素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

『玄奘三蔵フォーラム』に参加する

2011年07月23日 | 日記
 7月16日から8月28日まで、奈良国立博物館で国宝“玄奘三蔵絵”の全巻が大公開されている。とは言っても全12巻・全長総計190mを超える長大なものなので前期(~8/7)に各巻の前半部分、後期(8/9~)に各巻の後半部分が展示されるので全場面を見ようと思えば2度足を運ばないといけない。

  絵巻の色の保存状態の良さに感心し、絵巻や「大般若経」387巻のボリュームを実感したが、何と言っても天竺への3万kmというとてつもない数字が一番。

 バーチャルの世界で、日本1周の旅に出かけているが、その総距離はたかが8955kmである。昨日までで648km走破。なんと小さい話しか!しかも、3万kmの道のりは平坦ではない。300kmの砂漠あり、極寒の山越えありとあらゆる困難の連続である。あらためてすごさを再認識した。

 13:30からは、奈良県新公会堂での“玄奘三蔵フォーラム”へ。新公会堂は東大寺の奥あたりにあるのだが、東大寺、春日大社、奈良公園あたりには数え切れないほど行っていながら、まったく存在に気づかなかった。今回の催しのおかげで初めて足を踏み入れたが、周りの風景にマッチしたりっぱな建物であった。

   フォーラムのほうは3人のパネリストのそれぞれの立場からの楽しい話をいっぱい聴くことができて有意義なひと時となった。詳しい内容はほとんど知らないまま気軽な気持ちで参加したが心にズシンと残るものを持って帰ることができた。こういう出会いはことのほか嬉しい気持ちにさせてくれる。

 今日の夕方、サントリーから取り寄せている品物と一緒に『美感遊創』という小冊子が届いた。その中でイタリア文化会館館長夫人のドナーティ悦子さんの言葉が今日の私の気持ちにピッタリはまった。

 人間は、いくつになっても人や芸術に恋をしたり、好奇心や探究心を忘れないことが大事。最終的には、自分の人生に恋をしている時の幸福感こそが、美しく歳を重ねることにつながるのではないでしょうか。私もそうやって、人生を味わいながら自分らしく生きていければ、と思っています。  
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