ちょうど開演間際に雨がポツリポツリと降り出しました。会場はソールドアウトでフロアは後ろまで人、人、人! メンバーの顔が人の隙間からちょこちょこ見えるっていう感じでした。
いつのまにかドリンクカウンターがプチリノベーションされていて、受け取り口が縦に3倍ほど拡張されてました。これでスタッフさんの顔が見えるように。以前は、どうぞ~とスタッフさんの腕がニョキッと伸びてきてドリンクを受け取るという感じだったので、かなり印象良くなりましたね(笑)。
■■■HOLLOWGRAM
先攻はHOLLOWGRAM。個人的には半年くらいぶりかも。これだけ期間が空いたから当たり前かもしれませんが、曲が増えてる!っていうのが第一の感想。『Qualia』の流通盤は試聴だけでスルーしてしまったので、オリジナル盤収録曲しかあまりわからずで。
ライブは穏やかに「シルエット」からスタート。少しくぐもって聴こえるナルシスですが、ryoさんの声はよく通ってやはり格別だなと思いました。浄化される感じがします。バンド全体としては音源の再現率が高い。正確さと臨場感が合わさって、耳だけでも楽しめるライブでした。ライブアルバムとか向いてそうだなと。
3曲ほど演奏したところで、ギタートラブルが起こり、イベントタイトルについてMC。
「解散のことを知らずにamber grisにオファーして。彼らからはそれならぜひ2マンでお願いしたいと言われ、そこで初めて(解散を)知らされて、おいおいおぃぃ…と(苦笑)。“The resplendent”というタイトルの“resplendent”は形容詞で、『きらめく』とか『輝く』という意味。形容詞だから、後ろに名詞がきます。その単語は『情熱』でもいいし、『熱情』でもいいし。『ひきちぎった髪の毛』でもいい(一同笑)。…ダメだよ、社会問題になっちゃう(笑)。なんでもいいので『きらめく』ものを見つけて帰ってください」
「amber grisは想いを込めた曲を持ってきていると思います。僕たちも想いの染み込んだ曲を」と話し、「adolescent」へ。
たぶん英語だけどチクタク?と囁いているように聴こえる怪しげなSEを挟み、「Stand the devil's like」「Preasance Liddell」でブチ上げ。「Preasance~」は比較的ノリやすいリズムなので楽しい。
ryoさんはamber grisのことを「作り手の想いが作品から匂い立つ。芳しく香ってくる」と評していました。
ラストはゴールドの照明で彩られた「Don't cry for the knell」。ryoさんが「笑顔で!」と何度も呼びかけていたのも印象的でした。
■■■amber gris
後攻amber gris。1曲目の「different of stain」で、手鞠さんが歌いだしのタイミングを逃し少しもたるも、すぐに持ち直しました。「Fragile」「Sweet blood pool」と激しめの曲で攻めていきます。
反対に「不浄の樹の下で-Under an impure tree-」「茨の花は罪に咲く」ではしっとりと聴かせる。「茨~」はwayneさんのストロークと手鞠さんの歌のみのセクションもあり、引き込まれてしまいました。歌詞が物語調になっているんですが、身振り手振りを交えて歌う手鞠さんが本当に語り部みたいに見えたんです。“愛しておくれ。そう、僕の代わりに。”という歌詞も、解散ということをふまえて聴くと、amber grisのことを観客に託しているように感じられました。
MCでは少ししんみりしてしまったフロアを和ませるためか、過去の笑い話。
「amber grisのメンバーのうち3人は埼玉出身で、浦和といえば支配下ですよ(一同笑)! こうやって満員の会場を見ると、10代のころ出演したときにスカスカだったことを思い出すなあ。その10代のころ、浦和ナルシスで対バンイベントに出たんですけど、ヴィジュアル系らしからぬ風貌のバンドさんがいたんですね。リハの時間にふと見たら味のりを食べてて!
