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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その257)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<衵:ジツ、なれぎぬ、ふだんぎ、あこめ>*漢検2:「なれぎぬ」訓読みナシ。「なれぎぬ」:(漢字源)柔らかい普段着。「昵」と「衣」から成る。
・なれぎぬ、ふだんぎ:
衵衣(ジツイ)=襦袢、ふだんぎ、平常服。衵服(ジツフク)=婦人の襦袢
・あこめ:(邦語)
衵袴(あこめばかま)、衵長(あこめだけ)
*この後に掲載する「袙(あこめ)」は俗字。
<袂:ベイ、たもと、かたわ(わ)、きわ>
・たもと:
袂別、分袂、衣袂、袂接、連(聯)袂・・・
・かたわ(ら)、きわ:(漢検2の意味②に記載あり、3辞典には読みナシ)*大字源に「山の袂(たもと)、橋の袂(たもと)」に、“かたわら、きわ”の意味ありとの説明あり。名詞“たもと”の転義の由。音熟語はナシ。
<袗:シン、ひとえ、ぬいと(りする)>*漢検2:訓読みは「ひとえ」のみ。
・ひとえ:(「襌(タン)」に同じ。)被袗(ヒシン)*字通に掲載あり、意味説明ナシ・・・ひとえを着るという意味か?
・ぬいと(りする):袗衣(シンイ)=ぬいとりした模様のある衣服(大漢和)
・その他:袗玄(シンゲン)=衣裳ともに黒色であること=黒い服?(大字源) *漢字源に「袗:黒い衣服、墨染め」という意味掲載あり。
<袙:ハ、バツ、うちかけ、あこめ>(以下、既出:<2015年09月28日 | 熟語の読み(音・訓)>から再掲載。)
「●漢検漢字辞典第2版から・・・
・「あこめ」の「袙」・・・もともとは「衵」の誤用とか・・・
・現行の読み:袙:ハ、バツ、うちかけ、あこめ
・第1版:バツ、ハ、あこめ 意味①はちまき。昔の軍人が額に巻いて飾りとした布。「
袙頭」②あこめ。衣服の一つ。「衵(ジツ)」の誤用。
・第2版:意味の②を③に移行して、新たな②として「うちかけ、胸と背をおおう衣。」と追加。(音熟語の記載なし)
<「袙頭」の読み>
・大漢和「バツトウ」、漢字源「バクトウ」、字通 なし、 大字源 なし *漢字源の「バク」は音で記載あるも、他の辞書には「バク」音なし。
・大漢和の説明に、「はちまき:武人の頭に巻いて貴賤を表す飾り」とあった。その出典として「諸侯の首飾りを絳袙で貴賤を表す・・・」(後漢書)とあった・・・「絳袙」の読みはありませんでしたが、大漢和なら、たぶん「コウバツ」と読むのかも・・・。
<意味②うちかけ・・・の音熟語>
・「腹当て、裲襠」として「袙腹」の熟語あり。ただし、大漢和「ハフク」、大字源「バツフク」。 」
*“あこめ”の意味での熟語はナシ。
<袍:ホウ、ボウ、わたいれ、ぬのこ、うわぎ>*ホウ(漢音)ボウ(呉音)
・わたいれ、ぬのこ:
褞袍(オンポウ)、
縕袍(オンポウ)、<褞袍(どてら)>、<縕袍(どてら)>、袍縕=粗末なわたいれ、袍縫=あわせた衣の縫い目
・うわぎ:袍衣、
位袍、袍褂(ホウカイ)=上衣、袍套(ホウトウ)=外套・上着、袍襖(ホウオウ)=したぎとうわぎ、かさね。袍仗(ホウジョウ)=軍装のこと。
錦袍、黄袍
*他に、“長い下着”(長襦袢)の意あり→袍衫(ホウサン)=長い下着と小さく短い衣
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