蔚州古城の城壁は高さ11.5m、一周は3800m余りで、北の部分は復元されていますが、南のほうは失われたところも少なくありません。何気なくこれまで城壁と呼びましたが、中国ではなんというのでしょう? 城墙かな?
城内と城外をつなぐ門は、東西南北に4つあるのがふつうだと思います。でも、蔚州古城に北門はありません。敵が攻めてくるのは北からだから、北に門があるのは危険だと考えたのでしょうか。
いえ、それは . . . 本文を読む
中国の都市は古来、高くてがんじょうな城壁に囲まれていました。そのほとんどが正方形で、東西南北の方位にきちんとしたがい、城内の街区もEXCELのようにきちんと区切られています。
ところが蔚県県城の西北のはずれにある蔚州古城は、GoogleEarthの画像で一目瞭然のように、不定形で、城内の道路もまっすぐに通っていません。なぜでしょう?
なんども書いてきたように、蔚県は南の農耕民族と北の遊牧民族とが交 . . . 本文を読む
『中華遺産』という雑誌の2012年5月号が「鉄城蔚県-中国的堡塁」という特集を組んでおり、蔚州博物館で購入しました。上田信先生によると、とてもよくまとまっているそうですが、中国語をよく解さない私は写真をみるだけ。
そのなかの重泰寺の写真がとても印象的で、昨年9月、前中久行代表を誘って行ってきました。この寺は遼代の創建で、張家口市のなかでもっとも保存状態のいい、規模の大きなお寺だそうです。不信心な私 . . . 本文を読む
万里の長城は南の農耕地帯と北の遊牧地域との境界にあたります。地図でみると、北京市、河北省、山西省のあたりで、北側の外城と南側の内城とで二重になっています。
農耕民族、つまり漢族の力が強いときは外城までが勢力範囲になり、力が弱まると内城が境界になりました。内外長城に囲まれた範囲は支配民族が何度も入れ代わったわけですね。
代表的なのが遼・金の時代。遼代は契丹族、金代は女真族がここを支配し、南には漢族を . . . 本文を読む
蔚県の5つの花のうち、本来なら最初に紹介すべきなのが杏花です。蔚県の農村でアンズはたくさん栽培されていますが、多いのは種のなかの杏仁を目的とする杏扁です。固い核を割ると平べったい杏仁がでてきますが、あれをナッツとして、またはジュースに加工して食用にします。薬材としては用途がたくさんあるようで、杏林は日本でも病院や製薬のシンボルです。また杏仁を搾ったアプリコットオイルは良質の保湿剤として化粧品に欠 . . . 本文を読む
蔚県の5つの花のうち3つは伝統の技で、これまで打樹花と彫花については書きました。今回紹介するのは窓花、剪紙(切り絵)についてです。春節などに切り絵を窓に張ったことからこう呼びます
蔚県の人口は52万人ですが、剪紙に従事する人は2.6万人、人口の5%にもなりますので、一大産業といっていいでしょう。
剪紙には鋏で切るものと、刀で切るものとがありますが、ここでは刀で切ります。薄い紙を何枚かと下絵を重ね、 . . . 本文を読む
はじめて河北省側から空中草原にいって、これまで考えていたのより、ずっと広大であることを知りました。蔚県、涞源県、霊丘県の3県にまたがって36平方kmもあり、その大半が蔚県に属しているようです。
遊覧バスなど観光の設備も整っています。私たちが訪れたのは8月下旬で、2000mを超え、風もあって寒かったのですが、綿入れのオーバーのレンタルがありました。その他の観光資源とあわせて、かなりの観光客を呼んでい . . . 本文を読む
張家口市蔚県の5つの花についてすべて書いておきましょう。自然の花の1つが雪絨花で、ウスユキソウ、エーデルワイスのなかまです。「エーデルワイス」で検索すると、いろんなお店などがでてきます。地味な花なんですけど、語感がいいからでしょうかねえ? ウスユキソウではちょっと……。
この花についての知識がありませんので、この花が育っている空中草原について書きます。河北省張家口市蔚県と、河北省保定市涞源県、そし . . . 本文を読む