in a schale

シャーレにとじ込めたありふれた日常。

12/26 DIR EN GREY“BAJRA”at 横浜BLITZ

2008-12-27 15:48:01 | ライブレポート
2階席最前列ということで、わたしの目には、ステージとフロアにいるお客さんだけが映るわけで。この日は「DIR EN GREYを観る」ということに専念しました。

とにかくメンバーとオーディエンスの熱さが尋常じゃない。端から端まで、フロアにいるすべての人のエネルギーがステージに向いているんです。しかし、京さんは“お前らそんなもんか!”と煽る。また、この日彼は何度も“お前らの声を聴かせてくれ”と叫んでいました。まだ足りない、もっと、もっと…というように。どこまでも貪欲。吐き出し、求めていく。そんな様が見て取れました。


“深ーく深く深く…堕ちていく様 ただ見ているだけ
心が浄化されていく
人の過ち 優しく手を差しのべて
愚かな心 わかっていても 心が求める
おぞましい優しさに また喰われる
本能のままに どこまでも高い太陽に
手を高く高ーく高く伸ばし
つかめるものはいつも
限りなく小さな愛情と どこまでも大きな絶望”

そんな言葉のあとに続く「GLASS SKIN」はやりきれない哀しさがありました。あきらめにも似た哀しみ。絶望。でもそこにあるのは退廃の美しさ。
ゆっくりと左手で顔を覆い、荒い吐息を吐き出す。ピアノの旋律が重々しく感じてしまう「CONCEIVED SORROW」はさらに哀しみを助長していきました。“涙も嘘も…”のフレーズを生声で歌う……いや、あれは悲痛な「叫び」と言ったほうがいいかもしれません。心が叫ぶ。それを見たような気がしました。


この日、見入ってしまったシーンです。このシリアスな雰囲気は「dead tree」まで続くのですが「HYDRA-666-」からはだんだん爆発していきました。特に「冷血なりせば」はヤバいです。ヤバい。2回言っておきます。はい。ライブ映えする曲です。Shinyaさんの高速ドラミング、パワーコードでガシガシ突くフロント陣。ヤバい。Toshiyaさんが両手を挙げながら嬉しそうに上手に行ってました。戻るときも同じように両手を挙げて、リズムに合わせてノリノリで歩いてました。お化けのようでした(←意味わからんよね)

アンコールはまた「Mr.NEWSMAN」がものすごい盛り上がりを見せていました。「CLEVER SLEAZOID」の“声も出ないくらいに…”のオーディエンスの合唱は最高でした。あの中で自分が歌っていると自分の声も聞こえないくらいなのですが、上から聞いてみるとものすごい声量なんだなということがわかり、感動でした。

“まだイケるか!まだイケるか!イケんのか?聞こえないんだよ!!ホントかー?男!男ー!男ーー!!もっとイケんだろ!後ろ!後ろー!後ろーー!!全員でイケんのか!全員でかかってこい!!”

揺れます、蠢きます、横浜BLITZ。ラストの「THE IIID EMPIRE」。Dieさんがぐるんぐるん首を振り、薫さんが京さんのそばでオーディエンスを見渡しながらギターを弾き倒し、Shinyaさんが屈み込みながらありったけの力を込めてドラムを鳴らします。Toshiyaさんの投げたマイクスタンド、後ろに突き刺さってましたよ(!)演奏が終わると京さんは左胸を叩いてステージをあとにしました

大阪城ホールではどんな景色を見せてくれるのでしょうか。そして彼らは1万人以上の“声”を聞いたとき、何を思うのでしょうか。それでも“もっとー!!”と叫ぶ京さんの姿が目に浮かびますが笑 やがて明らかになる『UROBOROS』の世界。どんな色が見えるかな