そのバンドさん、いろんなライブハウスのオーディシを受けて落ちまくっていたらしいんですよ。そんな中での浦和ナルシス出演だったみたい。で、『味のりいいっすね』って話しかけたら、『いります?』って言われて、このバンドすごいな!と。
しかも、ライブで包帯ぐるぐる巻きで墨汁を吐きます、って。スタッフさんには、モニターにだけはかけないでくださいって注意されてたんですけど、思いっきりここ(センターのモニター)にドバッといってて(笑)。スタッフさんにすっごい怒られてましたね。…今、元気かなあ」
このほかに、出番が終わったバンドは次のバンドとバトンタッチする際、「きょういい感じです!」「背の高い外人さんがすっごいノッてた」と、客席のノリの情報交換をしていた、という話をしていました。
この日の手鞠さんは、いつも以上にまっすぐ客席を見て力強く歌っているように見えました。ある種のがむしゃら感があったというか。
「グランギニョル」では「1人にしないでくれ、1人させないから」というつぶやきも。
本編ラスト前には5月にワンマンツアーを行ない5月27日にファイナルというお知らせ。
「変わることなく、といったら違うかもしれないけれど、大切なものを大切な人に届けるライブをしますので」といったことを話していました。そして、新曲をということで、4月15日発売シングル「小さな銀貨を左手に」の中から「Absolute being」を披露。
この「Absolute being」、バラードというわけではないんですが、なんだか切なくて泣けます。Bメロ?の駆けあがっていく歌メロが、手鞠さんの声にぴったりですごく伸びやかに響いていました。“その手は”“その目は”というような歌詞でしたね。この歌メロはサビでもアレンジ違いで使われていました。“CALLING YOU”という言葉も出てきました。
そして歌詞のラストはおそらく、“何よりも美しくあれ”。amber grisのメンバーが自分自身を奮い立たせているようにも見えました。
◆
アンコールがかかる中、ラミさんが1人登場。幕の隙間から顔を出し「アンバーグリスは好きかー!」「ホログラムは好きか―!」「ヴィジュアル系が好きかー! 浦和ナルシスが好きか―!」と煽る。そして「坂井さーん!(ナルシス社長)」とドヤ顔(笑)。
そんなこんなで迎えたアンコールは、HOLLOWGRAMからryoさんと夢時さんも参加。
手鞠「こんな感じで3ギター、1ベース、1ミドリ(ラミさんの髪色が緑だったため)でやります(一同笑)。攸紀さんがあとで一也さんを肩車してco2のホース持ってくるかもしれませんね」
ryo「無敵みたいな(笑)?」
手鞠「そうそう(笑)。でも一也さんは天井にぶつかって頭ずるむけになってるかも」
ryo「グロい(笑)」
手鞠「これが終わったらおいしいお酒を飲んで楽しいことをするので…」
ryo「楽しいこと?」←確信犯的発言
夢時かkaname「ダメだ(笑)」
手鞠さんがやや噛み気味で「Love in the first.」と聴こえたのですが、「H u m m i n g b a r d ' s」でした。歌いだしは手鞠さんで、“ドーナツ状の煙を吐いた。”という歌詞だったんですが、隣でryoさんが左手で煙を飛ばす動作をしていて、それがなんだか美しかった。ryoさんは途中でシャウトを入れたりして積極的に絡んでいました。
演奏後にryoさんが手鞠さんをがっしりと抱擁。手鞠さん照れつつも笑顔。そんな手鞠さんの左耳にryoさんはなにか伝えているようでした。
ryoさんは人差し指を口に当てて客席を静かにさせてから、マイクを通さずにメッセージを伝えて帰っていったのですが、なんと手鞠さんも同じ動作をして、地声で「ありがとうございました!」と(!)。
手鞠さんがこんなふうに感情的に挨拶をして去っていくのはかなりめずらしかったので、もしかしたら抱擁した際のryoさんの耳打ちはこれをお互いやろうよ、ということだったんですかね? それとも、5月に向けての激励だったのかな? その答えは吟遊詩人同士が知る、ということで。
【SET LIST】
SE.
01.different of stain
02.Fragile
03.Sweet blood pool
04.不浄の樹の下で-Under an impure tree-
05.茨の花は罪に咲く
06.hazy moon luv gaze
07.グランギニョル
08.Looking all the pain
09.Absolute being(新曲)
EN.
