不思議なことに、病棟で患者さんがお亡くなりになるパターンのようなものがあるような気がします。
どなたかが旅立たれると、その次にどなたかが旅立ち、そして、またどなたかが旅立ち…。
このところ、そんな感じになっているような気がします。
緩和ケア病棟にベッドが30も、40もあることはまずなくて、せいぜい、10から20床くらいですから、患者さんが3人も旅立たれると、かなり、さみしいものがあります。
ある先生が話していたところによると、「あの世に行くために三途の川を渡る船は、3人乗りらしよ。」と。
この話がどこからきたものなのか、とか、本当にそうなのか?(本当にそうなのかというのはわかるはずがないのですが…)とか、信じてるの?とか、そんなことは横っちょにおいておいてっと…。
私たちは病棟でよく、患者さんが亡くなられたあと、「あの世に行くための船」の話をします。ある先生のお話をきっかけに、みんなが「船は3人乗り」を前提にお話します。
「3人乗りの船だったら、ちょっと、普通サイズでは小さいかも…。」
→中に、体格のいい人がいるって意味でね。
「船でみんなが好き勝手しゃべって、ちっとも前に進まなかったりして。」
→お話好きな人が乗っているって意味でね。
「きっと、操縦するのは○○さんに任せたほうがいいかもね。」
→運転が好きな方が複数いるって意味でね。
こうやって、「3人乗りの船」に乗っているシーンを、それまでの患者さん像を思い浮かべながら、ちょっとくすくすっと笑いながらお話をしていきます。
たとえ病棟で過ごした時間が数日であろうと、どの患者さんとも一緒に時間を過ごさせていただいた思い出が私たちにはあるので、その思い出を、ほんわか~と思い浮かべながらのお話になります。
勿論、別れというさみしさや悲しさ、残念さなどの気持ちもあります。
私の場合の話ですが、この「3人乗りの船」の話をしているときは、それまでの過程でいろいろあったとしても、かなり、穏やかな気持ちで患者さんのことを考えられていることがほとんどです。
「その人らしさ」をダイジェストで思い出すわけですから、その人の「インパクト」を思い出すことになるんですね。
患者さんが亡くなられることはとても残念なことなのですが、この会話が患者さんへの素敵で、面白い?メッセージになっていると思います。
そして、この「くすっと笑える感じ」は、さらに患者さんをケアしてかなくてはならない私たちにとっては大切な気持ちの切り替えタイムであるとも思います。
ところで、あの世に行くためには三途の川を渡るので、手段は船ということになるんだよね…。
泳いで渡る人もいるんだろうか。
川に橋ができて、車で渡れるってことはないのかな。
川の端と端に木があって、手前にロープを括りつけて、ターザンのように渡るとか…。
川を凍らせて、ボブスレーのようなものでしゅーーーーんっと渡るとか。
途中で釣り糸を垂れて、お土産用の魚をゲットしてから渡るとか。
そんなんはないんやろか。
患者さんを思うとき、そんなんも「あり」なような気がします。
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