「お年玉でゲンゴロウ買ってもいい?」
家族で出かけたホームセンターのペットコーナーで小学校低学年だった長男が水槽を指さしてそう言った
小さな水槽に5センチくらいの丸いゲンゴロウがくるくる泳いでいる
値札を見ると「2400円」
お年玉は長男のものだが ゲンゴロウに2400円も使うなんて私には考えられない
「ゲンゴロウなんて駄目だよ お年玉は大切に使いなさい。 ゲンゴロウは捕りに行こう」
ゲンゴロウなんてどこにでもいる と その時は思った
あの丸い大きなゲンゴロウは絶滅危惧種だと調べてから気づく
しかし 車で30分ほど出かけた「無名池」に生息しているとの報告が上がっていた
休みごとに車を出して 自然公園の水場を探す
小さい水生昆虫ならたくさんいるのだが
やっぱりあの丸いゲンゴロウは全く見当たらない
それでも長男は3センチほどのゲンゴロウのような水生昆虫を捕まえていた
「でもこれはガムシ」
その後日に また違う水生昆虫を捕まえたようだ
「でもこれはコオイムシ」
水生昆虫の魅力がわからない私にとってゲンゴロウもガムシもコオイムシも大して違いがないのだが
長男はやっぱりゲンゴロウを探しているようだった
昆虫園や水族園で展示されているゲンゴロウを食い入るように見つめていた
真夏のある日 家族で人口島のレジャープールに出かけた
休日の混雑でチケット売り場は行列ができている
私はチケットを買うために並び 主人は子供と行列を離れていた
ふと子供たちの方を見てみると ゴミが浮いているような噴水池で何かしている
「ハイイロゲンゴロウがいる!」
長男は興奮気味だ
ちょっとガムシより色が薄くて小さい水生昆虫を長男は捕まえて
レジャープールの流れるプールや造波プールは上の空だった
そしてその頃からようやく長男の「ゲンゴロウ」熱は冷めていった
あの2400円のゲンゴロウが長男の水生昆虫の興味の入り口だったのだろう
その後「タガメ」がいるといって田んぼの畔道ばかり出かけたこともあった
小学校4年の時に 市の広報誌で募集していた「田んぼため池探検隊」に入り
ため池のかいぼりという ため池の水を抜いて 中の生態を調査したり捕まえたりするという
とんでもない行事に雨の日に参加し
その後風邪をこじらせて2週間学校を休む羽目に陥ったこともある
中学の時 理科の研究でゲンゴロウの生息を調べて賞を取っている生徒がいた
長男は中学生になる頃には すっかり水生昆虫熱は冷めていた
興味を持つ時期が もう4~5年ずれていたら いい研究になったのに、と母の私は勝手なことを思い溜息をついた
家族で出かけたホームセンターのペットコーナーで小学校低学年だった長男が水槽を指さしてそう言った
小さな水槽に5センチくらいの丸いゲンゴロウがくるくる泳いでいる
値札を見ると「2400円」
お年玉は長男のものだが ゲンゴロウに2400円も使うなんて私には考えられない
「ゲンゴロウなんて駄目だよ お年玉は大切に使いなさい。 ゲンゴロウは捕りに行こう」
ゲンゴロウなんてどこにでもいる と その時は思った
あの丸い大きなゲンゴロウは絶滅危惧種だと調べてから気づく
しかし 車で30分ほど出かけた「無名池」に生息しているとの報告が上がっていた
休みごとに車を出して 自然公園の水場を探す
小さい水生昆虫ならたくさんいるのだが
やっぱりあの丸いゲンゴロウは全く見当たらない
それでも長男は3センチほどのゲンゴロウのような水生昆虫を捕まえていた
「でもこれはガムシ」
その後日に また違う水生昆虫を捕まえたようだ
「でもこれはコオイムシ」
水生昆虫の魅力がわからない私にとってゲンゴロウもガムシもコオイムシも大して違いがないのだが
長男はやっぱりゲンゴロウを探しているようだった
昆虫園や水族園で展示されているゲンゴロウを食い入るように見つめていた
真夏のある日 家族で人口島のレジャープールに出かけた
休日の混雑でチケット売り場は行列ができている
私はチケットを買うために並び 主人は子供と行列を離れていた
ふと子供たちの方を見てみると ゴミが浮いているような噴水池で何かしている
「ハイイロゲンゴロウがいる!」
長男は興奮気味だ
ちょっとガムシより色が薄くて小さい水生昆虫を長男は捕まえて
レジャープールの流れるプールや造波プールは上の空だった
そしてその頃からようやく長男の「ゲンゴロウ」熱は冷めていった
あの2400円のゲンゴロウが長男の水生昆虫の興味の入り口だったのだろう
その後「タガメ」がいるといって田んぼの畔道ばかり出かけたこともあった
小学校4年の時に 市の広報誌で募集していた「田んぼため池探検隊」に入り
ため池のかいぼりという ため池の水を抜いて 中の生態を調査したり捕まえたりするという
とんでもない行事に雨の日に参加し
その後風邪をこじらせて2週間学校を休む羽目に陥ったこともある
中学の時 理科の研究でゲンゴロウの生息を調べて賞を取っている生徒がいた
長男は中学生になる頃には すっかり水生昆虫熱は冷めていた
興味を持つ時期が もう4~5年ずれていたら いい研究になったのに、と母の私は勝手なことを思い溜息をついた