『ホスピスを提供する部署はそれぞれ独自の流れを持っている。「特徴」とか「雰囲気」と呼ばれるものである。その部署に身を置くスタッフはその「流れ」がどうなっているかに気づくことはほとんどない・・・・・(略)その「流れ」はしずしずと患者・家族に押し寄せ、良きにしろ悪しきにしろ、その部署でのホスピスケアを決定事ケているからである。』
下稲葉康之氏
福岡県にある栄光病院さんが機関誌を発行されております。
その機関誌は栄光病院さん以外の施設にも配布されているようで、私はその機関誌を何度も目にしていました。
そして、巻頭言を結構楽しみにするようになりました。
巻頭言は下稲葉康之先生が書いておられます。
この巻頭言の引用は第4巻、第2号(2010年)からの引用です。
緩和ケア病棟で勤務していると、本当に、下稲葉先生がおっしゃるように、病棟の「流れ」を感じます。
もちろん、その流れを作り出しているのは自分も含まれているとわかってはいつつも、まるで自分が少し、流れから距離を置いているかのように、流れを感じることが多々あります。
そういった意味では、そこのスタッフが、その流れに気が付くことがほとんどない、というのはちょっと違うな、という気もしていますが…。
今、その「流れ」を感じまくっています。
私は、部署独自の流れというのは、その部署のチームワークではないかと思っています。
チームワークを左右するものはたくさんあります。
スタッフの能力とかスタッフ間の関係性とか…。
それだけではなくて、患者さん・ご家族の状態にも大きく左右されます。
正直に言うと、今、自分の部署の負のスパイラルをひしひしと感じています。
スタッフがさまざまな病気で勤務ができなくなる。
スタッフの病気が「ストレス」や「心の痛み」が大きく影響している。
そんなスタッフがちらほら出てくると、「元気な」スタッフが「しんどいな」と思うスタッフの分、がんばらなくてはならなくなる。
そうすると、「元気な」スタッフまでもがしんどくなる…。
そんな時に限って、そばにいて根気よく話を聴いたり付き添ってあげたりしないといけない患者さん・家族さんが多くなり…。
そして。
「やってらんねーーーー。」となってしまう…。
今、そんな状態の病棟。
こんな状態が結構長く続いています。
みんな、よく頑張っている。
スタッフも頑張っている。
だけど、患者さんやご家族からは、「もっと」「もっと」的なケアが必要とされ。
いえ。
患者さんやご家族からは「もっと」「もっと」的なケアを直接必要だと言われないにしても、どうみても、自分たちが「もっと」「もっと」がんばらなくてはならない状況が次々とやってきて…。
そう、ここは緩和ケア病棟。
だから、明日という時間や、今日という時間が二度とやってくることがないかもしれない場面を多く迎える場所…。
でも、スタッフは疲弊している。
こんな時のチーム力、つまり、部署が作り出す「流れ」が問われるんだ。
とても申し訳ないものがあるし、やるせないものもある。
いつも思う。
スタッフがばたばたと倒れてしまう時。
患者さんやご家族のケアのためにスタッフが疲弊してしてしまう時。
チームの底力が問われる。
真のチーム力が問われる。
「流れ」はとても「負のスパイラル」に陥りやすい。
おそらく、この「負のスパイラル」を断ち切るのはチームしかない。
その部署だけの問題ではなく、病院全体の問題。
チームとは病院全体のことなのだけどなぁ…。
病院全体がぎくしゃくしているとこんなにもしんどいものなんだなぁ。
(初めての経験じゃないのにねー)
実のところ、自分が自分のことでめいいっぱいになっているのですが、そんなことを言っている暇もなく、とにかく、今の病棟が「何とかやっていける」ことに協力することに精いっぱいのポンなのであります。
こんな状況だけど、何とか、「いい流れ」を作りたい…。
自分にできることを考えようと思います…。
「流れ」に飲み込まれてはいけない…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます