shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その③ 最終回

2019-06-08 21:57:19 | 山行・旅行
上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その② からの続きです。)

◆その③ 徳本峠~明神(徳本峠分岐)~徳沢~明神~上高地
山行2日目の朝は高曇りのお天気で明けました。4時過ぎに起床、外へ出るともうすっかり明るくなっていました。寝過ごしたようです。
東の空はうっすらと赤味が残っていましたが、山は色付いていませんでした。


それでも快晴のお天気が約束されたような一日の始まり。食事までの時間を穂高を眺めてコーヒーを飲んで過ごしました。


出発は7時15分。今日は下山して帰るだけなので遅い出発です。登山道を一列になって下山します。全員荷物が軽くなったので、軽やかな足取りです。


直ぐにショウジョウバカマ、オオバキスミレが現れました。昨日撮ったお花は撮らないことにして、撮ったのはこの2枚だけでした。




水場で水を補給、それ以外は休憩を取らず、1時間半ほどで明神に着きました。
時間がたっぷりあるので、徳沢まで散歩することになりました。往復6kmほどです。道幅が広くなったので、隊列を崩して思い思いのペースで歩きます。


歩き出すと、早速ニリンソウの群落が現れました。ここでも緑のニリンソウを見つけました。ニリンソウは花弁が退化し、萼片が花弁のように見えます。よく見ると内側の萼片は色だけでなく、形も葉のように先端が裂けています。花は花弁にしろ萼片にしろ、すべて葉から進化したものなので、遺伝子の異常(変異)と思いましたが、帰宅して調べるとマイコプラズマ感染症とありました。「幸せの緑のニリンソウ」などと見つけては喜んでいましたが、病気だったようです。時には病気が進化をもたらすとしても、自分の無知がちょっと悲しくなりました。




さて、徳沢までの道中ではニリンソウだけでなく、様々なお花に出逢いました。このお花は名前が分かりません。。


ピントがずいぶん甘いですが、お花の部分を拡大すると、こんな感じです。


こちらはさて何でしょう? ベニバナイチヤクソウの蕾のようです。


徳沢では徳沢園で名物のソフトクリームを食べました。名物に美味しいものありです!


徳沢園からは正面に明神岳、右に前穂高岳が見えます。徳本峠から見えていた奥穂高岳は見えません。


明神まで歩いて戻り、嘉門次小屋で囲炉裏端に座り、岩魚の塩焼き定食を食べコーヒーをいただきました。嘉門次小屋は囲炉裏端どころか中へ入るのも初めてで感激しました。ここの岩魚は本当に美味しいです!


何だか後半はグルメレポートになったみたいなので、お花に話を戻します。
明神で観たお花です。先ずはヤマシャクヤク。植栽されたものかもしれません。大勢の観光客が写真を撮っていました。


ズミ(別名コナシ、ヒメカイドウ etc.)です。


最後にご覧いただくお花はマイヅルソウです。昨日も見かけましたが、写真を撮っていませんでした。


さて、いよいよ上高地に下りてきました。この後はバスに乗って島々(安曇支所)に戻り、石川県に帰ります。長い2日間の山歩きもこれで終わりかと思うと、少し寂しい気持ちになりました。


2日間一緒に山道を歩き、お世話になったベテランの皆さんです。本当にありがとうございました。また、どこかの山でご一緒したいですね。


そして、長いブログにお付き合いいただきました皆さま、ご覧いただきありがとうございました。

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上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その②

2019-06-08 13:15:38 | 山行・旅行
上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その① からの続きです。)

◆その② 岩魚止小屋~徳本峠
岩魚止小屋から先も島々谷川の本流に沿って歩き、2時間ほど歩いた後、本谷から分かれて支谷の峠谷を詰めて1時間ほど登ると徳本峠です。標高が上がるに連れてお花の種類が変わり、数も増えていきました。
クライマックスはニリンソウのお花畑ですが、それは後半にご覧いただくとして、見かけた順にご覧いただきたいと思います。

こちらは岩魚止小屋の側に咲いていたお花です。ラン科ハクサンチドリ属のアオチドリだそうです。お花に詳しい方に教えていただきました。私には初めて見るお花でした。


お花ではありませんが、大きなトチノキがありました。幹周りは5mほどありそうです。


この橋を渡ると、ワサビが群生していました。白いお花が清楚です。そういえば岩魚止橋の下流にワサビ谷という沢が流れ込んでいました。




こちらはまだ蕾のようですが、どんなお花が咲くのでしょうか? 名前が分かりません。


このお花はクルマバツクネソウです。同行の方から名前を教わりました。


こちらはシロバナエンレイソウです。普通のエンレイソウよりむしろ多く咲いていたように思いました。




ちなみに、こちらが普通のエンレイソウです。


こちらはヤマシャクヤクで、街で見かけるシャクヤクと同じボタン科ボタン属の多年草です。ボタンが木本なのに対し、シャクヤクは草本です。ヤマシャクヤクは翌日明神の近くの山斜面で群落を見かけましたが、登山道から離れていて写真は撮れませんでした。