10.H u m m i n g b a r d ' s
いつのまにかドリンクカウンターがプチリノベーションされていて、受け取り口が縦に3倍ほど拡張されてました。これでスタッフさんの顔が見えるように。以前は、どうぞ~とスタッフさんの腕がニョキッと伸びてきてドリンクを受け取るという感じだったので、かなり印象良くなりましたね(笑)。
■■■HOLLOWGRAM
先攻はHOLLOWGRAM。個人的には半年くらいぶりかも。これだけ期間が空いたから当たり前かもしれませんが、曲が増えてる!っていうのが第一の感想。『Qualia』の流通盤は試聴だけでスルーしてしまったので、オリジナル盤収録曲しかあまりわからずで。
ライブは穏やかに「シルエット」からスタート。少しくぐもって聴こえるナルシスですが、ryoさんの声はよく通ってやはり格別だなと思いました。浄化される感じがします。バンド全体としては音源の再現率が高い。正確さと臨場感が合わさって、耳だけでも楽しめるライブでした。ライブアルバムとか向いてそうだなと。
3曲ほど演奏したところで、ギタートラブルが起こり、イベントタイトルについてMC。
「解散のことを知らずにamber grisにオファーして。彼らからはそれならぜひ2マンでお願いしたいと言われ、そこで初めて(解散を)知らされて、おいおいおぃぃ…と(苦笑)。“The resplendent”というタイトルの“resplendent”は形容詞で、『きらめく』とか『輝く』という意味。形容詞だから、後ろに名詞がきます。その単語は『情熱』でもいいし、『熱情』でもいいし。『ひきちぎった髪の毛』でもいい(一同笑)。…ダメだよ、社会問題になっちゃう(笑)。なんでもいいので『きらめく』ものを見つけて帰ってください」
「amber grisは想いを込めた曲を持ってきていると思います。僕たちも想いの染み込んだ曲を」と話し、「adolescent」へ。
たぶん英語だけどチクタク?と囁いているように聴こえる怪しげなSEを挟み、「Stand the devil's like」「Preasance Liddell」でブチ上げ。「Preasance~」は比較的ノリやすいリズムなので楽しい。
ryoさんはamber grisのことを「作り手の想いが作品から匂い立つ。芳しく香ってくる」と評していました。
ラストはゴールドの照明で彩られた「Don't cry for the knell」。ryoさんが「笑顔で!」と何度も呼びかけていたのも印象的でした。
■■■amber gris
後攻amber gris。1曲目の「different of stain」で、手鞠さんが歌いだしのタイミングを逃し少しもたるも、すぐに持ち直しました。「Fragile」「Sweet blood pool」と激しめの曲で攻めていきます。
反対に「不浄の樹の下で-Under an impure tree-」「茨の花は罪に咲く」ではしっとりと聴かせる。「茨~」はwayneさんのストロークと手鞠さんの歌のみのセクションもあり、引き込まれてしまいました。歌詞が物語調になっているんですが、身振り手振りを交えて歌う手鞠さんが本当に語り部みたいに見えたんです。“愛しておくれ。そう、僕の代わりに。”という歌詞も、解散ということをふまえて聴くと、amber grisのことを観客に託しているように感じられました。
MCでは少ししんみりしてしまったフロアを和ませるためか、過去の笑い話。
「amber grisのメンバーのうち3人は埼玉出身で、浦和といえば支配下ですよ(一同笑)! こうやって満員の会場を見ると、10代のころ出演したときにスカスカだったことを思い出すなあ。その10代のころ、浦和ナルシスで対バンイベントに出たんですけど、ヴィジュアル系らしからぬ風貌のバンドさんがいたんですね。リハの時間にふと見たら味のりを食べてて!
