素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

“ホノルル美術館所蔵 北斎展”を見に、京都文化博物館へ

2012年02月21日 | 日記
 2月1日から開催されていて、行こう行こうと思いながら機をはずしてきた。26日に前期が終わり、作品が全て入れ替わる。14時までは特に予定がないので行くなら今日と朝の用を済ませ、すぐに出かけた。
 1ヶ月前に行った“北斎展”は「富嶽三十六景」と「富嶽百景」の富士山づくしに堪能したが、今回の“北斎展”はホノルル美術館所蔵の優品170点の展示で北斎の画業フルコースといったところ。

 2部構成になっていて、20歳でデビューした春朗時代の作品から、最晩年の89歳時に描いた「地方測量之図」(後期展示)までの約70年にわたる作品を年代順に陳列している。探究心旺盛で多彩な制作活動をしていたことが伝わってくる。20歳半ばの作品「富士見西行図」が1番目の展示作品。駅美術館での富士山づくしに触発され富士山にまつわることを色々調べたり、読んだりしていた時、江戸時代に縁起物として“富士見西行”の絵が人気があり飾られていたということを知った。西行の人気に「富士見」が「不死身」につながるという語呂合わせも入ってのことか?ということも言われていた。その時、「富嶽百景」にないかなと図録を見直したがなく、残念に思った。

 今回の展覧会のいの一番にお目にかかることができ、来た甲斐があったとうれしく思った。柱にかける短冊で、小さなものだが初期の作品で残っているものはこれしかないみたいで、初出品の稀品であるとのこと。
 
市中の賑わいを題材にした「浅草金龍山観世音境内之図」歌舞伎の世界を題材にした「市川門之助 くわんじゃ太郎・嵐龍蔵 ゆりの八郎」東海道五十三次シリーズの「江尻」千絵の海の「五島鯨突」動物をテーマにした「雪松に鶴」など幅の広さを感じた。
     その多彩ぶりを窺えるのが有名な「北斎漫画』一篇から十篇までショーケースにずらりと並べられていたが圧巻だった。その収載図数は3900余りというから驚く。


 もう一つのセッションは代表作「富嶽三十六景」44図をはじめ、「諸国名橋奇覧」全11図・「諸国瀧廻り」全8図・「琉球八景」全8図・「詩歌写真鏡」全10図・「百人一首姥か絵説」全27図の6種の揃物を紹介する。
   瀧は「美濃の国養老の滝」橋は「すほうの国きんたいはし」百人一首は“猿丸太夫”の“奥山に・・・・”の絵説き。行動範囲の広さにも感心した。

 一見の価値ある展覧会。後期展示も機会をみつけ行ってみたいものだ。  
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