2013年11月10日の日記で個人的に絶賛していたコミックエッセイ
『大衆演劇裏方日記トーリョーちゃん』が、ついに発売されました。
書籍化にあたって、タイトルは
『私の舞台は舞台裏 大衆演劇裏方日記』となりました。
現在発売元のメディアファクトリーのHP内のコミックエッセイ(期間限定無料公開)で内容が見られますが、それを読んだ感想は…
「あれ、なんか違う…?
」
受賞時に掲載されていた時のマンガと同じエピソードなのですが、コマ運びと語り口のリズムが変わっていて、読んだ時に受けるテンポの良さが感じられないのです。
えっなんでこんなことに?
と思って読み返したら、どーもマンガが
説明臭くなっていることに気付きました。
たぶん、書籍化にあたって担当の編集さんから、「大衆演劇というものを、もっと読者にわかりやすく説明して」と言われたのでしょう。
最近のコミックエッセイによくありがちなことです。
この出版社は、いろいろな作者で各地のグルメエッセイを出しているのですが、それがどれもことごとく
面白くない![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kuri_5.gif)
(ごめんなさい、はっきりいいました
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock2.gif)
)
料理の絵は丁寧できれいだし、店の良さや食べ物のおいしいところを描いてはいるのですが、「行ってみた~い、この料理食べた~い」とはならないのです。
どこそこの店に行って、「店内はこんな感じです」
そこで出された料理を食べて「この料理の○○と○○が素晴らしい。とてもおいしいです」
というような繰り返しで、単なる説明にしかなってないからです。
せっかく、グルメ旅をしているのに、旅の楽しさが全然伝わらない。非常にもったいないことだと思います。
私が好きな、たかぎなおこさんのグルメエッセイは、何度何度も読み返してしまうほど面白いです。それは、作者と一緒にその地域を旅してるような気分になるからでしょうか。いや、たとえ旅をしてなくたって家でゴロゴロしてる様子だけでも面白いのです。
料理をリアルに描いてるわけでもないし、たいした食べ物でもないのに、なぜか「行ってみた~い、食べてみた~い
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hamster_2.gif)
」と思わせるなにかがあるのです。(それがなにかはうまく説明できないのですが…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0199.gif)
)
そういうわけで、説明的なコミックエッセイは面白いと思えないのですが、『トーリョーちゃん』にもそれが及ぶとは…
ところで、なぜタイトルに
「トーリョーちゃん」を入れなかったのでしょうか。この呼び名が本人を一番よく表している言葉だと思ったのですが。
書籍化される際に、もっとたくさん他のエピソードが読める!というのを期待していたのですが、既出のエピソードはなるべくそのまま掲載してほしかった気がします。加筆する必要なんかまったくない。あれで完成されていたと思うからです。
すごくすごく期待していたトーリョーちゃんの本が編集者によってつまらなくなるのは非常に残念です。でもまだ本のほんの一部(←誰がうまいこといえと
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0152.gif)
)しか読んでないので、これだけで決めつけるのは早計というものです。
願わくば他の部分は、作者本来の語り口が活かされていて、楽しく興味深いものであることを願っています。
まずはサイト内の連載を読んで、それから本を買う価値があるのかどうかを見極めたいと思います。