blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

1月を振り返って

2009-01-31 22:25:33 | 月末振り返り
毎月最終日はその月を振り返る。
もう今年も1ヶ月とは早いが、いろいろな意味で考えさせられる月であった。

「勧善懲悪」という言葉があるが、時代劇などでは前半悪人がやりたい放題やって、後半の見せ場になってようやく印籠が出てきたりお裁きがあったりしてめでたしめでたしとなる。
ワンパターンと言えばそれまでだが、こういった作品が世の中から消えないのは、人間の本質はやはり悪を受け入れないものであるということであろう。

ただ、現実の世の中となると「いい子ちゃん」だから必ずしもいいとは言えない場面が多い。
アメリカという国は「自由と正義」を大義名分に世界中に介入している。
前の大統領は、北朝鮮やイランなどを名指しして「悪の枢軸」という言葉を使った。
確かにこれらの国の政治体制が素晴らしいとは私も思わないが、「おまえは悪い」と言われたら、言われたほうは当然「何だ」と思う。
大統領が変わってどうなるかは分からないが、現状アメリカとしてこれらの国々と「うまくいっていない」のは明らかだ。
アメリカから見て「悪い」ように見えても、即叩き潰していいとは言えないだろう。
ひどく見える国も、それはあくまで指導者の問題であって、そんな体制の中でも日々生活を送っている無数の罪のない人々がいる。
アメリカが掲げる「正しさ」のために、イラクで、パレスチナで何人の民間人が犠牲となってきたか。

この1ヶ月、「悪」と見えるものに対してどういうふうに付き合っていけばいいか、個人のレベルでも考えさせられ、心境の変化というものも経験した。
昨日付けで、会社にひどい仕事をさせられてイヤになり辞めていった人間のことを書いた。
その人間たちと実際に接触を持ち話を聞いたこともあるし、会社の悪事を何とかして暴こうとする動きに付き合ったこともある。
彼らの気持ちは本当によく分かるのだが、「恨み」の感情であふれた人間の集まりは、実のところはかなり居心地が悪かった。
確かにわが社のやってきたことは、明らかに危なっかしいか、ややもするとミエミエの違反だったりする。
そんな会社など潰れてしまえと彼らは懸命に動くのだが、行政機関がそれにまるまる応えて本気で潰しに来る気配はない。

行政側からすれば、過去の経緯から実情はだいたい分かっているだろう。
本気になれば、わが社くらい簡単に潰せるとは思う。
それをあえてせず、何かと勿体をつけては会社に訪問し、いちおうプレッシャーだけかけて帰っていくのである。
「悪」と見えても即潰しには来ないのは、本当に潰してしまえば、私を含めた一般の普通に働いている社員まで巻き込むことが行政側にも分かっているからだと思う。

「勧善懲悪」は人の理想ではあるけれど、悪とうまく付き合うすべも持ち合わせるくらいのしたたかさも現実社会では必要なのかもしれない。
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