ウクライナへの侵攻が始まって10日余りが過ぎた、事態はどんどん深刻さを増している。「余録」は世の中の動きをタイムリーにとらえ伝えてくれる。ウクライナの問題について初めて言及したのはいつだったのか遡ってみた。
するとちょうど3ヶ月前の2021年12月7日の「余録」にあった。旧ソ連時代の政治風刺小話がまくらだった。
「わがウクライナは世界一広い。領土はヨーロッパに、首都はモスクワにあり。国民はシベリアにいる。」というものだ。ヨーロッパに属するというウクライナの民族意識をふまえた笑い話だが、今の状況を見ると笑ってはいられない。
「余録」によれば、ウクライナは長きにわたりポーランドとロシアに支配されてきた。ちょうど国の中央を南下するドニエプル川がせめぎ合う欧露の活断層となってきたという。
そのウクライナの国境付近にロシア軍の大部隊が集結し、2014年のロシアによるクリミア半島併合前の状況に似ていると分析し、来年初めに侵攻する計画を報じたメディアもある。と紹介している。当たって欲しくない予測通りになってしなったのは残念極まりない。
そして「余録」は次のように締めくくっている。
「バイデン米大統領はきょうプーチン氏との会談で武力衝突の回避へむけて協議する。欧露の文明の境界に位置することが紛争ではなく繁栄をもたらすという願いは、ウクライナ国民にとって依然夢なのか。」
外交努力の甲斐なく悪夢のような現実に直面しているウクライナ国民である。12月7日の「余録」をしっかり受け止めなかったように、他にもウクライナ情勢」にふれたコラムがなかったか毎日新聞のニュースウェブで検索して読み直した。
3月4日のブログで紹介した「金言」の執筆者小倉孝保さんの3つの「金言」が目に留まった。
2022年2月25日のものは「英国核保有の70年」というタイトルで、第二次世界大戦の連合国での核兵器開発の歩みと「不要論」の高まりによる核軍縮の動きと再度の核増強への転換をコンパクトにまとめてくれている。
2022年1月21日のものは「フィンランドの憂鬱」というタイトルで、19世紀初頭からロシアに支配され、1899年には自治権を奪われ、ロシア語教育が徹底され、1901年にはフィンランド軍も廃止させられた歴史を持つフィンランドの歩みを紹介している。戦後の冷戦下、北大西洋条約機構(NATO)とは距離を置き、ソ連に協力しながら議会制民主主義を維持して資本主義を導入した。東(ソ連)と西(欧米)との間で絶妙のバランスをとってきたことを初めて知った。ウクライナ同様、フィンランドもプーチン露大統領から圧力をかけられているという。
2021年11月12日のものは「歴史という『世界遺産』」というタイトル。第一次世界大戦後の国際秩序作りの歩みとその失敗を振りかえり、今にその教訓を生かさなければいけないと強調している。コラムの最後はこう締めくくっている。
「国際ルールを無視した中国のやり方には、国連などを通じて断固ノーを言い続けることが重要だ。ただ、台頭する国を封じ込めようとして人類がかつて、未曽有の犠牲を払ったことも覚えておきたい。求められるのは冷静さだろう。
英国の戦時宰相チャーチルは言っている。「未来のことはわからない。しかし、過去が我々に希望を与えてくれる」。先人たちによる1世紀前の「失敗」を教訓とする時、歴史は私たちの共有財産となる。」
これらを読んでいるうちに大国間のはざ間にある国の持つ宿命みたいなものを思う。そのことを歴史の中から学ぶ必要を感じている。
するとちょうど3ヶ月前の2021年12月7日の「余録」にあった。旧ソ連時代の政治風刺小話がまくらだった。
「わがウクライナは世界一広い。領土はヨーロッパに、首都はモスクワにあり。国民はシベリアにいる。」というものだ。ヨーロッパに属するというウクライナの民族意識をふまえた笑い話だが、今の状況を見ると笑ってはいられない。
「余録」によれば、ウクライナは長きにわたりポーランドとロシアに支配されてきた。ちょうど国の中央を南下するドニエプル川がせめぎ合う欧露の活断層となってきたという。
そのウクライナの国境付近にロシア軍の大部隊が集結し、2014年のロシアによるクリミア半島併合前の状況に似ていると分析し、来年初めに侵攻する計画を報じたメディアもある。と紹介している。当たって欲しくない予測通りになってしなったのは残念極まりない。
そして「余録」は次のように締めくくっている。
「バイデン米大統領はきょうプーチン氏との会談で武力衝突の回避へむけて協議する。欧露の文明の境界に位置することが紛争ではなく繁栄をもたらすという願いは、ウクライナ国民にとって依然夢なのか。」
外交努力の甲斐なく悪夢のような現実に直面しているウクライナ国民である。12月7日の「余録」をしっかり受け止めなかったように、他にもウクライナ情勢」にふれたコラムがなかったか毎日新聞のニュースウェブで検索して読み直した。
3月4日のブログで紹介した「金言」の執筆者小倉孝保さんの3つの「金言」が目に留まった。
2022年2月25日のものは「英国核保有の70年」というタイトルで、第二次世界大戦の連合国での核兵器開発の歩みと「不要論」の高まりによる核軍縮の動きと再度の核増強への転換をコンパクトにまとめてくれている。
2022年1月21日のものは「フィンランドの憂鬱」というタイトルで、19世紀初頭からロシアに支配され、1899年には自治権を奪われ、ロシア語教育が徹底され、1901年にはフィンランド軍も廃止させられた歴史を持つフィンランドの歩みを紹介している。戦後の冷戦下、北大西洋条約機構(NATO)とは距離を置き、ソ連に協力しながら議会制民主主義を維持して資本主義を導入した。東(ソ連)と西(欧米)との間で絶妙のバランスをとってきたことを初めて知った。ウクライナ同様、フィンランドもプーチン露大統領から圧力をかけられているという。
2021年11月12日のものは「歴史という『世界遺産』」というタイトル。第一次世界大戦後の国際秩序作りの歩みとその失敗を振りかえり、今にその教訓を生かさなければいけないと強調している。コラムの最後はこう締めくくっている。
「国際ルールを無視した中国のやり方には、国連などを通じて断固ノーを言い続けることが重要だ。ただ、台頭する国を封じ込めようとして人類がかつて、未曽有の犠牲を払ったことも覚えておきたい。求められるのは冷静さだろう。
英国の戦時宰相チャーチルは言っている。「未来のことはわからない。しかし、過去が我々に希望を与えてくれる」。先人たちによる1世紀前の「失敗」を教訓とする時、歴史は私たちの共有財産となる。」
これらを読んでいるうちに大国間のはざ間にある国の持つ宿命みたいなものを思う。そのことを歴史の中から学ぶ必要を感じている。