鎮静中の患者さんがいらっしゃいます。
このところ、息をするたびに、ごろごろ…と音をたてて、口腔~咽頭での分泌液が増えていました。
で、でました、「ブスコパンの舌下」の指示。
幸い、患者さんは鎮静で、穏やかに眠られておられますが、あまり分泌物を吸引する機会が増えますと、休息が阻害されます。
そこで、この時期の患者さんだからこその、指示、ブスコパンの舌下。
以前、ブスコパンの舌下をさせていただいた患者さんがいらっしゃったので、ポンは自分でブスコパンを舐めてみました。
この恐ろしいほどの苦みときたらっ。筆舌もんですぞなもしっ。
・・・そんなありがたい経験がありましたので、ブスコパン0.2ml舌下と指示を出した、緩和ケア医と、そのブスコパンをいよいよ舌下しようとしていた受け持ち看護師に、ブスコパンをごくわずかではありますが、一滴、舐めてみるように伝えました。
反応は。
予想通り。
苦くて、「ぎょえ~~~~~っ」でした。
しめしめ←ポンの反応
この手法が間違っているとは思いませんが、実際にはどんな感じなのかを体感しておくこともいい経験なのではないかと思いました。
鎮静中の患者さんとはいえ、いくら反応がないとはいえ、やっぱり、苦いものを口に入れないといけない時には、苦いものを舌下しようとしているということの自覚は、医療者には必要かと思います。
自覚することで、患者さんを気遣う声かけをしながら、今までよりもよりいっそう、気遣いをしながら、舌下することができるのだと思います。
ということで、ブスコパンを舐めてみた体験のおかげで、緩和ケア医からの指示は、
ブスコパン0.2ml舌下から、
ブスコパン0.1ml舌下、という指示に変更になりました。
(ほんまは、0.1ml舌下されるだけでも相当な量なのですがぁ)
こうやって指示が変わっただけでも、収穫です。
0.1mlでも、分泌物は抑えることができていましたし。
きっと。
ハイスコを舌下した時も、とんでもない味なんだろうな…。
可能な範囲で、患者さんと同じ経験をするというのは、大切なことですね。
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