春というつかみどころのない文字を見ているうちに和らぐ心
平成15年3月9日 日経掲載 さいたま 滝口由美子様作
「春」という漢字は桑の若芽が出た姿をかたどっていると言われている。その人の気持ちから同じ漢字でも感じるところが違ってくる。これが漢字の面白さであろう。
心という字 (18.6.25産経新聞・品川区 朝熊弘道様作)
心という字を
書いてごらん
誰が書いても
どんなに書いても
落ち着いた
美しい字に
なっているから
書いたその字を
じっと
見つめてごらん
しばらくすると
いらいらなど
消え失せて
優しく穏やかな
気分に慣れるから
「一」 (17.10.26 産経新聞 日野市 佐藤佐知典様作)
一秒
一球
一点
一票
一には重みがある
色々なドラマがある
一粒一葉に命を感じ
一人の心を大切にする
一汁一菜に感謝し
一円も無駄にはしない
今日一日のその一歩も
大切な何かに
着実につながっている
そしてこんな字解きの歌もある。
あやとり (17.2.1 産経新聞 四季 小高賢様作)
二つの糸に心と言は添えられてあやとりのごと恋は生まるる
これは、恋という漢字の旧字の「コイ」を唄ったものだが私のパソコンでは旧字が出てこないので、辞書で確認してもらいたい。
旧字を分解すると、二つの糸の間に言、下に心がある。恋は二本の糸を結び合いように互いに心惹かれる様の漢字であると。
活字をただ追うことなく日常生活の中に憩いを見つけようとすればいくらでも面白いことがあると言うことだろう。一時の癒しを得るためにもチョッと立ち止まってみようよ!