漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

手賀沼  ムナグロの飛行

2016年05月14日 | 手賀沼散歩(手賀沼日記)
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●5月のGW連休明けぐらいにはいなくなると聞いていたが・・・まだいるみたい・・・


●次の日、田圃に舞い降りていたところを、また撮れた・・・

●前回のように、200羽を超えるような大群ではなかったが・・・


●その中にはキョウジョシギ(京女鷸)もいた・・・今度はキョウジョシギも鮮明に撮れた・・・


●次回をお楽しみに・・・👍
👍👍👍 🐒 👍👍👍
手賀沼  ムナグロの飛行
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手賀沼  スズメの幼鳥

2016年05月14日 | 手賀沼散歩(手賀沼日記)
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●遊歩道には雀も沢山・・・見慣れすぎているので全く撮らない・・・

●けど、たまたま、小雀(幼鳥?)がいたので撮ってみた・・・

●やはり、雀でも子供はかわいいもんだ・・・

👍👍👍 🐒 👍👍👍
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手賀沼  健気に生きるノラたち

2016年05月14日 | 手賀沼散歩(手賀沼日記)
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●獲物でも狙っている???

●レオンにも見習ってほしい野生・・・

●この後、飛び込んでいった・・・寄って見たら叢の中で蹲っていた・・・何もつかまえていなかった・・・


👍👍👍 🐒 👍👍👍
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手賀沼   コアジサシとアジサシ(?)

2016年05月14日 | 手賀沼散歩(手賀沼日記)
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●昨年と同じく、この時期、コアジサシが飛来する・・・

●飛んでいくのがとても速いので写りが悪い・・・

●釣り堀あたりでも空中から水中に飛び込む姿を目撃する・・・

●今のところ、その姿は撮れていない・・・どこかで止まってくれないかなと思っているのだが・・・

●これらの画像はよく見ると、なんとなく嘴が黄色そうなので、コアジサシで良いと思う・・・2羽で飛行していた・・・

●この画像は別の日、別の場所での撮影・・・目の前をアッという間に飛んで行った・・・正面撮れず・・・

●わからないが、もしかしたら、コアジサシでなくてアジサシかも知れない・・・

●今度はもっと鮮明かつ顔が見える画像を撮りたい・・・
👍👍👍 🐒 👍👍👍
(我孫子野鳥を守る会)
●コアジサシ(カモメ科) 全長約28cm
アジサシの仲間では一番小さく、翼は長くとがり、尾はふたつに分かれている。顔は黒く、額は白い。夏鳥はクチバシが黄色である。手賀沼周辺では、春から秋にかけて観察される。 当会では、手賀沼とその周辺で生息が危惧されている鳥(当会の独自警告種)としている。千葉県レッドデータブックでは重要保護生物、環境省では絶滅危惧Ⅱ類としている。
●アジサシ(カモメ科)  全長約35.5cm
旅鳥として、春と秋に海岸、入り江などに渡来する。夏羽では、頭頂部全部が黒く冬羽では額が白い。嘴と足は黒い。
手賀沼周辺では、春の終りから秋の中頃まで、沼や河川などで見られる。千葉県では重要保護生物。当会では当会独自警告種としている。
👍👍👍 🐒 👍👍👍

手賀沼  コアジサシ&アジサシ?
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熟語の読み・一字訓読(その260) 褓 褞 褥 褪 褫

