散歩者goo 

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昨日記161226月(ギャラリーZone ソーカル事件と解ったふり)

2016年12月29日 18時07分49秒 | 日記(昨日記・今の思い考え・行動・情況)
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26日は、午後まで、いつも通り、ボランティアに行き図書館に行った。
図書館を、いつもより少し早い目に出て帰宅し、昼食をとった。
3時ごろから、阪急桜井駅近くのギャラリーZoneに行った。

5人の女性作家の展覧会だった。
馴染みの京谷氏がキューレーションをし、解説を書いていた。
詩人でもある彼は、一貫してシュルレアリズムを中心に美術・芸術議論を展開していて、それに哲学的色合いをつけた感じの解説文をつけていた。
解説が妥当かは、各人意見があるだろうし、会場に彼がいていろいろ話したのでここでは触れない。
作品はそれぞれ完成度の高い手間をかけた力作が並んでいた。
いわゆる前衛的な側面を強く意識した作品ではなかったが、シュルレアリズムを意識したキューレーションなので当然の帰結といえるだろうし、シュルレアリズム系の作品としては、多少興味ある作品と言えるかもしれない。
(誤解されるといけないので一言。私は、芸術については、前衛だけが価値あるといった進化論的なことは全く思っていないし、美術に関しても、古典から現代まで、様々なタイプの作品を鑑賞し楽しんでいます。
ただ、ありきたりの表現や使い古された表現は、価値を感じません。<工芸・デザインは別の視点あり>)
会場には、数日前に拠点としているアメリカから帰国したギャラリーZoneオーナーのNしが居た。
N氏とも馴染みで、以前私のギャラリーで個展をしていただいたこともある。
彼ともしばらく歓談した後、ギャラリーを後にした。
帰る途中、阪急桜井駅で電車待ちの時にはっと気付いたことを、翌日に「今・観考録161227(火)(生活水準再確認)」として書いた。

帰りにファストフードに立ち寄り、近現代のヨーロッパ哲学史的な概説書を読んだ。
観念論 マルクス 現象学 実存主義 構造主義 ポスト構造 ・・・・・・
多くの人の名前が出てくるし、部分的にはそうした人物に関する本や著作物を過去にいろいろ読んだが、こうして体系的に見ると、ドイツ、フランス、イタリアでそれぞれ考え方が違う。
しかし、それぞれ非常に面白い。

例えば、構造主義者レヴィ=ストロースが実存主義を罵倒したり、思想界を根底から揺さぶった96年イグノーベル賞受賞の「ソーカル事件」の話しなんて笑った。非常に面白い。
レヴィ=ストロースが複雑な文化人類学上の婚姻関係の問題を解明するために、数学者に依頼して数学の群論を駆使した構造を発見し構造主義を構築したことに刺激を受け、ラカンも似たようなことをやったが、厳密な処理がされておらず、強く批判されたことも面白い。(きっちり定義し論証しないと学問的議論にならない。)
私は、常々、特に現象学(多くのよく似た用語造語が飛び交い、定義されていない)に関して少し同じような疑問を感じることはあった。(現象学については、私は理解していないし、本も全く読みこなしていないので、的外れの感想かもしれませんが、少なくとも現象学関係の権威が書いた初心者向け解説本を読んでいて、解説者自身用語の定義に関してあいまいなところが多いと記していた。)

「ソーカル事件」は、日本考古学界の旧石器ねつ造事件に匹敵するような問題なのだろう。
日本では、「ソーカル事件」を問題にしている人は少ないか、あまり知られていないらしいというし、ヨーロッパでも、このことに口をつぐむ知識人が多いという。
これは、インテリに多い知ったかぶりの問題でもあり、現代美術でもわからないことは、分かったかぶりするか、極力黙って最後に「いいですね」ということが多いことにも表れているように見受けられる。
この日、帰宅後ブログを書いたために、夕食が終わったのは12時前だった。

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