昔、女友達三人と一緒に、
喫茶店で
待ち合わせをして奈良公園へ遊びに行く計画を
話しているとき、女性の間で嫌われている男性が
話に割り込んできて、話の内容を根ほり、葉ほり聞いてきて
私達は、その場で別の話を出して、ごまかしていました。
その男性は、通路から私達の姿が見えて、このまま入って
来たようです。話し合いがしたくでも、できないので
私達は目で合図をして、このまま会計を済ませて
解散しました。
計画通り、皆で駅のホームで待ち合わせをしていると
その男性が、場違いな アウトドアというか登山するような
服装にリュックを背負って、
手を振って走ってきました。
私と先に来た友達は呆然としました。
(なんで呼んでいないのに、こいつは来るんだよ)
後からやってきた残り2人の友達も、男性の姿を見て
ギョッとしました。
すると男性が「皆ぞろったから、行こう」と1人で勝手に
盛り上がって、その場で ぶん殴ってやりたくなりました。
友だちは「ホームに突き落としてやりたいわ」と言い出して
怖かったわ。
女性4人で、トイレに行きたいと、ごまかして女子トイレに
入って、こそこそ、相談しました。
「なんで、こいつが来たの?」
「計画を話していないよね?」と皆で確認をしましたが
誰も誘っていないし、計画も話していませんでした。
でも喫茶店で、計画の話をしている所、手話を読み取られたかもしれないなという、結論になりましたが
今でも真相は分かりません。
男性をまいて
電車に乗る、方法を相談しました。
私と友だちが二手に分かれて、駅のホームに立つと
男性はあっちこっち、きょろきょろして、「どうしたの?一緒にまたないの?」と言いました。
それでも無言を貫き、奈良行きの
が、ホームに入ってきて
乗るふりをしたら、男性は引っかかって、このままドアが閉まって消えました。
ほっとして、別の私鉄に変更して行きました。
こうして奈良公園に着きました。
私鉄の駅を出て、公園前の道を歩いていると、その男性が
をふって走ってきて、しつこさに負けました。
ええ、本当に負けました。
私達4人は、逃げられないと悟り、楽しみが半減して
ばら色の景色が灰色になりました。
それでも無視して、鹿せんべいを買って
鹿に与えている時、わらわらと寄って来て
鹿の鼻と頭で周りから押されて、パニック状態でした。
その時、男性が財布から一万円札を取り出して
鹿をからかうように、ヒラヒラさせて
私達は腹を立てて、口々に「やめなさい」と注意をしましたが
男性は「鹿に小判だよ」とアホなことを言って
私達が「お前は帰れ」と言ったときに鹿が男性の所に
集りだして、体が一番、大きい鹿が、一万円札をかぶりと
食べました。あっという間の出来事だったので、
止められませんでした。
男性は、あわてて鹿の口をこじ開けようとしましたが
鹿が嫌がって、頭を振って、このまま、どこかへ
走って逃げました。
心の中では「鹿さん、神様ありがとうございます」と
お礼を言いました。
男性は、「お金がない、どうしょう」と言いましたが
帰りの交通費が足りなさそうなので、私達は仕方なく、
カンパして、このまま帰らせました。
鹿さんのお陰で、楽しく観光して帰りました。