2016年05月14日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その260)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<褓:ホ、ホウ、むつき、かいまき>*ホウ(漢音)ホ(呉音)
・むつき、かいまき:襁褓(キョウホウ)、褓襁(ホウキョウ)、褓裙=嬰児の着衣=褓被、褓中(ホウチュウ)の児=むつきにくるまっている小児
・その他:褓乳(ホウニュウ)=極めて幼いこと *漢検2は読み掲載ナシ。
<褞:ウン、オン、うわぎ、どてら>*ウン(漢・呉音)オン(慣用音) *漢検2は訓読み掲載ナシ(意味にはあり)
・うわぎ、どてら:褞褐(オンカツ) *字通は“ウンカツ”、褞袍(オンポウ)=縕袍(オンポウ)、<褞袍(どてら)> *漢字源は「縕袍」=“ウンポウ”、褞袿(オンケイ・ウンケイ)=うちかけ(=うわぎのこと)
*「褞褐(オンカツ)」=ぬのこ、転じて賤者をいう(大漢和) *「褞袍(オンポウ)」=ぬのこ、どてら、粗末な衣
<褥:ジョク、しとね、ふとん>*漢検2:「ふとん」訓読み掲載ナシ(意味にはあり)。
・しとね、ふとん:衾褥、産褥、就褥、病褥、褥瘡、褥婦、褥席、簟褥(テンジョク)、・・・*熟語多多あり。
<褪:タイ、トン、あ(せる)、さ(める)>*タイ(慣用音)トン(漢・呉音)
・あ(せる)、さ(める):褪紅(タイコウ)、褪紅色(タイコウショク)、褪色(タイショク)、褪英(タイエイ)=色あせた花びら、褪落(タイラク)=色がさめる、ぬける、褪淡(タイタン)=淡薄
*「褪紅」:漢字源は「タイコウ・トンコウ」両読み。「褪色」:漢字源は「タイショク・トンショク」両読み。
・その他:(「褪」:衣服をぬぐ、おろす意)褪衣(トンイ)・褪衣裳(トンイショウ)=衣服をぬぐ。(「褪」:ひっこめる意(現代の用法))褪手・褪袖(トンシュウ)=手を袖の中にひっこめる *「褪手」:字通「タイシュ」大字源「タイシュ・トンシュ」(漢字源、熟語なし)
<褫:チ、うば(う)、は(ぐ)>
・うば(う):褫奪、褫職、褫官、褫散=うばわれて四散する、褫取=奪い取る、褫魄(チハク)=心をおびやかす
・は(ぐ):褫奪=官位を、はぐ・うばう、褫皮=皮をはぐ
・その他:(「褫」:しきもの、毛氈の意あり)褫氈(チセン)=ねまき、蓐衣の一。
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syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その2

2016年05月14日 | 模擬試験問題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
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●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その2」の配信です。 
●今回の難易度・・・ やや難:(七)四字熟語、(八)類義語
制限時間 60分以内を厳守のこと *時間内でやることに意味・意義があります。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その2>

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.豊かな詩の韵律に酔いしれる  
2.骰戯で秉燭夜遊する 
3.焙炉で茶を焙じる 
4.遊歩道の野鳥が噁噁と鳴いている
5.圜闕とは、まるい屋根の宮殿のことだ 
6.藐焉たる大空の彼方を見やる 
7.皁白の区別がつかない筈はない
8.金魚鉢に薀草を入れる
9.悁悁として表情を曇らす
10.酳醋の儀式を挙行する
11.迺公、出でずんば蒼生をいかんせん
12.遊歩道で鶯囀を聞く 
13.5月の霽氛がさわやかだ 
14.として稲妻がひらめく 
15.鼠を以てとなす  
16.放飯流歠する勿れ  
17.あの圻岸に近づいては危険だ 
18.蛾賊が至るところで蜂起した
19.鏈絛で繋がれた囚人たち 
20.身を俯し、頤霤垂拱す 
21.百川沸滕し、水、がる  
22.下民のい、天より降るにあらず 
23.で壁のモルタル塗りを仕上げる 
24.法隆寺は激しいで全焼したことがある 
25.や命をからむ蔦葛(芭蕉)
26.で撚りをかけながら糸を巻き取る
27.花も枝もれている 
28.醬油の発酵にをつかう 
29.言葉をって話す
30.神、酔いて、、謖つなり

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.カラオケは気晴らしに恰好のショウケンの具だ 
2.ツゲ材で櫛をつくる
3.オガラを焚いて祖先を迎える
4.クコの実は薬膳料理に用いられる 
5.蒸し菓子のユベシを食べる
6.エンソに困らない生活を送る
7.クゴは百済琴ともいわれ、正倉院に残っている
8.家に帰ったら必ずウガイをする
9.失敗して悩む部下をヒインする
10.待ちに待った人をキッキュウジョとして出迎える
11.屋根にシビを設えた 
12.手紙にカンジョウと添えて敬意をあらわす
13.ズシに経巻を安置する
14.カンガイ用水が不足している
15.カンガイ相応ず

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.谷の行き詰まりをサコという 
2.シボリ染めは染色法の一つだ 
3.アワビのしゃぶしゃぶはとても美味だ
4.秋のモミジはとても美しい
5.加藤清正は“賤ヶ岳七本ヤリ”の一人だ

