6月27日、梅雨の晴れ間を見計らって、四阿山と根子岳の周回コースを歩いてきた。
四阿山は、長野県と群馬県の県境をなす志賀高原から続く火山帯の中の標高2354mの山で、浅間山 (標高2568m) に次ぐ標高がある。
一方、根子岳は四阿山の西に位置し、標高が2207mで四阿山より150mほど低い。
四阿山は深田久弥氏が選んだ「日本百名山」の一つである。深田氏は著書「日本百名山」の中で「菅平へスキーに行った人は、正面にそびえた二つの山をおぼえているだろう。四阿山と根子岳。あれがなかったら菅平の値打ちはなくなる」と書いている。
一方、根子岳は田中澄江氏が選んだ「花の百名山」の一つである。同氏が新たに選定し直した「新・花の百名山」には選ばれていない。
四阿山と根子岳の間には、大隙間(大隙間爆裂火口)と言われる鞍部がある。そこから四阿山へ上がる道は急登で、そのため今回は四阿山から根子岳へ回る反時計回りのルートを選んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/2f/c8b664bc2c8a7577574259fefe5d49d8.png)
それでは歩いた順にご覧いただこう。
スタートは登山口に近い菅平牧場の駐車場である。そこを6時6分に出発した。登山届はオンラインで提出していた。ここは既に標高が1590mあるので、山頂までの標高差は760mほどだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/bb/8c2952d16ba7a5d2ddabf99566b6aca2.jpg)
実は5年前の積雪期に四阿山を歩いている。その時はもっと下から歩いた。また冬道では牧場の中を長い時間歩いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/89/018a63901a036ae23d1adee3dfb4dac2.jpg)
しかし今回歩いた夏道は牧場の柵の外側に付けられていた。「四阿山登山口 中四阿経由」と書かれた所から車道を離れて登山道に入る。しばらくは牧場の景色が見えているが、やがて沢沿いの山道となる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/78/290eb02c85ca6b7fc2b59a3ec83c9dcb.jpg)
15分ほど歩いて暑くなったので長袖の上着を脱いだ。
ここまで観た花をまとめておこう。といっても牧場近くでたくさん咲いていたアヤメと、沢沿いの道で観たクリンソウの2種だけだ。
・アヤメ(菖蒲、文目、綾目、Iris sanguinea、アヤメ科アヤメ属の多年草)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/79/c6708b77b3b61fdd1cb8639ecf299240.jpg)
・クリンソウ(九輪草、Primula japonica、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
北海道、本州、四国の山間地の比較的湿潤な場所に生育し、せせらぎや渓谷の湿地などに時に群生する。高さ30~90cmほどになり、日本に自生するサクラソウ科の植物のなかでは最も大型である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/47/02dbbeca7f688e21d5eae970cb9107a6.jpg)
道はやがて沢を離れて森の中に入っていくが、道幅が広く歩きやすい。花の数は少ないが、クルマムグラとヤマオダマキ、そして名前が不明な白い草花を見つけた。
名前が分からない植物は、図鑑で調べてヤマクワガタかグンバイヅルのように思われたが、結局自信がなくて教えてgooのお世話になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/7b/d7d3fbf1579d1cb87726fcadd6b4d368.jpg)
・クルマムグラ(車葎、Galium japonicum、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/45/69c2061bbf35cb6560a355f0a7625007.jpg)
・ヤマオダマキ(山苧環、Aquilegia buergeriana 、キンポウゲ科オダマキ属の多年草)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/d2/1a760b211e8c36cad2a1e66f4f173c65.jpg)
・グンバイヅル(軍配蔓、Veronica onoei、オオバコ科クワガタソウ属の多年草)
日本固有種。本州(群馬県、長野県)の浅間山付近、四阿山、志賀高原、美ヶ原などの限られた場所に分布し、高地の日当たりのよい礫地に生育する。
茎は地面を這って長く伸び、節からひげ根を出して広がる。葉はつる状の茎に対生して2列にならび、葉身は円形または広楕円形で長さ13~25mm、幅8~25mm、先端は円く、鋸歯は細かな円頭または鈍頭で、葉柄はごく短い。葉質はやや厚く、表面につやがある。
