北のパラダイス

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道内農産物、雪氷倉庫で出荷調整 推進協設立へ 産地・流通基地に保管

2013年04月19日 | 農業問題
 収穫後、すぐに首都圏に運ばれる道内の農産物を、雪や氷を活用した倉庫で保管することで、産地側で出荷調整する構想が動きだす。道内の雪氷冷房に取り組む専門家と自治体、民間企業らが25日、食料流通備蓄推進協議会を設立。雪国特有の自然エネルギーを利用した倉庫を産地に建設することで、農産物の付加価値向上と新たな雇用創出を目指す。

 協議会の設立メンバーは美唄市、空知管内沼田町のほか、道銀の堰八義博頭取、釧路食料基地構想協議会の栗林定正会長、岩田地崎建設の岩田圭剛社長、北海道国際経済交流会の森田哲明会長ら50人ほどを予定している。

<北海道新聞4月19日朝刊掲載>

雪や氷を活用した倉庫(シェルター)で農産物を保管する技術は、これからの北海道農業にとってますます重要な技術になると思います。
以前から、スノーシェルター、アイスシェルター、永久凍土シェルターなどで、秋に収穫したコメや野菜を翌年の春以降まで冷温貯蔵して出荷する取り組みが、一部の農業者、企業、研究機関で行われて来ましたが、このほど設立される食料流通備蓄推進協議会のような大きな組織で取り組みが始まるのは、これまでになかった事ではないかと思います。

北海道は食料自給率190%を誇り自他共に認める日本の食料基地ですが、冬場に雪や寒さで農産物を戸外で生産できない事が泣き所になっています。
少なくても、12月始めから3月いっぱいまでは、何処の野菜売り場に行っても北海道産の野菜といえばジャガイモ、タマネギ、ゴボウ、ナガイモなど、ある程度貯蔵ができる物しか置いてありません。
たまに、雪の下で寝かしたダイコンやキャベツ、ビニールハウスで栽培したホウレン草などの葉物が、わずかに出回っている程度です。

家庭料理でよく使われるニンジン、ピーマン、ホウレン草、ブロッコリー、コマツナ、キャベツ、ダイコン、ハクサイなどは、千葉県、茨城県、埼玉県、神奈川県などの関東地方から多く入荷されているのが北海道の冬場の実態です。
これでは、食料自給率190%を誇る日本の食料基地としては片手落ちです。
ただ、個人農家や単一企業だけの取り組みで解決できるような問題ではありません。
何とか、雪や氷を活用した倉庫で夏や秋に収穫した野菜を長期間冷温貯蔵し、冬場も道内外に出荷できる体制を、これを機会に確立して欲しいと思います。