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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆
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●「syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (28-①用) その2」の配信です。
●今回の難易度・・・ やや難:(七)四字熟語、(八)類義語
●
制限時間 60分以内を厳守のこと *時間内でやることに意味・意義があります。
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その2>
(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.豊かな詩の
韵律に酔いしれる
2.
骰戯で秉燭夜遊する
3.
焙炉で茶を焙じる
4.遊歩道の野鳥が
噁噁と鳴いている
5.
圜闕とは、まるい屋根の宮殿のことだ
6.
藐焉たる大空の彼方を見やる
7.
皁白の区別がつかない筈はない
8.金魚鉢に
薀草を入れる
9.
悁悁として表情を曇らす
10.
酳醋の儀式を挙行する
11.
迺公、出でずんば蒼生をいかんせん
12.遊歩道で
鶯囀を聞く
13.5月の
霽氛がさわやかだ
14.
曄として稲妻がひらめく
15.鼠を以て
璞となす
16.放飯
流歠する勿れ
17.あの
圻岸に近づいては危険だ
18.
蛾賊が至るところで蜂起した
19.
鏈絛で繋がれた囚人たち
20.身を俯し、
頤霤垂拱す
21.百川沸滕し、水、
滕がる
22.下民の
孼い、天より降るにあらず
23.
鐺で壁のモルタル塗りを仕上げる
24.法隆寺は激しい
燬で全焼したことがある
25.
桟や命をからむ蔦葛(芭蕉)
26.
錘で撚りをかけながら糸を巻き取る
27.花も枝も
朶れている
28.醬油の発酵に
糱をつかう
29.言葉を
劃って話す
30.神、酔いて、
尸、謖つなり
(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.カラオケは気晴らしに恰好の
ショウケンの具だ
2.
ツゲ材で櫛をつくる
3.
オガラを焚いて祖先を迎える
4.
クコの実は薬膳料理に用いられる
5.蒸し菓子の
ユベシを食べる
6.
エンソに困らない生活を送る
7.
クゴは百済琴ともいわれ、正倉院に残っている
8.家に帰ったら必ず
ウガイをする
9.失敗して悩む部下を
ヒインする
10.待ちに待った人を
キッキュウジョとして出迎える
11.屋根に
シビを設えた
12.手紙に
カンジョウと添えて敬意をあらわす
13.
ズシに経巻を安置する
14.
カンガイ用水が不足している
15.
カンガイ相応ず
(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.谷の行き詰まりを
サコという
2.
シボリ染めは染色法の一つだ
3.
アワビのしゃぶしゃぶはとても美味だ
4.秋の
モミジはとても美しい
5.加藤清正は“賤ヶ岳七本
ヤリ”の一人だ
(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.都のちまた、大通り
2.時期をたがえること、約束の期限をやぶること
3.ねばり気があった密度の濃いこと
4.役に立たない、つまらないもの。くず。
5.学問・文物がさかんな機運
<語群>
(けんき、えんき、けいぶん、ざんし、こうく、ひこう、ねんちゅう、りゅうせい)
(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア 因循( ) 2.イ 冥頑( ) 3.ウ 粗衣( ) 4.エ 塞井( ) 5.オ 浮雲( )
6.カ ( )括羽 7.キ ( )斂衣 8.ク( )自失 9.ケ ( )負鼎 10.コ ( )吠雪
<語群>
(えつけん、えいじつ、ふれい、れいしょく、いいん、いそう、ぞくれい、そうしゅ、こうしょ、そうぜん、)
問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.大望のために身を落とすたとえ
12.見識の狭い者があらぬ 疑いを抱いて非難すること
13.貧しい生活のたとえ
14.質素で粗末な衣服や食物
15.失意でぼんやりするさま
(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.鉄掃箒 2.青竜蝦 3.大口魚 4.鶏魚 5.大角豆 6.大角草 7.馬陸 8.連枝草 9.水爬虫 10.胡蘿蔔
(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.駐紮( ) ― 2.紮( )まる
イ.3.驟馳( ) ― 4.驟( )る
ウ.5.巾幗( ) ― 6.幗( )り
エ.7.草莽( ) ― 8.莽( )い
オ.9.驀越( ) ― 10.驀( )える
(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.落暉 2.狭隘 3.懈怠 4.猊下 5.微醺
<類義語>
6.洗滌 7.齔童 8.野菜 9.撥釣瓶 10.滑稽
<語群>
(かんすい、かんたく、やのう、ようちゅう、じょしゅく、かっきん、きっこう、かいかつ、かいかい、ちょうとん)
(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
<故事成語類>
1.矜寡を侮らず、
キョウギョを畏れず
2.牛溲馬勃
ハイコの皮
3.