花期は7~8月。地面をはった茎の葉腋から長さ6~13cmになる花序が直立し、やや密に多数の花をつける。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/9e/5a78815ca5e05b1200cf47f790e6c797.jpg)
標高が1700mを越えると、お目当てのレンゲツツジがたくさん観られた。標高が低いところでは花が終わっていたが、高くなるにつれて蕾も観られた。
・レンゲツツジ(蓮華躑躅、Rhododendron molle subsp. japonicum、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)
日本の北海道南西部から、本州、四国、九州まで分布する。高原などに生え、日当たりのよい草原や湿地にしばしば群生する。
高さ1~2mになる。株立ちして、よく枝分かれして、こんもり茂る。樹皮は灰褐色から茶褐色をしていて、浅い縦筋が入る。成木になると樹皮は薄く剥がれるようになる。葉は互生し、長さ5~10cmの倒披針形をしている。
花期は4~6月。落葉性のツツジの仲間で、新葉が出てくると同時に花が咲く。前年枝の先に短い総状花序を出して、2~8個の花をつける。花は直径5~6cmほどのロート状。雄しべは5個。花糸の下半部に短い開出毛が密生する。花柱の下半部に短毛があり、子房に長毛が密生する。全体に有毒成分をもつ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/1d/27b567c258884d433f04abc9db67c80d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/04/49a3351a5b317aa350c133f1f7fe5981.jpg)
さらに標高が1700mを越えた辺りから、ベニバナイチヤクソウが観られ出した。この花は標高2000m付近まで観られた。
・ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草、Pyrola asarifolia subsp. incarnata 、ツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草。
葉に長さ3~5cmの葉柄があり、葉身は円形または卵状楕円形で、長さ3~4.5cm、幅2~3.5cmになる。葉の先端は円く、基部は円いか、やや心形になり、縁には目立たない細かな鋸歯がある。
花期は6~8月上旬。葉の間から長さ15~25cmになる花茎を伸ばし、総状花序をつけ、8~15個の花がつく。花茎は赤みを帯び、1~3枚の広披針形の鱗片葉がある。苞は狭長楕円形で先は急に短くとがる。萼片は5個で離生し、狭卵形で、長さは幅の2倍になり、長さ2~3mm、幅1~1.5mmになる。花は桃色から濃桃色、花弁は5個あり離生して径約13mmの広鐘形になり、下向きに咲く。花柱は湾曲し、長さ6~8mmになり柱頭は小さく5裂する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/73/6ab4ddaeab69c316484397e4d6890111.jpg)
標高が1918mある小四阿に近づくと西側に展望が開けて、北アルプスの山々がよく見えた。5年前にしっかり見ていたので、望遠レンズを付けて撮るのは止めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/1e/438d9fdb774ab84983f79ec2d1238e4d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/6b/77eb1809b4f5fe0e02b452bf7daefa3e.jpg)
また小さな花をつけた樹々もたくさん観られるようになってきた。
・クロマメノキ(黒豆の木、Vaccinium uliginosum var. japonicum、ツツジ科スノキ属の落葉低木)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/e1/bb6f156974462b00e4920082dd5d0dd6.jpg)
・ミヤマヤナギ(別名ミネヤナギ;深山柳、Salix reinii、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/88/31af4a04470c4d50732f5982070dcdef.jpg)
小四阿の標柱の脇に平たい石があったので、そこに腰かけてパンを食べた。20分ほど休み着替えもして、さあ出発と立ち上がる際、思い切り頭を標柱にぶつけた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/57/e9c34998a6715d3bed9c13f4e5ffb598.jpg)
四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その②)に続く。
