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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その273)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<踞:キョ、コ、うずくま(る)、おご(る)>*コ(呉音)、音熟語ナシ。
・うずくま(る):
踞座、踞侍=うずくまり側に控えること、
蹲踞、
蟠踞、
箕踞=踑踞、踞蹲、踞肆=①うずくまる ②幅をきかす、いばりのさばる
・おご(る):
踞敖=踞傲=倨傲
・その他:踞鞍=鞍による(ものによって座る意)、踞牀=床几にこしかける
<踪:ソウ、シュウ、あと、あしあと、ゆくえ>*シュウ:表外音
・あと、あしあと、ゆくえ:
失踪、踪跡(ソウセキ)=
蹤跡・蹤迹(ショウセキ)、踪影=あとかた、旧踪、前踪、人踪、踪由(ソウユウ)=由来=蹤由=原因と経過
<踵:ショウ、かかと、くびす、きびす、つ(ぐ)、ふ(む)、いた(る)>
・かかと、くびす、きびす:
踵骨、接踵、跂踵、摩踵、踵接、
旋踵・・・
・つ(ぐ):
踵武=武をつぐ、あとをつぐ。踵軍=後続の軍、踵係=踵継=つぎつぐ
・ふ(む):踵跡=あと、あとをつけていく(ふむ)、
踵践、踵古=古のことをひきつぐ(ふむ)
・いた(る):
踵門=親しくその門にいたる、その家に行く、訪問する
<踰:ユ、こ(える)、こ(す)>
・こ(える)、こ(す):
踰越、超踰、踰垣=かきをこえる、のりこえる、踰紀=歳をこえる、
踰月=月をこす、翌月になること、
踰年、踰垠(ユギン)=江河をこえる (「垠」は“岸”の意。)
<踴:ヨウ、おど(る)、おど(り)>*「踊」と同じ(大漢和)。
(略)
<蹊:ケイ、こみち、みち>
・こみち、みち:
成蹊、蹊径=こみち、小径、蹊逕=こみち、蹊隧(ケイスイ)=こみち、蹊道=こみち=蹊路
・その他:(“わたる、よこぎる”の意あり)蹊田=田の中をわたる
<蹉:サ、つまず(く)、あやま(る)>
・つまず(く):
蹉跎(サタ)=①つまずく、②時機を失う、③ふしあわせで志を得ない、
蹉跌(サテツ)=つまずく、しくじる、失敗する、蹉躓(サチ)=失敗する=蹉跌
・あやま(る):蹉失=過失、蹉路=失路、(日月)爽蹉(ソウサ)=たがう(大漢和・字通)
<蹌:ショウ、ソウ、うご(く)、よろめ(く)、はし(る)>*ショウ(漢音)ソウ(呉音)
・うご(く):
蹌蹌(ソウソウ)(注)、蹌揚(ソウヨウ)=舞うさま、舞う
・よろめ(く):
蹌踉(ソウロウ)・踉蹌(ロウソウ *大字源は「ロウソウ・リョウショウ」)=よろめくさま、足元がふらつくさま
・はし(る):蹌捍(ソウカン)=馬の走ることの速いさま(大漢和)馬を疾駆する(字通) *「良駿逸速、蹌捍凌越・・・」、蹌跪=はしりつまずく、趨蹌(スウソウ)
(注)「
蹌蹌(ソウソウ)」には複数の意味あり。
漢検2:①立居振舞に威儀あるさま、力強く堂堂と歩くさま ②動きまわるさま、また、舞うさま ③「蹌踉」に同じ。
大漢和:①うごく ②歩むに威儀あるさま ③容儀ののびあがること ④舞いおどるさま ⑤行くさま、のぼり上がるさま ⑥並ぶさま
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