ヘッツイより女房
4.蓑をきて火を救い、
トクを毀りて水を止むるが若し
5.百里 樵を販がず 千里
テキを販がず
6.名下に
キョシなし
7.
サイヨウは善政に勝たず
8.厳威
ゲンカクは親に事うる所以に非ず
9.強弩の極矢、
ロコウをも穿つ能わず
10.
ヨウトウの利を得る
(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
「・・・
この問答は私にとってすこぶる不得要領のものであったが、私はその時底まで押さずに帰ってしまった。しかもそれから四日と経たないうちにまた先生を訪問した。先生は座敷へ出るや否や笑い出した。「また来ましたね」といった。 「ええ来ました」といって自分も笑った。 私は外の人からこういわれたらきっと
(1)シャクに触ったろうと思う。しかし先生にこういわれた時は、まるで反対であった。シャクに触らないばかりでなくかえって愉快だった。
・・・
私は想像で知っていた。しかし事実としては知らなかった。いずれにしても先生のいう罪悪という意味は
(2)モウロウとしてよく解らなかった。その上私は少し不愉快になった。
「先生、罪悪という意味をもっと判然(はっきり)いって聞かして下さい。それでなければこの問題をここで切り上げて下さい。私自身に罪悪という意味が判然解るまで」
「悪い事をした。私はあなたに真実を話している気でいた。ところが実際は、あなたを焦慮(じら)していたのだ。私は悪い事をした」
先生と私とは博物館の裏から
(ア)鶯渓の方角に静かな歩調で歩いて行った。垣の隙間から広い庭の一部に茂る熊笹が
(3)ユウスイに見えた。
・・・
私は先生のこの人生観の基点に、或る強烈な恋愛事件を仮定してみた。(無論先生と奥さんとの間に起った)。先生がかつて恋は罪悪だといった事から照らし合せて見ると、多少それが手掛りにもなった。しかし先生は現に奥さんを愛していると私に告げた。すると二人の恋からこんなエンセイに近い覚悟が出ようはずがなかった。「かつてはその人の前に
(4)ヒザマズいたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載せさせようとする」といった先生の言葉は、現代一般の誰彼について用いられるべきで、先生と奥さんの間には当てはまらないもののようでもあった。
・・・
そうこうしているうちに、私はまた奥さんと差し向いで話をしなければならない時機が来た。その頃は日の詰って行くせわしない秋に、誰も注意を惹かれる肌寒の季節であった。先生の附近で盗難に
(イ)罹ったものが三、四日続いて出た。盗難はいずれも宵の口であった。大したものを持って行かれた家はほとんどなかったけれども、はいられた所では必ず何か取られた。奥さんは気味をわるくした。そこへ先生がある晩家を空けなければならない事情ができてきた。先生と同郷の友人で地方の病院に奉職しているものが上京したため、先生は外の二、三名と共に、ある所でその友人に飯を食わせなければならなくなった。先生は訳を話して、私に帰ってくる間までの留守番を頼んだ。私はすぐ引き受けた。
・・・
私の行ったのはまだ灯の点くか点かない暮れ方であったが、几帳面な先生はもう宅にいなかった。「時間に後れると悪いって、つい今しがた出掛けました」といった奥さんは、私を先生の書斎へ案内した。
書斎には洋机(テーブル)と椅子の外に、沢山の書物が美しい背皮を並べて、
