北のパラダイス

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日本のTPP交渉参加、米議会に通知 7月合流へ

2013年04月25日 | TPP問題
【ワシントン=矢沢俊樹】米通商代表部(USTR)は24日、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉に日本が参加することを認める方針を米議会に通知した。90日間の通知期間を経て7月下旬に正式に参加が承認される見通し。参加後は日本が「聖域」とする農産品の関税の扱いなどを巡り、実質的な個別交渉が正念場を迎える。

 日本は2012年11月から交渉会合に加わったカナダ、メキシコに次ぐ12番目の参加国になる。自動車市場などを巡る日米事前協議が今月12日に大筋合意したのを受け、20日には調整が難航していたカナダなどを含む11カ国すべてが参加受け入れを表明。最終的にUSTRが通商交渉入りの際に慣例としている米議会への通知を実行した。

 自動車業界の意向を受けた議員の反発が一部で強いものの、承認自体が遅れる可能性は低い。マランティスUSTR代表代行は24日の議会宛て書簡で、「重要な貿易パートナーかつ、親密な同盟国である日本の参加によりTPP合意の経済価値を高める」と日本を歓迎する意向を表明した。

 ただ、関係筋によると7月の交渉会合は15日の週から実質的に始まる方向。規定通り議会で90日かかると、日本は初回会合の終盤の数日しか参加できない恐れもある。

 日米はTPP交渉と並行して自動車貿易や、保険などの非関税障壁を巡る協議を進める。重要品目であるコメなど農産品の関税撤廃の扱いを巡っても各国との厳しい個別交渉が待ち受けている。

 米、豪など先行する11カ国は年内の交渉妥結を目指しているが、難題が山積しているだけに交渉全体の先行きも予断を許さない状況だ。

<2013/4/25 6:35 日本経済新聞>


12カ国によるTPPゲームがスタートしましたが、いきなり90日間のおあづけというハンデを背負わされました。
他の11カ国はこれまでに何回か会議の場で交渉を進めているので、もうすでに中味がある程度固まって来ている案件もあるでしょう。

7月下旬の会議参加に間に合ったとして、どれほど日本の有利な条件で交渉が進められるのか...???
この際だから、農業や医療など絶対に譲れない案件で交渉を長引かせて年内妥結を阻む、という手でも使うべきですね。
最初から不利なんだから、それを逆転して有利に持ち込めためには、尋常な手を打っていては勝ち目はないです。
ゲームに勝つためには当たり前の話ですが...。

しかし、ゲームのルールが例外なき関税撤廃なので、「日本が主張している聖域そのものがルール上認められるの?」というのが私の素朴な疑問です。
12カ国間ゲームの中で最大の敵はアメリカだと思います。
この90日間でどんな手を打って来るのか? それこそ予断を許さない状況です。

農産品を守る事は当然重要ですが、「国民皆健康保険制度」は絶対に死守しなければ、日本人の将来に禍根を残すことになります。
お隣の韓国は、アメリカとのFTA2カ国間交渉で農業と保険制度をガタガタにされました。
アメリカは底知れぬ恐ろしさのある国です。(なんせ日本に原爆を落とした国ですから)

多民族国家で契約社会であるアメリカは、義理人情と阿吽の呼吸を大事にする日本とは、根本的に相容れません。
だいたい、なぜ議会承認まで90日間も待たされなければならないのか?
このことだけでも、TPPがアメリカ主導のゲームだということがよく解ります。

江戸末期の黒船来航以来、日本はアメリカに負けっぱなしです。
太平洋戦争で敗北し無条件降伏してからはアメリカの属国です。
そんな日本がTPPゲームで勝利するためにはどうしたら良いのか?

まずは意識の上で属国から抜け出すこと、要するに精神的にアメリカを上回ることです。
次に、知力で優ることです。
体力差が歴然としている強敵に勝つためには、気力、知力で優位に立つしかないでしょう。
あとは、相手の弱点を見つけたら徹底的にそこを攻め続けることですね。

戦いとはそんなものです。
基本的に狩猟民族であるアメリカは、勝つために手段を選ばないでしょう。
日本は農耕民族ですから、基本的に和を尊びます。
抜け駆けして自分だけ利益を得たら、周りから袋叩きにされて村八分になるのが日本の社会です。
しかし、狩猟民族の社会では、相手を出し抜き自分だけが勝ち抜く、という姿勢がなければ生きていけません。

相手の国の事情なんかお構いなしです。
アメリカと同じルーツを持つカナダやオーストラリア、ニュージーランドも基本的には同じです。
ただ、アメリカは野球やアメリカンフットボールなどに見られるように、自分達の国でしか通用しないゲームを創り出し、それを海外に広めようとする国です。
要は自国のルールを相手国に強要する国です。

でも勝つための指標はあります。
かつて日本がワールド・ベースボール・クラシックで何度もアメリカに勝利し、優勝した経験です。
なぜ日本は勝てたか?優勝できたか?
それは体力や経験で劣っていても、気力や知力でアメリカを優っていたのが一因ではないでしょうか。

所詮TPPもゲームです。しかし負けられないゲームです。
日本人と人類の将来がかかった大切なゲームであると言っても過言ではありません。
でも所詮ゲームなので途中で降りる事は可能なのです。
ポーカーでもマージャンでも、勝つ見込みがないと判断したら途中で降りますよね(笑)

参加表明したんだから、まずは勝ちに行きましょう!!
「2頭を追う者は1頭も得ず」という諺がありますが、TPP交渉では、2頭でだめなら3頭でも、4頭でも、5頭でも狙わなければ1頭を得ることはできないと思います。
もし、日本が4頭も5頭を得ることができたら世界は劇的に変わるかもしれません。

「義理人情」を捨て、「阿吽の呼吸」を捨て、「勝つためには手段を選ばない」ことを選択し、再びアメリカの属国にならないことを祈るばかりです。