〇70年代日本のプログレハードの金字塔~「一触即発」
僕が青春時代を過ごした70年代、ロックといえば洋楽が全盛だった。なかでも60年代にビートルズやストーンズといったビッグネームを送り出したイギリスは、70年代になっても世界のロックシーンをリードしていた。当時はブリティッシュロックと呼ばれ、僕の好きだったハード・プログレ系はほとんどがイギリスのバンドだった。日本のロックバンドはというと、数えるほどしかなく、ましてやプログレ系にいたっては皆無に近かった。
そんな洋楽全盛期の1974年、ついに和製プログレバンド四人囃子が「一触即発」というアルバムでデビューした。
四人囃子は当時国内では珍しい本格派のプログレハード系のバンドで、ブリティッシュハード・プログレ系が大好きだった僕はすっかりこのアルバムに魅了されてしまった。
ギターの森園勝敏をはじめメンバー全員が20歳そこそこながら、高校生の時にはすでにピンク・フロイドを完コピしていたという演奏力は、デビューアルバムとは思えない完成度の高さである。当時は日本のロックバンドはほとんど英語の歌詞だったのだが、全編日本語のちょっとシュールでノスタルジックな歌詞からは、彼らの「日本のロックバンド」にこだわった姿勢が強く感じられた。
シュールなタッチで描かれた「パイプをくわえたナマケモノ」のレコジャケもかなりのインパクトで、僕の中では70年代の日本のプログレといえば「一触即発」がすぐ頭に浮かぶのである。
■一触即発/四人囃子(1974)
「一触即発」を初めて聴いた時の興奮は今でも鮮明に覚えている。
高校2年の夏休みに聴いた「空と雲」はなんだか心にしみて、ちょっと切なかった。
■ゴールデン・ピクニックス/四人囃子(1976)
彼らの2ndアルバムは前作よりポップな感じで楽しめたが、僕は1stの心地良い緊張感がよかったなあ。
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