全員が輪になる機会は毎日の朝礼くらいしかない我が社で珍しく終礼なるものがあった。
文字通り珍しいことで対象者も全員、しかも本来であれば夕方前に帰宅するメンバーもということで「イヤな予感」はした。
果たして中身は予感をはるかに超える重いものであったため詳しくは書くことはできない。
我が社の中だけで済む問題ではないことがその理由である。
ただ一つ言えるのは、我が社の日頃のガバナンスの積み重ねが招いた事態であること、それだけである。
あくまで一般論として書くが、経営サイドから「もうひと踏ん張り」とか「今少しの辛抱」などという言葉が出る時はその後高い確率でしぼんでいくかひどい時は終わる。
こういう言葉が出る時点ですでに解決しようがない問題を抱えていることが多い。
技術論ではなく精神論を言うしかない組織はその時点でかなり弱っているということである。
私個人に落とせば今後に関して困ったなと思う要素は今のところはない。
今のところはと書いたのは、これまでとはわずかながら変化が見込まれる中でそのわずかが納得できるものになるかどうかが分からないからだ。
望めば同じ場所で同じ仕事を続けていけるようではあり、その基本線上にある限りは受け入れられないことはないだろう。
果たして大変に大きな話が飛び出したのち、メンバー間ではやはり話題にはならざるを得ない。
ところが、世の中にはオシャベリという困った種類がいて、私は目撃していないが出入りの業者さんにもペラペラと話していたという。
それを察した上の人が事務所から飛び出してきたというからいかに軽々しく扱ってはいけない話かということなのだが、こういう、煮ても焼いても食えない人物もいるのが残念ながら我が社である。
もっとも会議の中身は「決して口外はしないように」と解散前にクギを刺しておけば済んでいたこと、このあたりも含めた会社としてのワキの甘さが多方面で災いしたことは否定できないと思う。
ガバナンスという言葉を出したが、今後はそのあたりが改善する可能性はある。
いい意味で常識にかかった、今よりは厳しく見えても実はそれは当たり前、くらいのガバナンスになるなら私にとっては願ったりかなったりである。
幸いにしてまだ我が社での時間が短いこともあり、私自身はよからぬ習慣に染まっていない自負はある。
むしろ、これまでのユルユルのガバナンスから多少変わって「ついていけない」者が出る可能性はある。
ぬるま湯につかり切っていた人間が淘汰されていくにはいいタイミングなのかもしれない。
今のところは「方向」が示されているだけであり、何かを考えるにもこれからと言うしかない状況ではあるが、少なくとも「悪い」ということは全くないので、今後も変わらず日々を誠実に乗り越えていきたいと思う。