旧称は「銀座アパートメント」という高級集合住宅で、設計は同潤会で建築部長を務めた川元良一。住人には詩人の西条八十や、考現学の吉田健吉など、当時の文化人たちが集まるモダンなアパートメントだったことがうかがえます。
戦前屈指の高級アパートメントは、オシャレなテナントビルとして再生され、現在は美術ギャラリーなどが入居しています。同潤会のアパートもほとんど取り壊された現在、銀座のど真ん中で昭和の香りを残すアパートメント建築が残ったのは嬉しいかぎりです。
■スクラッチタイルに丸窓、昭和のモダニズムが薫る
■奥野ビル(旧銀座アパートメント)/中央区銀座1-9-8
竣工:昭和7年(1932)頃
設計:川元良一
施工:不詳
構造:RC造地下1階、地上6階
撮影:2017/08/11