四阿山は、長野県と群馬県の県境をなす志賀高原から続く火山帯の中の標高2354mの山で、浅間山 (標高2568m) に次ぐ標高がある。
一方、根子岳は四阿山の西に位置し、標高が2207mで四阿山より150mほど低い。
四阿山は深田久弥氏が選んだ「日本百名山」の一つである。深田氏は著書「日本百名山」の中で「菅平へスキーに行った人は、正面にそびえた二つの山をおぼえているだろう。四阿山と根子岳。あれがなかったら菅平の値打ちはなくなる」と書いている。
一方、根子岳は田中澄江氏が選んだ「花の百名山」の一つである。同氏が新たに選定し直した「新・花の百名山」には選ばれていない。
四阿山と根子岳の間には、大隙間(大隙間爆裂火口)と言われる鞍部がある。そこから四阿山へ上がる道は急登で、そのため今回は四阿山から根子岳へ回る反時計回りのルートを選んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/2f/c8b664bc2c8a7577574259fefe5d49d8.png)
それでは歩いた順にご覧いただこう。
スタートは登山口に近い菅平牧場の駐車場である。そこを6時6分に出発した。登山届はオンラインで提出していた。ここは既に標高が1590mあるので、山頂までの標高差は760mほどだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/fc/c397e3497a2b25a6f38381a5929db9b6.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/bb/8c2952d16ba7a5d2ddabf99566b6aca2.jpg)
実は5年前の積雪期に四阿山を歩いている。その時はもっと下から歩いた。また冬道では牧場の中を長い時間歩いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/77/7f615703c66e25d3ec77aba3ca168c44.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/89/018a63901a036ae23d1adee3dfb4dac2.jpg)
しかし今回歩いた夏道は牧場の柵の外側に付けられていた。「四阿山登山口 中四阿経由」と書かれた所から車道を離れて登山道に入る。しばらくは牧場の景色が見えているが、やがて沢沿いの山道となる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/75/c4f973b2c8290f8935d004d755631fa7.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/78/290eb02c85ca6b7fc2b59a3ec83c9dcb.jpg)
15分ほど歩いて暑くなったので長袖の上着を脱いだ。
ここまで観た花をまとめておこう。といっても牧場近くでたくさん咲いていたアヤメと、沢沿いの道で観たクリンソウの2種だけだ。
・アヤメ(菖蒲、文目、綾目、Iris sanguinea、アヤメ科アヤメ属の多年草)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/79/c6708b77b3b61fdd1cb8639ecf299240.jpg)
・クリンソウ(九輪草、Primula japonica、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
北海道、本州、四国の山間地の比較的湿潤な場所に生育し、せせらぎや渓谷の湿地などに時に群生する。高さ30~90cmほどになり、日本に自生するサクラソウ科の植物のなかでは最も大型である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/47/02dbbeca7f688e21d5eae970cb9107a6.jpg)
道はやがて沢を離れて森の中に入っていくが、道幅が広く歩きやすい。花の数は少ないが、クルマムグラとヤマオダマキ、そして名前が不明な白い草花を見つけた。
名前が分からない植物は、図鑑で調べてヤマクワガタかグンバイヅルのように思われたが、結局自信がなくて教えてgooのお世話になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/1d/c1a5c3a127f1e2c03bfca1f2b35f0e76.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/7b/d7d3fbf1579d1cb87726fcadd6b4d368.jpg)
・クルマムグラ(車葎、Galium japonicum、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/45/69c2061bbf35cb6560a355f0a7625007.jpg)
・ヤマオダマキ(山苧環、Aquilegia buergeriana 、キンポウゲ科オダマキ属の多年草)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/d2/1a760b211e8c36cad2a1e66f4f173c65.jpg)
