になってしまう!ということで本格的な冬が来る前に、今回は久しぶりに近代建築探訪に出かけてまいりました。
五月の連休に三重県四日市市を訪ねましたが、今回はその時取りこぼした市の北部、富田界隈の近代建築を訪ねました。近鉄富田駅を下車、国道1号線(東海道)を四日市方面へ向かうと、富田浜方面に分岐する旧道沿いに長い煉瓦塀と塔屋付きのモダンなタイル貼りの建物が見えてきます。アミカン(網勘)本社の建物で、創業は漁網の生産を始めた寛政6年(1794)までさかのぼります。
■東海道から赤い煉瓦塀と塔屋が目に入るので、お目当ての建物がすぐに発見できます
◆アミカン本社事務所/三重県四日市市富田浜元町1867
竣工:昭和前期(昭和2~3年頃?)
構造:木骨コンクリート造2階建、塔屋付
※国登録有形文化財
■建物隅にアールを施し外壁はスクラッチタイル貼りとモルタル洗出しで仕上げ、縦長窓が並ぶ当時流行の表現主義風のデザイン。
特に塔屋がランドマーク的役割を果たしていてかなり目立ちます。
◆アミカン本社正門/竣工:昭和前期/構造:コンクリート造/※国登録有形文化財
◆アミカン本社煉瓦塀/竣工:昭和前期/構造:煉瓦造/※国登録有形文化財
■敷地の裏側道路沿いに戦前築と思われる古い建物と通用門が残っていました
(撮影:2013/11/17)