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.都のちまた、大通り
2.時期をたがえること、約束の期限をやぶること
3.ねばり気があった密度の濃いこと
4.役に立たない、つまらないもの。くず。
5.学問・文物がさかんな機運
<語群>
(けんき、えんき、けいぶん、ざんし、こうく、ひこう、ねんちゅう、りゅうせい)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア 因循(  ) 2.イ 冥頑(  ) 3.ウ 粗衣(  ) 4.エ 塞井(  ) 5.オ 浮雲(  )
6.カ (  )括羽 7.キ (  )斂衣  8.ク(  )自失  9.ケ (  )負鼎 10.コ (  )吠雪
<語群>
(えつけん、えいじつ、ふれい、れいしょく、いいん、いそう、ぞくれい、そうしゅ、こうしょ、そうぜん、)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.大望のために身を落とすたとえ
12.見識の狭い者があらぬ 疑いを抱いて非難すること
13.貧しい生活のたとえ
14.質素で粗末な衣服や食物
15.失意でぼんやりするさま

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鉄掃箒 2.青竜蝦 3.大口魚 4.鶏魚 5.大角豆 6.大角草 7.馬陸 8.連枝草 9.水爬虫 10.胡蘿蔔 

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.駐紮(  ) ― 2.紮(  )まる  
イ.3.驟馳(  ) ― 4.驟(  )る   
ウ.5.巾幗(  ) ― 6.幗(  )り  
エ.7.草莽(  ) ― 8.莽(  )い
オ.9.驀越(  ) ― 10.驀(  )える  

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.落暉 2.狭隘 3.懈怠 4.猊下 5.微醺 
<類義語>
6.洗滌 7.齔童 8.野菜 9.撥釣瓶 10.滑稽
<語群>
(かんすい、かんたく、やのう、ようちゅう、じょしゅく、かっきん、きっこう、かいかつ、かいかい、ちょうとん)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.矜寡を侮らず、キョウギョを畏れず
2.牛溲馬勃ハイコの皮
3.ヘッツイより女房
4.蓑をきて火を救い、トクを毀りて水を止むるが若し
5.百里 樵を販がず 千里 テキを販がず
6.名下にキョシなし 
7.サイヨウは善政に勝たず 
8.厳威ゲンカクは親に事うる所以に非ず
9.強弩の極矢、ロコウをも穿つ能わず
10.ヨウトウの利を得る