そのバンドさん、いろんなライブハウスのオーディシを受けて落ちまくっていたらしいんですよ。そんな中での浦和ナルシス出演だったみたい。で、『味のりいいっすね』って話しかけたら、『いります?』って言われて、このバンドすごいな!と。
しかも、ライブで包帯ぐるぐる巻きで墨汁を吐きます、って。スタッフさんには、モニターにだけはかけないでくださいって注意されてたんですけど、思いっきりここ(センターのモニター)にドバッといってて(笑)。スタッフさんにすっごい怒られてましたね。…今、元気かなあ」
このほかに、出番が終わったバンドは次のバンドとバトンタッチする際、「きょういい感じです!」「背の高い外人さんがすっごいノッてた」と、客席のノリの情報交換をしていた、という話をしていました。
この日の手鞠さんは、いつも以上にまっすぐ客席を見て力強く歌っているように見えました。ある種のがむしゃら感があったというか。
「グランギニョル」では「1人にしないでくれ、1人させないから」というつぶやきも。
本編ラスト前には5月にワンマンツアーを行ない5月27日にファイナルというお知らせ。
「変わることなく、といったら違うかもしれないけれど、大切なものを大切な人に届けるライブをしますので」といったことを話していました。そして、新曲をということで、4月15日発売シングル「小さな銀貨を左手に」の中から「Absolute being」を披露。
この「Absolute being」、バラードというわけではないんですが、なんだか切なくて泣けます。Bメロ?の駆けあがっていく歌メロが、手鞠さんの声にぴったりですごく伸びやかに響いていました。“その手は”“その目は”というような歌詞でしたね。この歌メロはサビでもアレンジ違いで使われていました。“CALLING YOU”という言葉も出てきました。
そして歌詞のラストはおそらく、“何よりも美しくあれ”。amber grisのメンバーが自分自身を奮い立たせているようにも見えました。
◆
アンコールがかかる中、ラミさんが1人登場。幕の隙間から顔を出し「アンバーグリスは好きかー!」「ホログラムは好きか―!」「ヴィジュアル系が好きかー! 浦和ナルシスが好きか―!」と煽る。そして「坂井さーん!(ナルシス社長)」とドヤ顔(笑)。
そんなこんなで迎えたアンコールは、HOLLOWGRAMからryoさんと夢時さんも参加。
手鞠「こんな感じで3ギター、1ベース、1ミドリ(ラミさんの髪色が緑だったため)でやります(一同笑)。攸紀さんがあとで一也さんを肩車してco2のホース持ってくるかもしれませんね」
ryo「無敵みたいな(笑)?」
手鞠「そうそう(笑)。でも一也さんは天井にぶつかって頭ずるむけになってるかも」
ryo「グロい(笑)」
手鞠「これが終わったらおいしいお酒を飲んで楽しいことをするので…」
ryo「楽しいこと?」←確信犯的発言
夢時かkaname「ダメだ(笑)」
手鞠さんがやや噛み気味で「Love in the first.」と聴こえたのですが、「H u m m i n g b a r d ' s」でした。歌いだしは手鞠さんで、“ドーナツ状の煙を吐いた。”という歌詞だったんですが、隣でryoさんが左手で煙を飛ばす動作をしていて、それがなんだか美しかった。ryoさんは途中でシャウトを入れたりして積極的に絡んでいました。
演奏後にryoさんが手鞠さんをがっしりと抱擁。手鞠さん照れつつも笑顔。そんな手鞠さんの左耳にryoさんはなにか伝えているようでした。
ryoさんは人差し指を口に当てて客席を静かにさせてから、マイクを通さずにメッセージを伝えて帰っていったのですが、なんと手鞠さんも同じ動作をして、地声で「ありがとうございました!」と(!)。
手鞠さんがこんなふうに感情的に挨拶をして去っていくのはかなりめずらしかったので、もしかしたら抱擁した際のryoさんの耳打ちはこれをお互いやろうよ、ということだったんですかね? それとも、5月に向けての激励だったのかな? その答えは吟遊詩人同士が知る、ということで。
【SET LIST】
SE.
01.different of stain
02.Fragile
03.Sweet blood pool
04.不浄の樹の下で-Under an impure tree-
05.茨の花は罪に咲く
06.hazy moon luv gaze
07.グランギニョル
08.Looking all the pain
09.Absolute being(新曲)
EN.
10.H u m m i n g b a r d ' s