(ウ)硝子越しに電燈の光で照らされていた。奥さんは火鉢の前に敷いた座蒲団ざぶとんの上へ私を坐すわらせて、「ちっとそこいらにある本でも読んでいて下さい」と断って出て行った。私はちょうど主人の帰りを待ち受ける客のような気がして済まなかった。私は畏かしこまったまま烟草タバコを飲んでいた。奥さんが茶の間で何か下女げじょに話している声が聞こえた。書斎は茶の間の縁側を突き当って折れ曲った角かどにあるので、棟むねの位置からいうと、座敷よりもかえって掛け離れた静かさを
(5)リョウしていた。ひとしきりで奥さんの話し声が
(エ)已むと、後はしんとした。私は泥棒を待ち受けるような心持で、凝(じっ)としながら気をどこかに配った。
三十分ほどすると、奥さんがまた書斎の入口へ顔を出した。「おや」といって、軽く驚いた時の眼を私に向けた。そうして客に来た人のように鹿爪らしく控えている私をおかしそうに見た。
・・・「あなたは学問をする方だけあって、なかなかお上手ね。空っぽな理屈を使いこなす事が。世の中が嫌いになったから、私までも嫌いになったんだともいわれるじゃありませんか。それと同じ理屈で」
「両方ともいわれる事はいわれますが、この場合は私の方が正しいのです」
「議論はいやよ。よく男の方は議論だけなさるのね、面白そうに。空からの盃でよくああ飽きずに
(6)ケンシュウができると思いますわ」
奥さんの言葉は少し手痛かった。しかしその言葉の耳障りからいうと、決して猛烈なものではなかった。自分に頭脳のある事を相手に認めさせて、そこに一種の誇りを見出すほどに奥さんは現代的でなかった。奥さんはそれよりもっと底の方に沈んだ心を大事にしているらしく見えた。
・・・
私はまだその後にいうべき事をもっていた。けれども奥さんから徒らに議論を仕掛ける男のように取られては困ると思って遠慮した。奥さんは飲み干した紅茶
(7)ヂャワンの底を覗いて黙っている私を外さないように、「もう一杯上げましょうか」と聞いた。私はすぐチャワンを奥さんの手に渡した。
「いくつ? 一つ? 二ッつ?」
妙なもので角砂糖をつまみ上げた奥さんは、私の顔を見て、チャワンの中へ入れる砂糖の数を聞いた。奥さんの態度は私に媚びるというほどではなかったけれども、先刻の強い言葉を力めて打ち消そうとする
(8)アイキョウに充ちていた。
・・・
「そりゃ私から見れば分っています。(先生はそう思っていないかも知れませんが)。先生は私を離れれば不幸になるだけです。あるいは生きていられないかも知れませんよ。そういうと、
(オ)己惚れになるようですが、私は今先生を人間としてできるだけ幸福にしているんだと信じていますわ。どんな人があっても私ほど先生を幸福にできるものはないとまで思い込んでいますわ。それだからこうして落ち付いていられるんです」
「そりゃ先生もそう認めていられるんだから、大丈夫です。ご安心なさい、私が保証します」
奥さんは火鉢の灰を
(カ)掻き馴した。それから水注みずさしの水を
(キ)鉄瓶に注した。鉄瓶は忽たちまち鳴りを沈めた。
「私はとうとう
(9)シンボウし切れなくなって、先生に聞きました。私に悪い所があるなら遠慮なくいって下さい、改められる欠点なら改めるからって、すると先生は、お前に欠点なんかありゃしない、欠点はおれの方にあるだけだというんです。そういわれると、私悲しくなって仕様がないんです、涙が出てなおの事自分の悪い所が聞きたくなるんです」
・・・
始め私は理解のある女性として奥さんに対していた。私がその気で話しているうちに、奥さんの様子が次第に変って来た。奥さんは私の頭脳に訴える代りに、私の心臓(ハート)を動かし始めた。自分と夫の間には何の