スミレの仲間は道中たくさん見かけました。スミレは種類が多く、私は同定できません。


こちらはツバメオモト。登山道脇にたくさん咲いていました。


サンカヨウもたくさん咲いていました。サンカヨウは漢字で書くと「山荷葉」。荷葉はハスの葉を意味します。登山道脇にサンカヨウの群落が続いていました。


さて、ここからはクライマックスのニリンソウの大群落です。話には聞いていましたが、こんなに群落が続いているとは思いませんでした。




そして、緑色のニリンソウのお花があると教えていただき、足元のお花を注意深く見ながら進むと、次から次へと緑のニリンソウが現れました。初めのうちは写真を撮っていましたが、10枚も撮ると(なんだ珍しくはないんだ)と思い、撮るのを止めました。ご覧いただくのは撮った写真の一部です。でも、よく考えてみると、緑のニリンソウの比率は全体の中ではごく少なく、ニリンソウ全体の数が多いので緑のニリンソウも多く見つかったのでしょうね。








登山道はジグザグの急登ですが、たくさんのお花が癒してくれます。最後に雪が出てきたら峠の天辺です。お疲れさまでした。




迎えてくれたのは穂高連峰の絶景です。これが深田久弥さんが「日本山岳景観の最高のもの」と語った景色です。こちらが本当のクライマックスですね。


私たちはこの景色を見て飽きることはありませんでした。


そして、夕食には特別料理の岩魚の骨酒も加わり、私たちの山談議も尽きることがありませんでした。


上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その③ に続く)

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上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その①

2019-06-08 01:02:12 | 山行・旅行
かつて上高地へのメインルートとして拓かれた島々谷。ウォルター・ウェストン、高村光太郎や芥川龍之介も越えた峠道です。
現在は、「上高地クラシックルート」あるいは「徳本峠(とくごうとうげ)越え」と呼ばれる全長20kmの山道を、ウェストン祭が行われた直後の6月4~5日に、「NPO法人 深田久弥と山の文化を愛する会」のベテランメンバーと共に歩きました。


このクラシックルートは大きく3つに分かれます。
■島々(しましま)~二俣(6.3km)
島々はかつての北アルプスの登山口「島々宿」があったところで、標高は730m、現在は国道158号線が通り、松本市の安曇支所があります。クラシックルートはここが起点となります。私たちはここに車を停め、ここから出発しました。峠道は島々谷川に沿って通り、島々から標高が約960mの二俣までは林道となっており、作業用の車も通れます。
■二俣~岩魚止小屋~徳本峠(9.5km)
二俣から先は本格的な登山道となり、島々谷川を挟んで右岸、左岸を遡ります。途中、標高1260m付近にある岩魚止小屋までは5.4kmあり、岩魚止小屋を越えると登山道は徐々に勾配を増し、標高1750m付近で本谷を離れて支谷の峠谷を詰め、徳本峠まで急勾配のジグザグ道が続きます。徳本峠の標高は2135mで、峠には徳本峠小屋があります。1日目はここまでで、徳本峠小屋で宿泊しました。
■徳本峠~明神(徳本峠分岐)(3.0km)
徳本峠から明神まで、黒沢沿いに標高差600mを一気に下ります。峠から800mのところに最初の水場があります。

今回はクラシックルートの20kmに加え、梓川沿いに明神から徳沢までを往復し、その後上高地バスターミナルまで下ったので、歩行距離は合計29kmとなりました。
shuの花日記では、二俣~岩魚止小屋、岩魚止小屋~徳本峠、徳本峠~上高地の3回に分け、道中出逢ったお花たちを中心にご覧いただきたいと思います。

◆その① 二俣~岩魚止小屋
二俣で林道歩きが終わり、登山道ははじめ島々谷川の右岸を歩きます。右岸から左岸へ「行き橋」を渡り、アップダウンのある道をしばらく歩いた後、今度は「戻り橋」で右岸へ戻ります。






道端にはラショウモンカズラの青いお花が目立ちました。ネコノメソウの仲間もあちこちでお花を咲かせていました。ヤマツツジ、フジ、ヤマブキは林道歩きの時から見かけました。




途中、崖が崩れていたり、支沢を渡る箇所がありますが、特に危ないところはなく、順調に歩いていきます。






名前が分からないお花が咲いていました。図鑑で観るとカモメランのようです。


谷上の斜面は鬱蒼としていて、苔生しています。


輪生した葉に花茎を伸ばし、白いお花をつけるのはクルマバソウでしょうか。たくさん見かけました。


こちらはカラマツソウ。


こちらはミヤマカタバミのようです。このお花は標高の高いところでも見かけました。群落にはネコノメソウも一緒に混ざっています。




登山道はシダの森に入りました。


こちらは直径が1mは十分にありそうです。




さて、ようやく岩魚止橋に着きました。この橋を渡ると岩魚止小屋で、少し上流に大きめの滝があります。


岩魚止小屋は現在休業中。かつては多くの登山者が行き来したこの道も、現在通る人はまばらです。この日は一組の男女と出会っただけでした。ここで早めの昼食を摂り、元気を出して再出発です。


上高地クラシックルート(徳本峠越え)を歩きました - その② に続く)
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