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・
この問答は私にとってすこぶる不得要領のものであったが、私はその時底まで押さずに帰ってしまった。しかもそれから四日と経たないうちにまた先生を訪問した。先生は座敷へ出るや否や笑い出した。「また来ましたね」といった。 「ええ来ました」といって自分も笑った。 私は外の人からこういわれたらきっと(1)シャクに触ったろうと思う。しかし先生にこういわれた時は、まるで反対であった。シャクに触らないばかりでなくかえって愉快だった。
・・・
 私は想像で知っていた。しかし事実としては知らなかった。いずれにしても先生のいう罪悪という意味は(2)モウロウとしてよく解らなかった。その上私は少し不愉快になった。
「先生、罪悪という意味をもっと判然(はっきり)いって聞かして下さい。それでなければこの問題をここで切り上げて下さい。私自身に罪悪という意味が判然解るまで」
「悪い事をした。私はあなたに真実を話している気でいた。ところが実際は、あなたを焦慮(じら)していたのだ。私は悪い事をした」
 先生と私とは博物館の裏から(ア)鶯渓の方角に静かな歩調で歩いて行った。垣の隙間から広い庭の一部に茂る熊笹が(3)ユウスイに見えた。
・・・
 私は先生のこの人生観の基点に、或る強烈な恋愛事件を仮定してみた。(無論先生と奥さんとの間に起った)。先生がかつて恋は罪悪だといった事から照らし合せて見ると、多少それが手掛りにもなった。しかし先生は現に奥さんを愛していると私に告げた。すると二人の恋からこんなエンセイに近い覚悟が出ようはずがなかった。「かつてはその人の前に(4)ヒザマズいたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとする」といった先生の言葉は、現代一般の誰彼について用いられるべきで、先生と奥さんの間には当てはまらないもののようでもあった。
・・・
 そうこうしているうちに、私はまた奥さんと差し向いで話をしなければならない時機が来た。その頃は日の詰って行くせわしない秋に、誰も注意を惹かれる肌寒の季節であった。先生の附近で盗難に(イ)罹ったものが三、四日続いて出た。盗難はいずれも宵の口であった。大したものを持って行かれた家はほとんどなかったけれども、はいられた所では必ず何か取られた。奥さんは気味をわるくした。そこへ先生がある晩家を空けなければならない事情ができてきた。先生と同郷の友人で地方の病院に奉職しているものが上京したため、先生は外の二、三名と共に、ある所でその友人に飯を食わせなければならなくなった。先生は訳を話して、私に帰ってくる間までの留守番を頼んだ。私はすぐ引き受けた。
・・・
 私の行ったのはまだ灯の点くか点かない暮れ方であったが、几帳面な先生はもう宅にいなかった。「時間に後れると悪いって、つい今しがた出掛けました」といった奥さんは、私を先生の書斎へ案内した。
 書斎には洋机(テーブル)と椅子の外に、沢山の書物が美しい背皮を並べて、(ウ)硝子越しに電燈の光で照らされていた。奥さんは火鉢の前に敷いた座蒲団ざぶとんの上へ私を坐すわらせて、「ちっとそこいらにある本でも読んでいて下さい」と断って出て行った。私はちょうど主人の帰りを待ち受ける客のような気がして済まなかった。私は畏かしこまったまま烟草タバコを飲んでいた。奥さんが茶の間で何か下女げじょに話している声が聞こえた。書斎は茶の間の縁側を突き当って折れ曲った角かどにあるので、棟むねの位置からいうと、座敷よりもかえって掛け離れた静かさを(5)リョウしていた。ひとしきりで奥さんの話し声が(エ)已むと、後はしんとした。私は泥棒を待ち受けるような心持で、凝(じっ)としながら気をどこかに配った。
 三十分ほどすると、奥さんがまた書斎の入口へ顔を出した。「おや」といって、軽く驚いた時の眼を私に向けた。そうして客に来た人のように鹿爪らしく控えている私をおかしそうに見た。
・・・「あなたは学問をする方だけあって、なかなかお上手ね。空っぽな理屈を使いこなす事が。世の中が嫌いになったから、私までも嫌いになったんだともいわれるじゃありませんか。それと同じ理屈で」
「両方ともいわれる事はいわれますが、この場合は私の方が正しいのです」
「議論はいやよ。よく男の方は議論だけなさるのね、面白そうに。空からの盃でよくああ飽きずに(6)ケンシュウができると思いますわ」
 奥さんの言葉は少し手痛かった。しかしその言葉の耳障りからいうと、決して猛烈なものではなかった。自分に頭脳のある事を相手に認めさせて、そこに一種の誇りを見出すほどに奥さんは現代的でなかった。奥さんはそれよりもっと底の方に沈んだ心を大事にしているらしく見えた。
・・・
 私はまだその後にいうべき事をもっていた。けれども奥さんから徒らに議論を仕掛ける男のように取られては困ると思って遠慮した。奥さんは飲み干した紅茶(7)ヂャワンの底を覗いて黙っている私を外さないように、「もう一杯上げましょうか」と聞いた。私はすぐチャワンを奥さんの手に渡した。
「いくつ? 一つ? 二ッつ?」
 妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、チャワンの中へ入れる砂糖の数を聞いた。奥さんの態度は私に媚びるというほどではなかったけれども、先刻の強い言葉を力めて打ち消そうとする(8)アイキョウに充ちていた。
 ・・・
「そりゃ私から見れば分っています。(先生はそう思っていないかも知れませんが)。先生は私を離れれば不幸になるだけです。あるいは生きていられないかも知れませんよ。そういうと、(オ)己惚れになるようですが、私は今先生を人間としてできるだけ幸福にしているんだと信じていますわ。どんな人があっても私ほど先生を幸福にできるものはないとまで思い込んでいますわ。それだからこうして落ち付いていられるんです」
「そりゃ先生もそう認めていられるんだから、大丈夫です。ご安心なさい、私が保証します」
 奥さんは火鉢の灰を(カ)掻き馴した。それから水注みずさしの水を(キ)鉄瓶に注した。鉄瓶は忽たちまち鳴りを沈めた。
「私はとうとう(9)シンボウし切れなくなって、先生に聞きました。私に悪い所があるなら遠慮なくいって下さい、改められる欠点なら改めるからって、すると先生は、お前に欠点なんかありゃしない、欠点はおれの方にあるだけだというんです。そういわれると、私悲しくなって仕様がないんです、涙が出てなおの事自分の悪い所が聞きたくなるんです」
・・・
始め私は理解のある女性として奥さんに対していた。私がその気で話しているうちに、奥さんの様子が次第に変って来た。奥さんは私の頭脳に訴える代りに、私の心臓(ハート)を動かし始めた。自分と夫の間には何の(ク)蟠りもない、またないはずであるのに、やはり何かある。それだのに眼を開あけて見極めようとすると、やはり何にもない。奥さんの苦にする要点はここにあった。
 奥さんは最初世の中を見る先生の眼が(10)エンセイ的だから、その結果として自分も嫌われているのだと断言した。そう断言しておきながら、ちっともそこに落ち付いていられなかった。底を割ると、かえってその逆を考えていた。先生は自分を嫌う結果、とうとう世の中までいやになったのだろうと推測していた。けれどもどう骨を折っても、その推測を突き留めて事実とする事ができなかった。先生の態度はどこまでも(ケ)良人らしかった。親切で優しかった。疑いの(コ)塊をその日その日の情合いで包んで、そっと胸の奥にしまっておいた奥さんは、その晩その包みの中を私の前で開けて見せた。・・・」(「こころ」(夏目漱石))
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その2 標準解答>
(一)
1.いんりつ 2.とうぎ 3.ほいろ 4.あくあく 5.えんけつ 6.ばくえん 7.そうはく 8.おんそう 9.えんえん 10.いんさく 11.だいこう 12.おうてん 13.せいふん 14.よう (曄(ヨウ:いなずま。稲妻がひらめくさま)) 15.はく 16.りゅうせつ 17.きがん 18.ぎぞく(*アリの意のときはガでなく、“ギ”) 19.れんとう 20.いりゅう
21.わきあ(がる) 22・わざわ(い) 23.こて 24.ひ 25.かけはし 26.つむ 27.しだ(れる) 28.こうじ 29.くぎ(る) 30.かたしろ
(二)
1.消遣・銷遣 2.柘植・黄楊 3.苧殻・麻殻 4.枸杞(枸・杞) 5.柚餅子 6.塩噌・塩酢 7.箜篌 8.漱・嗽 9.庇蔭 10.鞠躬如 11.鴟尾・蚩尾 12.函丈 13.厨子・龕 14.灌漑 15.函蓋 
(三)
1.逧 2.纐 3.蚫 4.椛 5.鑓
(四)
1.康衢 2.愆期 3.粘稠・黏稠 4.秕糠 5.奎文 
(五)
問1
1.苟且 2.不霊 3.糲食 4.夷竈 5.翳日 
6.鏃礪 7.簇酒 8.爽然(漢検2所載) 9.伊尹 10.粤犬 (*蜀犬吠日・呉牛喘月の類。)
問2
11.ケ 12.コ 13.キ 14.ウ 15.ク
(六)
1.めどはぎ 2.しゃこ 3.たら 4.いさき 5.ささげ・ささぎ 6.いささぐさ 7.やすで 8うまごやし 9.たがめ 10.にんじん
(七)
1.ちゅうさつ 2.とど(まる) 3.しゅうち 4.はし(る) *「馳」は「馳(は)せる」 5.きんかく 6.かみかざ(り) 7.そうもう・そうぼう 8.くさぶか(い) 9.ばくえつ 10.のりこ(える)
(八)
1.朝暾 2.開豁 3.恪勤 4.野衲 5.酣酔
6.浣濯 7.幼沖 8.茹菽 9.桔槹 10.詼諧
(九)
1.彊禦(強禦) 2.敗鼓 3.竈  4.瀆(「涜」でも可か) 5.糴 6.虚士 7.災妖 8.儼恪 9.魯縞 10.蠅頭
(十)
(1)癪 (2)朦朧 (3)幽邃 (4)跪 (5)領 (6)献酬 (7)茶碗 (8)愛嬌 (9)辛抱(原文は「辛防」だが・・・) (10)厭世
(ア)うぐいすだに (イ)かか (ウ)がらす (エ)や (オ)おのぼ(うぬぼ) (カ)か (キ)てつびん (ク)わだかま (ケ)おっと (コ)かたまり

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