(ク)蟠りもない、またないはずであるのに、やはり何かある。それだのに眼を開あけて見極めようとすると、やはり何にもない。奥さんの苦にする要点はここにあった。
奥さんは最初世の中を見る先生の眼が
(10)エンセイ的だから、その結果として自分も嫌われているのだと断言した。そう断言しておきながら、ちっともそこに落ち付いていられなかった。底を割ると、かえってその逆を考えていた。先生は自分を嫌う結果、とうとう世の中までいやになったのだろうと推測していた。けれどもどう骨を折っても、その推測を突き留めて事実とする事ができなかった。先生の態度はどこまでも
(ケ)良人らしかった。親切で優しかった。疑いの
(コ)塊をその日その日の情合いで包んで、そっと胸の奥にしまっておいた奥さんは、その晩その包みの中を私の前で開けて見せた。・・・」(「こころ」(夏目漱石))
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(28-①用) その2 標準解答>
(一)
1.いんりつ 2.とうぎ 3.ほいろ 4.あくあく 5.えんけつ 6.ばくえん 7.そうはく 8.おんそう 9.えんえん 10.いんさく 11.だいこう 12.おうてん 13.せいふん 14.よう (曄(ヨウ:いなずま。稲妻がひらめくさま)) 15.はく 16.りゅうせつ 17.きがん 18.ぎぞく(*アリの意のときはガでなく、“ギ”) 19.れんとう 20.いりゅう
21.わきあ(がる) 22・わざわ(い) 23.こて 24.ひ 25.かけはし 26.つむ 27.しだ(れる) 28.こうじ 29.くぎ(る) 30.かたしろ
(二)
1.消遣・銷遣 2.柘植・黄楊 3.苧殻・麻殻 4.枸杞(枸・杞) 5.柚餅子 6.塩噌・塩酢 7.箜篌 8.漱・嗽 9.庇蔭 10.鞠躬如 11.鴟尾・蚩尾 12.函丈 13.厨子・龕 14.灌漑 15.函蓋
(三)
1.逧 2.纐 3.蚫 4.椛 5.鑓
(四)
1.康衢 2.愆期 3.粘稠・黏稠 4.秕糠 5.奎文
(五)
問1
1.苟且 2.不霊 3.糲食 4.夷竈 5.翳日
6.鏃礪 7.簇酒 8.爽然(漢検2所載) 9.伊尹 10.粤犬 (*蜀犬吠日・呉牛喘月の類。)
問2
11.ケ 12.コ 13.キ 14.ウ 15.ク
(六)
1.めどはぎ 2.しゃこ 3.たら 4.いさき 5.ささげ・ささぎ 6.いささぐさ 7.やすで 8うまごやし 9.たがめ 10.にんじん
(七)
1.ちゅうさつ 2.とど(まる) 3.しゅうち 4.はし(る) *「馳」は「馳(は)せる」 5.きんかく 6.かみかざ(り) 7.そうもう・そうぼう 8.くさぶか(い) 9.ばくえつ 10.のりこ(える)
(八)
1.朝暾 2.開豁 3.恪勤 4.野衲 5.酣酔
6.浣濯 7.幼沖 8.茹菽 9.桔槹 10.詼諧
(九)
1.彊禦(強禦) 2.敗鼓 3.竈 4.瀆(「涜」でも可か) 5.糴 6.虚士 7.災妖 8.儼恪 9.魯縞 10.蠅頭
(十)
(1)癪 (2)朦朧 (3)幽邃 (4)跪 (5)領 (6)献酬 (7)茶碗 (8)愛嬌 (9)辛抱(原文は「辛防」だが・・・) (10)厭世
(ア)うぐいすだに (イ)かか (ウ)がらす (エ)や (オ)おのぼ(うぬぼ) (カ)か (キ)てつびん (ク)わだかま (ケ)おっと (コ)かたまり
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