近くの公園などでは白のアセビの花をよく見かけるが、我が家の花はややピンクがかっているので気に入っている。
学名は「ピエリス ヤポニカ」とヤポニカが使われるように日本原産で、万葉時代から歌に詠まれている。万葉集事典(中西進編・講談社文庫)によれば10首ある。その中からいくつかを
巻二-166 磯の上(うへ)に生(お)ふる馬酔木を手折(たを)らめど見すべき君がありと言はなくに
(岸のほとりに咲く馬酔木を手折って、思わず花を見せたいと思う。けれども、見せるべきあなたはいないことだのに)
巻七-1128 馬酔木なす栄えし君の掘りし井(ゐ)の石井(いはゐ)の水は飲めど飽かぬかも
(馬酔木の花のように栄えたあなたが掘った、この石井の水はいくら飲んでも飽きないものよ)
巻十-1903 わが背子(せこ)にわが恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛りなり
(あの方に私の恋う思いは、奥山の馬酔木の花が、人知れず今こんなに盛りであるようだ)
漢字の「馬酔木」は「有毒で馬が食べると毒にしびれた状態になる」ということに由来する。「足がしびれる」状態を強調して「アシビ」という言い方もよくされる。奈良公園には馬酔木が多いのは鹿が有毒な葉を食べないからだとも言われている。「シカクワズ」という別名もあるみたい。英語名は「ジャパニーズ・アンドロメダ」。アンドロメダはギリシャ神話に登場する国を救うために犠牲になったエチオピアの王女の名前。このため花言葉は「犠牲」や「献身」。
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巻二-166 磯の上(うへ)に生(お)ふる馬酔木を手折(たを)らめど見すべき君がありと言はなくに
(岸のほとりに咲く馬酔木を手折って、思わず花を見せたいと思う。けれども、見せるべきあなたはいないことだのに)
巻七-1128 馬酔木なす栄えし君の掘りし井(ゐ)の石井(いはゐ)の水は飲めど飽かぬかも
(馬酔木の花のように栄えたあなたが掘った、この石井の水はいくら飲んでも飽きないものよ)
巻十-1903 わが背子(せこ)にわが恋ふらくは奥山の馬酔木の花の今盛りなり
(あの方に私の恋う思いは、奥山の馬酔木の花が、人知れず今こんなに盛りであるようだ)
漢字の「馬酔木」は「有毒で馬が食べると毒にしびれた状態になる」ということに由来する。「足がしびれる」状態を強調して「アシビ」という言い方もよくされる。奈良公園には馬酔木が多いのは鹿が有毒な葉を食べないからだとも言われている。「シカクワズ」という別名もあるみたい。英語名は「ジャパニーズ・アンドロメダ」。アンドロメダはギリシャ神話に登場する国を救うために犠牲になったエチオピアの王女の名前。このため花言葉は「犠牲」や「献身」。