ナイトメア・アリー
<あらすじ>
ショービジネスでの成功を夢みる野心にあふれた青年スタンは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座とめぐり合う。
そこで読心術の技を学んだスタンは、人をひきつける天性の才能とカリスマ性を武器に、トップの興行師となる。
しかし、その先には思いがけない闇が待ち受けていた。
ギレルモ・デル・トロ監督ならではの雰囲気が美術でうまく表されていました。
おどろおどろしく陰気で不気味なのに、“らしさ”があってとても良かったです。
これって…『鬼滅の刃 無限列車編【血鬼術 強制昏倒睡眠 眼(まなこ)】そのものじゃん!』ってなものも
ありました(笑)
ストーリーにもぐいぐい引き込まれました。
あらすじでだいたいの流れもわかるのですが、ラストそうくるのか~!と。
すべてわかってる上で受け止めるという皮肉な運命。
その時の台詞も素晴らしかったです。
提案されたものに対しての『私には…』のところね。
万人受けする作品ではないと思うけれど(独特の雰囲気が気持ち悪いと思う人もいるでしょう)
これは私たち好みの作品でした。
おもしろかった~
パワー・オブ・ザ・ドッグ
<あらすじ>
大牧場主のフィル・バーバンクと弟ジョージの兄弟は、地元の未亡人ローズと出会う。
ジョージはローズの心を慰め、やがて彼女と結婚して家に迎え入れる。
そのことをよく思わないフィルは、2人やローズの連れ子のピーターに対して冷酷な仕打ちをする。
しかし、そんなフィルの態度にも次第に変化が生じる。
2回観たのですけど、最初見終わった時は『(アカデミー賞の)作品賞はこれが獲るわ。これしかない!
これ以上のものはない!』と確信したのですが…まさかの結果でした
でも私たちにとっての作品賞はこれです
細やかな伏線がたくさん出てくるのですがその回収の凄さ。
そして監督の演出が冴え渡っているではないですか
正直、ジェーン・カンピオンがここまでできる監督とは思っていなくて…恐れ入りました
加えて予想しなかった展開、それぞれの人物とその関係性、そしてその変化が緻密に描かれています。
近年稀に見る素晴らしい脚本だと思うし、出演者もバリ良かったんです。
『カンバーバッチ、これで主演男優賞やな~。獲らなかったらウソやわ!』って自信満々だったのに
こちらもまさかの結果で…
ピーター役のコディ・スミット=マクフィーも助演男優賞獲るかもしれんな…獲ってほしい!と思っていたけど
そうはならず…
でもでも、私たちにとっての受賞者はあなたたちなのです(と言っておきます。)
この作品を1回目観た時って、フィルのイメージがとことん悪くて嫌悪感が強かったんですけど、
2回目はこの作品をさらに理解できたので見終わった時の気持ちがガラリと変わりました。
精神的にローズをじわじわ追い詰めていったり(←静か~に圧をかける演出がうまい)、
ピーターに対しての態度もひどくて…やな奴!って感じは変わらないのです。
が、しかし、フィルの内面を知ることで彼を理解していくと、心の中は誰よりも繊細なのに
見た目には誰よりも強く男らしく振る舞わなければならず、ローズとピーターへの仕打ちも
なぜそうするのかわかって見る目が変わりました。
フィルがかわいそう、というと語弊がありますが、この時代背景も伴って哀しさを感じますね
ネタバレに繋がってしまうので詳しいことは言えなくて、あの部分のあの描写や演出がうまくて…
という部分を挙げるとキリがないのでこのあたりにしておきます
あと、コディ・スミット=マクフィー演じるピーター必見です。
**おまけ**
どーでもいい話なのですが、この作品を観た夜に、家で『鎌倉殿の13人』を見ていたら
佐藤二郎さんが出ていたのですが、「あれ?今日この顔どっかで見たなぁ…」と考えてたら
ジョージ役のジェシー・プレモンスでした
似てないですか?
この写真で伝わるかな…?