近鉄富田駅からアミカン本社へ向かい旧東海道を歩いていて、富田小学校の校門脇で「明治天皇御駐輦跡」という石碑を見つけました。天皇が一時その土地に滞在することを「御駐輦」と言いますが、石碑の横にある案内看板によると、明治元年(1868)旧東海道を明治天皇が京都から東京へ向かう際に、御休息されたのがこの場所ということです。
当時ここには広瀬五郎兵衛という人の屋敷があり、明治天皇が御休息の際、富田の焼き蛤をご賞味され、その後三重県に行幸の際には必ず立ち寄られ、4回にわたりこの場所で御休息されています。よっぽど富田の焼きはまぐりがお気に召されたのか、広瀬五郎兵衛さんにとっては大変名誉なことですが、なにせ明治天皇ですから、その接待たるや並大抵のことではなかったでしょう。
天皇が御駐輦になった場所は日本各地にあり、特に旧街道の宿場町などでは史蹟として記念碑が建っているのを良く見かけます。名門旅館やホテルなども、天皇が宿泊された部屋を特別室として当時のまま保存している例も多いようです。
■旧東海道沿いに建つ記念碑
■すぐ脇にある富田小学校の校門(歩行者専用門)はレトロなデザインですが、竣工年代は不明です
(撮影:2013/11/17)