・グンバイヅル(軍配蔓、Veronica onoei、オオバコ科クワガタソウ属の多年草)
日本固有種。本州(群馬県、長野県)の浅間山付近、四阿山、志賀高原、美ヶ原などの限られた場所に分布し、高地の日当たりのよい礫地に生育する。
茎は地面を這って長く伸び、節からひげ根を出して広がる。葉はつる状の茎に対生して2列にならび、葉身は円形または広楕円形で長さ13~25mm、幅8~25mm、先端は円く、鋸歯は細かな円頭または鈍頭で、葉柄はごく短い。葉質はやや厚く、表面につやがある。
花期は7~8月。地面をはった茎の葉腋から長さ6~13cmになる花序が直立し、やや密に多数の花をつける。
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標高が1700mを越えると、お目当てのレンゲツツジがたくさん観られた。標高が低いところでは花が終わっていたが、高くなるにつれて蕾も観られた。
・レンゲツツジ(蓮華躑躅、Rhododendron molle subsp. japonicum、ツツジ科ツツジ属の落葉低木)
日本の北海道南西部から、本州、四国、九州まで分布する。高原などに生え、日当たりのよい草原や湿地にしばしば群生する。
高さ1~2mになる。株立ちして、よく枝分かれして、こんもり茂る。樹皮は灰褐色から茶褐色をしていて、浅い縦筋が入る。成木になると樹皮は薄く剥がれるようになる。葉は互生し、長さ5~10cmの倒披針形をしている。
花期は4~6月。落葉性のツツジの仲間で、新葉が出てくると同時に花が咲く。前年枝の先に短い総状花序を出して、2~8個の花をつける。花は直径5~6cmほどのロート状。雄しべは5個。花糸の下半部に短い開出毛が密生する。花柱の下半部に短毛があり、子房に長毛が密生する。全体に有毒成分をもつ。
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さらに標高が1700mを越えた辺りから、ベニバナイチヤクソウが観られ出した。この花は標高2000m付近まで観られた。
・ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草、Pyrola asarifolia subsp. incarnata 、ツツジ科イチヤクソウ属の常緑多年草。
葉に長さ3~5cmの葉柄があり、葉身は円形または卵状楕円形で、長さ3~4.5cm、幅2~3.5cmになる。葉の先端は円く、基部は円いか、やや心形になり、縁には目立たない細かな鋸歯がある。
花期は6~8月上旬。葉の間から長さ15~25cmになる花茎を伸ばし、総状花序をつけ、8~15個の花がつく。花茎は赤みを帯び、1~3枚の広披針形の鱗片葉がある。苞は狭長楕円形で先は急に短くとがる。萼片は5個で離生し、狭卵形で、長さは幅の2倍になり、長さ2~3mm、幅1~1.5mmになる。花は桃色から濃桃色、花弁は5個あり離生して径約13mmの広鐘形になり、下向きに咲く。花柱は湾曲し、長さ6~8mmになり柱頭は小さく5裂する。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/73/6ab4ddaeab69c316484397e4d6890111.jpg)
標高が1918mある小四阿に近づくと西側に展望が開けて、北アルプスの山々がよく見えた。5年前にしっかり見ていたので、望遠レンズを付けて撮るのは止めた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/1e/438d9fdb774ab84983f79ec2d1238e4d.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/6b/77eb1809b4f5fe0e02b452bf7daefa3e.jpg)
また小さな花をつけた樹々もたくさん観られるようになってきた。
・クロマメノキ(黒豆の木、Vaccinium uliginosum var. japonicum、ツツジ科スノキ属の落葉低木)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/e1/bb6f156974462b00e4920082dd5d0dd6.jpg)
・ミヤマヤナギ(別名ミネヤナギ;深山柳、Salix reinii、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/88/31af4a04470c4d50732f5982070dcdef.jpg)
小四阿の標柱の脇に平たい石があったので、そこに腰かけてパンを食べた。20分ほど休み着替えもして、さあ出発と立ち上がる際、思い切り頭を標柱にぶつけた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/57/e9c34998a6715d3bed9c13f4e5ffb598.jpg)
四阿山(あずまやさん)・根子岳(ねこだけ)お花見ハイキング(その②)に続く。