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緩和ケア病棟には、主にがんの終末期の患者さんが入院しています。そのせいでしょうか、人々が持つ緩和ケア病棟のイメージはあまりよくないのではないかと思うときがあります。
そもそも、がん自体のイメージがよくありません。がん自体が「もうだめだ」「死」といったものをイメージさせるからでしょう。患者さんやその家族がネガティブなイメージを持つことは仕方がないところもあるかもしれません。けれど、医療者の中にも同じようにネガティブなイメージを持っている人が少なくありません。
残念ながら、自分の属する病院でも、緩和ケア病棟というと、「暗い」とか「あそこに行くと死んでしまう」などと言葉にされることを耳にします。
日本の全病床数に占める緩和ケア病棟の割合がとても少ないので、どんなところかよくわからないために誤解を生んでいることは否めません。だからといって、はい、そうですか、と引き下がるわけには参りません。
せめて、自分の病院のスタッフには緩和ケア病棟に対する理解をもってもらわなければと思っています。
先日、緩和ケア病棟についての理解が不十分であると思っている上司に、病棟見学をしてみてはいかがでしょうかと提案して、1週間ほど病棟を見ていただきました。
案の定ですが、病棟見学の後はもともとの緩和ケア病棟に対するイメージが払拭されたようです。
緩和ケア病棟は、限りある命を輝かせることを専門とする病棟だと思っています。患者さんや家族、そしてスタッフのみんなが暗い顔をして過ごしているわけではありません。
勿論、涙や怒りや不安から逃れられないような辛さに直面しなくてはなりません。でも、患者さんがその人らしく最期まで在ることで患者さんは微笑み、家族は笑顔で過ごせることも多々あるのです。
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