満月が優しい表情で輝いています。
虫が鳴き、月が冴える秋の景色をながめていると、なんでもないこういう日常が、心から幸せだと感じる。
老境なのかな~
このところ昔読んだ詩集を読み返しています。
今夜はブルームーンなので、あまりおしゃべりしたくないし、イヴ・ボンヌフォアの詩を捧げます!
長い詩なのでごく一部のみですが・・・
夜の夏
わたしには思える、こよい、
星空が拡がりながら
わたしたちに近づいてくると。そして夜が、
こんなにも多くの火の背後で、いままでほど暗くないと。
そして葉しげみもまた、葉しげみの下で輝いている。
緑、そして熟れた果実のオレンジ色がひときわ増した、
間近かな天使のランプだ。かくされた光の
はばたきが普遍的な樹木となる。
わたしには思える、こよい
わたしたちは庭に入ったのだと。天使は
帰り道のないそのドアをふたたび閉じてしまった。
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長い間それは夏だった。ひとつの不動の星が
廻る太陽たちを支配していた。夜の夏
は白日の夏をその手の中に支えていた
そしてわたしたちは低く語っていた、夜の葉しげみで。
無関心な星。そして船首材、そして静かな
水と空との間で両者を結ぶ明るい道。
存在するものすべては動いていた、廻り、
滑る船のように、そして夜の中でもはや自分の魂を知らない。
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眠る者の中で光は乱れる。
ひとつの言語がつくられる、それは泡の中で
星々の明るい茂みを分かち合う。
そしてそれはほとんど目ざめ、すでに想い出だ。