今年の1月初めに松井邦義の手工ギターを購入した。 2月からほぼ2か月間使用しての実感として、やはり私にはこのギターとの相性が合わない気がする。
ショートスケールの630mmサイズなので、想像としてはかなり押弦が楽になるだろうと予想していたけど(実際に、630mmのショートスケールは女性や手の小さい人向けであることで推薦されている)、私の手には合わない気がする。 音もショートスケールでボディーなども一回り小振りであることもあるだろうけど、音量的には物足りない。 響き自体も何か物足りない。 音色は確かに艶もあり、奥深さを感じるし、クラシックギターの独特の音、所謂、クラシックギターの落ち着いた響きである。
流石に、これは国産手工ギターの特長とも言えるかも。 しかし、どうしても、もう一本のCórdobaのクラシックギターの音量や、音の粒立ち、音のバランスと比較するとほぼ2倍の価格で購入したギターに期待した物はない。
国産の手工ギターに対する私の身勝手な期待はあっさりと裏切られた気もする。 で、決断として、このまま何か違和感を感じる物を持っているままにこのギターを弾くことはあまり良いとも思わない。 何しろ、ギターは楽しいと言う事が絶対条件で、何か学習的な物ではないと私は思って居るし、私のギターに対する思いはあくまでも、楽しく、自分のスタイルで弾くことだ。
ほんの3か月弱しか使用することもなく、このギターを手放すことに決めた。
ギターは意外と中古でも高額で販売されている。 しかし、売却となるとそれはかなり厳しい。 1年以内でもほぼ3分の1程度の買い取り価格だろう。
半年以内で何とか4割?? いや、それも無理かもね。
それでも、何れ売却するなら、もっと早期に手放す事が最善の事だろう。
このギターを手放したら、Córdoba studio Limitedを購入しようと決めている。 去年の夏に購入したCórdobaのギターはとても気に入っていて、Córdobaギターに対する期待も大きい。 ギターは価格で評価することは絶対にしない方がいいと実感したのである。
楽器は価格に相対している物ではないと実感した。 安価な物でも期待を上回る物もあれば、手工ギターの数十万、数百万するようなギターでも、なんだこれ?? と思うような物もある。
もちろん、楽器はある程度その能力を発揮するためには弾き込むことも大切だろう。 数年経過した方が良い音を出すことも確かにある。 新しい楽器はまだ全体的にしっかりと各材がかみ合っていないこともある。
さらに、楽器自体の材質が固まると言うか、しっくりと来るまでには時間が必要だろう。
なので、今、この邦義のギターもまだ今後まだまだ良い音を出すことも考えられるし、そうなるだろう。
しかし、私にはどうしても今が必要だし、何十年もの時間が有るわけでもない。
今回はちょっと先走った気もする。 国産ギターが欲しいと思う気持ちが先走り、衝動で購入したので、本当に自分が欲しいギターが何なのかを理解できていなかった。 で、やはり、私はクラシックは勿論だけど、それ以外にはソロギターやもっとラフな曲を弾きたいと言う思いが強い。
ポピュラー曲などをもっと弾きたいし、音自体もやはりある意味では、フォークギターに近い音が好きだろうと思う。
それは、若い時から弾いていたアコギの音色を聞き続けていた経験もあるだろうけど、本当に弾きたい曲はクラシックより、ポピュラー曲なんだろうとおもう。そうした意味意味意味ではCórdobaのGKシリーズはナイロン弦のエレアコなので、音を変化させることも出来るし、ネック幅や音事体も私の好みである。 さらに、CórdobaのGK studioはその価格がとてもリーズナブル出ある事。 10万円以下で購入することが出来る。 この上位機種はproがあるけど、ほとんど音自体は変わらない。 ギターそのものの各部位の材質など、ピックアップシステムなどの価格が違い程度で、倍の価格差は何もない。
このGKシリーズは全て中国産のギターである。 しかし、これまでもこのギターのレビューや評価を見ると、そんな生産国など何も気にすることもない。
中国産だけで評価を云々する人も居るけど、正直、今回、国産手工ギターを実際に弾き続けて感じる事は、楽器はその生産過程で評価することは間違いであること。 さらに、価格で評価するのも間違いだ。 スペイン産だから良いと言う理論はギターに関しては何も成り立たない。 国産手工ギターだから絶対に良いと言う思い込みも捨ては方が良いだろう。
実際にプロの人の意見を見てみても、100万するギターでも、全然良いと思わない物も多々あるらしい。 ギターの価格は単なる材料や手間代でしかない。時間を掛けて、手間暇かけているから良いギターになるとは限らないのである。 Córdobaのように、しっかりとした設計理論に基づいて、管理された生産工程で精密に制作されるギターの方が確実に個体差はない。
所詮、国産手工ギターなんて物は、数人程度の知識や技巧、設計によって作られているので、常に最高のギターを作るためにあらゆる面から研究されて設計されるギターの方が勝る。それが、量産過程で機械的な生産手法でも、それは全く音としては関係ないのである。 耐久性に関しても、高級ギターの定番であるかのように好まれている表面仕上げの塗装だが、セラック塗装は高級ギターの代名詞のように言われているけど、正直、この塗装はかなり弱く、ちょっとした事で傷が付くし、毎回手油などを拭き取るのもやり難い。
これが音にどれほど影響を与えるのかも分からないけど、セラック塗装は他の塗装に比べると相当に手間が掛かる手法である。 しかも、意外とムラもあるし、趣味でギターを弾く者には向かないと実感した。
プロレベルの人が微妙に音を追求するような事には貢献するだろうけど、私のようなアマチュアには全く意味がないと実感した。
アマチュアはそれより、少々雑に扱っても傷も付きにくい方が良いし、価格も出来る限り安価な物が良い。 ある程度のギターなら凡そ、期待する音は出るだろう。
で、明日、ギターを売却する事を決断した。 その売却費用でCórdobaのGKを買う事に決めた。 すでに、そのギターを見つけているので、早ければ来週中には手元に届くだろう。
後はギターアンプを購入したい。 これで、ギターは最後だろう。
クラシックギターとエレアコがあれば、ほぼどんな曲にも対応することは出来る。