正ちゃんの気ままなお散歩に付き合っていたら、いつも行かない海岸に出ました。
企業の保養所や別荘、工房などが並ぶ小さな入り江です。
潮が引いていたので、久しぶりに岬の先端をまわって浜伝いに歩いてみました。
以前はもっとゴツゴツと険しかった岩場でしたが、砂がこのあたりに堆積しているのか、
年々岩が目立たなくなって砂浜が広くなっていくような気がします。
正ちゃんが近づいていったので、たくさんいた水鳥たちがいっせいに岸から離れていきました。
浅い潮だまりにゆらゆらと海藻が揺れています。
なにか魚でもいないかなあと覗いてみましたが見つけられませんでした。
ここに来るといつも見入ってしまう不思議な石。転がっているのではありません。
しっかり下の岩盤にくっついているんですよ。
ずっと向こうの岬の先端の岩まで点々と続いています。
大昔、ここで地面がずれた? この線のところで、何か地層に変化があったのでしょうか。
岬の先端を通り過ぎて振り返ってみました。向こうに見える岩を越えてきたんですよ。
別の海岸に出ました。今日はまた一段と静かでまるで池のようです。
サーーッという風のような音とともに小さな波が来ました。潮が満ちてきたのです。
遠浅の海のかなたから柔らかなドレープのような波がゆったりと岸へ向かってきて、
滑るように砂の中に消えていきます。
潮が引いていく時より、うさぎはこの静かに潮が満ちてくる時間が好きです。
正ちゃーーん!もう行くよーーっ!
離れたところでくんくんしていた正ちゃんが駆けて来ます。
あの震災の日以来、海を見るのがつらい方々がたくさんいらっしゃることを知っています。
でも、半島の町に住んでいますから、海や海の見える風景は常に毎日の生活とともにあるので、
ブログに登場することがどうしても多くなってしまいます。
もしも、写真を見てつらいことを思い出されたかたがいらっしゃったらごめんなさいね。
日本中の海がこの地の海のように穏やかで、平穏な日々がいつまでも続くことを願ってやみません。
砂浜にホタテのような形の貝殻が一枚だけありました。多分ヒオウギガイの貝殻ではないかと思います。
直売所でたまに見かけますが、浜で貝殻を見つけたのは初めてです。
ヒオウギガイ(桧扇貝)・・・別名アッパガイ、バタバタ、チョウタロウ、虹色貝
食用になる貝で、貝殻はオレンジや黄色、紫などとても鮮やかな色です。
岸壁を回ったところがいつもお散歩の帰りに休憩したり、ぶすくれ正ちゃんの写真を撮る海岸です。
そこからまた道路に上がって、いつものように田んぼの中を通っておうちへ帰りました。
途中の道のあちこちで日本水仙の花がよい香りを漂わせていました。