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山田太一著、「新版・親ができるのは『ほんの少しばかり』のこと」を読み切る

2023年12月04日 19時38分07秒 | 読書・本を読む事への楽しみ誘い。日蓮正宗御本。その他一般著作物電子書籍・辞書類

 本日、山田太一著作「新版・親ができるのは『ほんの少しばかり』のこと」を読み切った。
 親が出来得る事は、限りがある事を、真正面から説いている。
 決して説教臭くはなく、やさしい筆のタッチで、時にはユーモラスに、時に泣かせられそうになりながら、読んだ。
 自身でも、矛盾点が、この文章中、本の中で出て来た事に触れていて、それに開き直る訳ではないが、矛盾こそが人間性、何も恥じる事はない、むしろ、整然と整いすぎて矛盾がないものこそが、眉唾で、いわくつきで、怪しげなものだ、と作者は最終章で言い募る。
 その後にも、二十年を経て、新版としての、あとがきの章が付く。
 とにかく、親であれば読んでおいて損はない本。私は、12月1日に、マスコミ上で山田太一氏の死去の一報を知り、この本をアマゾンkindle unlimitedで早速、借りてダウンロードして読んだ。読後感は、まずまず、良かった。
 とにかく、自由闊達であり、姑息であったり、権謀術数があったり、そんな事は微塵もなく、ただ、素直に読めた。
 これも、山田太一氏の、豊饒で、素直で、率直、フランクな気立ての、育ちの良さ(本人は下町浅草で育つが、その下町感覚は全く無かったと仰るが)、山田太一氏の性格、人格の良さの証明の様な本であった。
 こういう人が、「ふぞろいの林檎たち」や「岸辺のアルバム」や「男たちの旅路」などの、傑作ドラマ群の数々を生み出す素地のようなものが、戦中から戦後へかけての、時代背景と共に生まれた、偶然に偶然が重なった、しかし、否、決してそれが全くの偶然ではない、必然性が必ずそこにはあったとしか思えない。
 とにかく、子供を持った親御さんには、是非とも手に取って読んで頂きたい書物ではある。
以上。よしなに。wainai


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