インチクという釣法がある。
これは所謂、ルアー釣りだが、漁師が編み出した釣りらしく円錐形の鉛オモリにタコベイトと呼ばれる小さいタコのような疑似餌がついてあるものを海底に落とし巻き上げる際に魚に食わせる釣法である。
あまりに釣れるのがインチキ臭いということから派生して、インチクという名前となったらしい。
しかし個人的には、このインチクといい、鯛ラバといい、僕が求めるところの釣りの美学に該当しないのだ。
誰でもだだ巻きすれば魚が掛かるという釣法に全く魅力を感じることが出来ないのである。
そしてこの名前の由来も僕的にはNG感ありありなのである。
その一方、一つテンヤという釣法には強い魅力を感じる。
潮に流されないために細い細い切れそうなラインを用いる事により、軽い軽いテンヤを底まで落とし込み、エビで鯛を釣るのである。
極細のラインを切らさぬようにリールのドラグを調整する。それ故に、大きな魚が掛かった際はドラグが引かれ、ラインが流れでる際にリールがギギギギと鳴くのである。
この駆け引きに知恵を巡らせる。そこには間違いなく浪漫が存在するのだ。
細い細いラインが切れないように恐る恐る巻き取る。そしてその最後に海面に突如現れる大鯛や大ハタに誰もが絶叫間違いなしなのである。
それはさておきインチクの話…
こないだジギングをしていてどうしても釣れない時にと思い、恐る恐るインチクを一つ求めてみた。
実は同じように求めた鯛ラバが僕のタックルケースには3つばかりある。どれもまだ1尾として魚を釣り上げたことがないのだが…。
このインチクもそうなるのかと思いつつも、次回の釣行の際、チョコっと試してみようと思っている。