小学校に入る前、六歳上の姉がどこかで覚えて来た話を聞かせてくれるのを、楽しみにしていた時期がありました。
多分今聴いたら他愛ない内容なのかも知れませんが、その話から喚起される子供なりのイメージに没入出来て、ハラハラしたりドキドキしたり恐らく何回もリクエストしたと思います。
一人称で主人公が何処行ってどんな目にあったかという、シンプルなその手の話特有の展開が延々続いても、その辺は子供なので飽く事なく楽しめたのでしょう。
二十歳を過ぎて知ったのがピカレスク小説と呼ばれる分野のいくつかの話ですが、その中の一つが「モル・フランダーズ」です。話の構成が姉の話を思い出させました。
岩波文庫で上下巻にわたって主人公の女性モル・フランダーズの数奇な運命が次々と展開して行くのですが、十八世紀の話ゆえ今日ではへぇとかほぉとかいう感じです。
そこで思うのは、話の筋よりも作者ダニエル・デフォーを含めて、書かれた時代の混沌とした様子が垣間見える事です。
例えば世界史の教科書には出て来ないと思いますが、新大陸には最初かなりの罪人が送り込まれた事が知られています。そういう人たちが先住民から、タダ同然でマンハッタン島を手に入れた経緯もまた有名な話ですね。
この小説にも、そういう背景を感じる部分があったような気がします。
最後は確か、めでたしめでたしで終わるところも昔っぽくて、それもまた良しという感じです。
多分今聴いたら他愛ない内容なのかも知れませんが、その話から喚起される子供なりのイメージに没入出来て、ハラハラしたりドキドキしたり恐らく何回もリクエストしたと思います。
一人称で主人公が何処行ってどんな目にあったかという、シンプルなその手の話特有の展開が延々続いても、その辺は子供なので飽く事なく楽しめたのでしょう。
二十歳を過ぎて知ったのがピカレスク小説と呼ばれる分野のいくつかの話ですが、その中の一つが「モル・フランダーズ」です。話の構成が姉の話を思い出させました。
岩波文庫で上下巻にわたって主人公の女性モル・フランダーズの数奇な運命が次々と展開して行くのですが、十八世紀の話ゆえ今日ではへぇとかほぉとかいう感じです。
そこで思うのは、話の筋よりも作者ダニエル・デフォーを含めて、書かれた時代の混沌とした様子が垣間見える事です。
例えば世界史の教科書には出て来ないと思いますが、新大陸には最初かなりの罪人が送り込まれた事が知られています。そういう人たちが先住民から、タダ同然でマンハッタン島を手に入れた経緯もまた有名な話ですね。
この小説にも、そういう背景を感じる部分があったような気がします。
最後は確か、めでたしめでたしで終わるところも昔っぽくて、それもまた良しという感じです。