『0番目の患者 逆説の医学史』
リュック・ペリノ
広野和美:訳 金丸啓子:訳
感染症学では、集団内で初めて特定の感染症に罹ったと
見なされる患者のことを
「インデックス・ケース」または
「ゼロ号患者(ペイシエント・ゼロ)」
と呼ぶそうです。
作者は、疫学で学位をとった医者であり作家。
「ゼロ号患者」という存在をすべての医学分野において
意図的に拡大解釈して、様々な症例を取り上げた一冊。
学術に於いては医者が全面に立っているけれど、
「病気を感じる人がいるから医学があるわけで」
というジョルジュ・カンギレム(フランスの哲学者・医者)
の言葉を引っ張ってきつつ、
医学史を見る逆説的な視点を提示してくれる一冊。
あら、これ面白いわ。
狂犬病ワクチン(パスツール)やジェンナーの種痘などは
有名どころだし、知識として知ってますけど、
というネタもあるのですが。
いや、そもそも、その接種者の話しは初耳だわ。
ましてや彼らの事情やその後なんか想像したこともなかったわ。
ごめん!
と言いながら興味深く読んでしまった。
目鱗で言ったら「腸チフスのメアリー」も
めちゃくちゃ有名じゃないですか。
でもやっぱりそのディテールは知らなかったな。
住み込み家政婦の「料理人」として渡り歩いたからこそ
感染拡大を助長していたとかね。
死後も内臓で発見された腸チフス菌が数日生き続けたそうで
よっぼど強靭な菌培養をしていたのだろうな、と。
他にも全身麻酔を発見したのは、
笑気ガスを使った見世物興行に行った抜歯師だったとか
おもしろいですね。
ジェンダー問題やアルツハイマー、海馬の研究など
笑えない話しも多々あるけれど、
それはそれでとても勉強になる。
それぞれのテーマがコンパクトにまとめられているので
ちょこちょこっと読みやすい構成。
良い本!
リュック・ペリノ
広野和美:訳 金丸啓子:訳
感染症学では、集団内で初めて特定の感染症に罹ったと
見なされる患者のことを
「インデックス・ケース」または
「ゼロ号患者(ペイシエント・ゼロ)」
と呼ぶそうです。
作者は、疫学で学位をとった医者であり作家。
「ゼロ号患者」という存在をすべての医学分野において
意図的に拡大解釈して、様々な症例を取り上げた一冊。
学術に於いては医者が全面に立っているけれど、
「病気を感じる人がいるから医学があるわけで」
というジョルジュ・カンギレム(フランスの哲学者・医者)
の言葉を引っ張ってきつつ、
医学史を見る逆説的な視点を提示してくれる一冊。
あら、これ面白いわ。
狂犬病ワクチン(パスツール)やジェンナーの種痘などは
有名どころだし、知識として知ってますけど、
というネタもあるのですが。
いや、そもそも、その接種者の話しは初耳だわ。
ましてや彼らの事情やその後なんか想像したこともなかったわ。
ごめん!
と言いながら興味深く読んでしまった。
目鱗で言ったら「腸チフスのメアリー」も
めちゃくちゃ有名じゃないですか。
でもやっぱりそのディテールは知らなかったな。
住み込み家政婦の「料理人」として渡り歩いたからこそ
感染拡大を助長していたとかね。
死後も内臓で発見された腸チフス菌が数日生き続けたそうで
よっぼど強靭な菌培養をしていたのだろうな、と。
他にも全身麻酔を発見したのは、
笑気ガスを使った見世物興行に行った抜歯師だったとか
おもしろいですね。
ジェンダー問題やアルツハイマー、海馬の研究など
笑えない話しも多々あるけれど、
それはそれでとても勉強になる。
それぞれのテーマがコンパクトにまとめられているので
ちょこちょこっと読みやすい構成。
良い本!