『世界史とヨーロッパ』
ヘロドトスからウォーラーステインまで
岡崎勝世
ヨーロッパ人の視点での、「世界史」の変遷。
古代のギリシャ中心主義(ローマ然り「俺か、俺以外か」)から、
キリスト教にとっての普遍史(6000年で終末が来ちゃう)から、
大航海時代を経て「世界って広い!」と気づき
近代の国民国家時代まで。
最初は本書の主旨がうまく掴めなくて戸惑ったのですが、
なんとなくわかってくると、結構、おもしろかった。
ヘロドトスに代表される古代ギリシャでは
世界がオーケアノスという海に囲まれていて、
アジア・ヨーロッパ・リビアの3エリアしか存在しない。
狭いな!
アジアも精々ペルシア帝国あたりまでだし、
当然ギリシャ(もしくはローマ)至上主義なので
劣った人種だと認識している。
ペルシアの彼方にあるインドにはスキアポデス(一足人)や
キュノケパロイ(犬頭人)が住んでいるそうです。
おい。
そんなローマ帝国時代も後期になるとキリスト教ですよ。
古代キリスト教は、世界の始まりから6000年で
「終末」がくるという考えだったそうで。
教義や解釈によって年数カウントはブレますが、
イエス生誕のあたりで5000年強。
3世紀〜10世紀あたりの神学者的には
「もうすぐ終末じゃん!」
(カウント次第ではとっくに終末が来ている)
という状態だそうです。
そりゃ大変だな。
そして17世紀ごろ、「中国」の存在を知ってしまう。
キリスト教的にはノアの大洪水で生き残った8人から
文明が始まるはずなのに、
中国はノアの大洪水を遡ること600年の歴史を持つらしい。
中国4000年の歴史を食らえ!である笑
神学者って大変だな笑
笑い事じゃないと思うけど、結構、おもしろく読んでしまった。
そして17世紀にはケプラー、ガリレオ、ニュートンが登場。
科学の時代が始まる。
18世紀になると啓蒙主義があらわれ、
19世紀にはロマン主義。
いずれにせよ、ヨーロッパは植民地時代に入り
「文明化の使命」を勝手に抱く時代へ。
余計なお世話である。
本質的にはアジア・リビアを軽んじている古代ギリシャから
変わってないな、ってのも味わい深い。
19世紀は同時に古典考古学の時代でもある。
トロイの発掘に始まり、神話上の物語だと思われていた
ミケーネ文明、エーゲ文明が遺跡発掘により「発見」された時代。
これは浪漫がありますね。
最後の近代はちょっとお説教くさい香りもしましたが、
総じて新鮮な視点と情報で楽しい一冊でした。
満足!
ヘロドトスからウォーラーステインまで
岡崎勝世
ヨーロッパ人の視点での、「世界史」の変遷。
古代のギリシャ中心主義(ローマ然り「俺か、俺以外か」)から、
キリスト教にとっての普遍史(6000年で終末が来ちゃう)から、
大航海時代を経て「世界って広い!」と気づき
近代の国民国家時代まで。
最初は本書の主旨がうまく掴めなくて戸惑ったのですが、
なんとなくわかってくると、結構、おもしろかった。
ヘロドトスに代表される古代ギリシャでは
世界がオーケアノスという海に囲まれていて、
アジア・ヨーロッパ・リビアの3エリアしか存在しない。
狭いな!
アジアも精々ペルシア帝国あたりまでだし、
当然ギリシャ(もしくはローマ)至上主義なので
劣った人種だと認識している。
ペルシアの彼方にあるインドにはスキアポデス(一足人)や
キュノケパロイ(犬頭人)が住んでいるそうです。
おい。
そんなローマ帝国時代も後期になるとキリスト教ですよ。
古代キリスト教は、世界の始まりから6000年で
「終末」がくるという考えだったそうで。
教義や解釈によって年数カウントはブレますが、
イエス生誕のあたりで5000年強。
3世紀〜10世紀あたりの神学者的には
「もうすぐ終末じゃん!」
(カウント次第ではとっくに終末が来ている)
という状態だそうです。
そりゃ大変だな。
そして17世紀ごろ、「中国」の存在を知ってしまう。
キリスト教的にはノアの大洪水で生き残った8人から
文明が始まるはずなのに、
中国はノアの大洪水を遡ること600年の歴史を持つらしい。
中国4000年の歴史を食らえ!である笑
神学者って大変だな笑
笑い事じゃないと思うけど、結構、おもしろく読んでしまった。
そして17世紀にはケプラー、ガリレオ、ニュートンが登場。
科学の時代が始まる。
18世紀になると啓蒙主義があらわれ、
19世紀にはロマン主義。
いずれにせよ、ヨーロッパは植民地時代に入り
「文明化の使命」を勝手に抱く時代へ。
余計なお世話である。
本質的にはアジア・リビアを軽んじている古代ギリシャから
変わってないな、ってのも味わい深い。
19世紀は同時に古典考古学の時代でもある。
トロイの発掘に始まり、神話上の物語だと思われていた
ミケーネ文明、エーゲ文明が遺跡発掘により「発見」された時代。
これは浪漫がありますね。
最後の近代はちょっとお説教くさい香りもしましたが、
総じて新鮮な視点と情報で楽しい一冊でした。
満足!