陶子の心の窓

今日わたしの心の窓は開いていたかな?あなたはいかがでしたか?

どこにフォーカスするかで・・

2014-03-06 08:15:03 | 雑感

今朝のワールドウエーブモーニングでエベレストのゴミの持ち帰りが義務化されると知りました。
今までの登山家たちは自然分解しないようなガスコンロの容器など、そのまま放置してきたのですね。
よく、小学校の遠足や泊りがけの体験学習などで「来たときよりも美しく」をモットーに自分が捨てたものでないゴミも拾ったりしたものですけど・・。
世界一の山に登る人たちはそういうことに人一倍敏感なはずだと思っていましたが。
上に行くほど酸素も薄くなり、高山病になったりする危険性も増すわけですから、できるだけ負担を減らすことが命を守ることにもつながるのかもしれません。登山家のあいだでは、「それが常識」とか「仕方のないこと」って暗黙の了解があったのかなぁ。

ともかく、登頂成功!の裏側には、食べたり暖をとるために使われた残骸を放置してきていた・・と言う事実もあるわけです。

義務化されるかなり前から、エベレストのゴミを撤去するために登山している方もいらっしゃいますね。

だから何?って文章ですが、私の中でこの伏線(←最近よく使う言葉ですね)になるのが、サキ短編集の中の『狼少年』という作品なんです。
狼少年と言えば、「大変だー!狼が来たー!!」の物語を思い出しますが、こちらの狼少年は、正真正銘、森の中に暮らしている狼のような少年。近頃村の家畜や果ては小さな子どもまでもが食い殺されると言う恐ろしい事件があるときに、主人公の男性は森の中で不気味な少年に出会うのです。
ここまで書くと、なんとなく結末は想像できるでしょうか?でもでも、実際に読んで、状況によっては、人々の心にどう映るものなのかを俯瞰していただきたいのです。
どこに焦点をあてるかで、事実がねじまげられることもある。美談にもなってしまうという怖さ。

サキ短編集にはこのほかにも、興味深いお話がたくさんあります。牧歌的な風景の中で語られているので、寓話めいた感じが現代にも共通するものを感じさせます。

オススメです。

 

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