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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その275)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<蹶:ケツ、ケイ、つまず(く)、おき(る)、た(つ)、たお(れる)、すみ(やか)>*ケツ・ケイとも漢音 *漢検2「おき(る)」訓ナシ。
・つまず(く):
蹶失(ケツシツ)、顚蹶(テンケツ)、蹶躓(ケツチ)=つまずく、つまずきたおれる、蹶顚(ケツテン)=つまずきころぶ、蹶倒=つまずきたおれる
・おき(る)、た(つ):
蹶然=驚いて飛び立つさま、奮い立つさま *大字源は「ケツゼン・ケイゼン」両読み。蹶起(ケッキ)=奮起、蹶跳(ケッチョウ)=はねあがる
・たお(れる):僵蹶(キョウケツ)
・すみ(やか):蹶蹶(ケイケイ)=動作が敏捷なさま、また、驚くさま(大漢和)*大字源は「ケイケイ・ケツケツ」両読み。「楽しみを好むも荒むことなく、良士、蹶蹶たり」(詩経)
・その他:蹶角(ケッカク)=額の先で地をたたく=“厥角”稽首(*漢検四字熟語辞典)
*漢検2にも「意味③はねおきる、とびたつ」あり。
*「ケイ」音の場合、「あわてる、あわてていく、はしる、うごく、うごかす」意のときの読み方のようである。
<蹲:ソン、シュン、うずくま(る)、つくば(う)、つくば(い)>*ソン(漢音)シュン(漢・呉音)
・うずくま(る):
蹲踞=
蹲倨、蹲坐、蹲夷(ソンイ)・夷蹲(イソン)=うずくまる
・つくば(う)、つくば(い):邦語。
<蹲踞(つくばい)>、「蹲(つくばい)」
*蹲蹲(シュンシュン)=(大字源・大漢和)*士が舞うさま、物のさま ①舞うさま、舞い踊る ②行くに節あるさま(大漢和)・礼儀正しく歩くさま(大字源)
*蹲蹲(ソンソン)=(字通)立って舞うさま(漢字源)①とんとんと片足に重みをかけて舞い踊るさま ②節度あるさま *字通・漢字源には“シュン”音ナシ。 「坎坎として我に鼓し、蹲蹲として我に舞う」(詩経・小雅)*坎坎(カンカン)=鼓を撃つ音、木を伐る音(字通)
*
蹲循(シュンジュン)=①すなおにしたがう、進まないさま、後じさりするさま =逡巡 ②ゆるやかなさま
・その他:「蹲鴟(ソンシ)を羊となす」=「蹲鴟を悪鳥となす」=無学な。を謗る喩え。*蹲鴟は芋(やつがしらとか大芋とか)のこと。
<蹼:ホク、ボク、みずかき>*ホク(漢・呉音)ボク(慣用音)
・みずかき:熟語見当たらず
<躁:ソウ、さわ(ぐ)、さわが(しい)、うご(く)、あわただ(しい)、あらあら(しい)>*漢検2「あらあら(しい)」訓ナシ(意味はあり)。
・さわ(ぐ)、さわが(しい):
躁狂=さわぎ狂う、
躁病、躁鬱病、躁躁=さわがしいこと、躁恣=さわがしくほしいまま、躁勁=さわがしくつよい、躁気
・うご(く):躁動=さわがしく動き回る
・あわただ(しい):
躁急=こころせわしく急ぐ、きみじか、せっかり、躁求=あわただしく求める、躁蹙=あわてせまる、躁心=心のせわしいこと、いらいらする心
・あらあら(しい):躁虐=心いらだって荒々しい、手荒くむごい、躁怒=あらあらしく怒る、躁暴=いらだってあらあらしいこと
<躅:チョク、ふ(む)> *現行音に“タク”音なし・・・ただし、以下のとおり、タク音での熟語あり。
・ふ(む):
躑躅(テキチョク)=行きなやむ、たちもとおる、躅足(チョクソク)=足で地をふむ・あしずりする、あしずり(字通)、跼躅、遐躅
*躅(タク音)に、“あしあと、事跡、てがかり”などの意あり。
*躅路(タクロ)=行いのあと *字通は「チョクロ」=みち *芳躅(ホウタク・ホウチョク)=良い行跡、古人または他人の事績の尊敬語。(広辞苑) *遺躅 *鸞躅
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