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チューリッヒ美術館展

2014-12-04 | アート&クラフト

 行こうと思いつつずっと行けなかった「チューリッヒ美術館展」を見てきました。

◆秋空の国立新美術館

 

終了間際なので混雑を覚悟して行きましたが、思いのほか空いていてすんなり入場口へ。

 ◆こういうのを見るとわくわくしてきます

 各ブースの展示は「巨匠の部屋」と「時代の部屋」に分けられて交互に並べられており、わかりやすくすっきりしていました。例えば「モネ」の部屋」の次が「ポスト印象派」の部屋でゴッホ、ゴーギャン、セザンヌが見られるというふうに。

 

さて「モネ」の部屋では今回の目玉作品である巨大な「睡蓮」が目を引きます。

◆モネ「睡蓮の池、夕暮れ」 200×600㎝!

確かにこれは大作!

色調やタッチは今年2月の「モネ、風景を見る目」展(国立西洋美術館)で見たような一連の「睡蓮」とはだいぶ印象が違います。晩年の作(亡くなる4年前)だからでしょうか。やや暗めで睡蓮や水面も曖昧模糊とした感じ。橋もボートも女性もいません。もはや抽象絵画に近いといったら言い過ぎでしょうか?

このころのモネは白内障で視力が低下し、さらに奥さんや子ども亡くしていたそうです。そんな思い出も込めてまさしく「印象」を描きつづったのか?

同じ部屋に展示されていた「積み藁」や「国会議事堂」の方は一目でモネらしい明るい「光」が感じられました。

 

次の「ポスト印象派」の部屋にはゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ、ルソーの作品。

◆ゴッホ「サント=マリーの白い小屋」

◆ルソー「X氏の肖像」 いつもながらいい味?

 

「ホドラー」の部屋と「ナビ派」の部屋はスイスの作家ホドラーとヴァロットンに重点が置かれた展示でしたが、う~ん、どうもこの二人はあまり好みじゃない。なんだか不安にさせる絵というか、のっぺりしているというか。。。スイスでは国民的作家なんでしょうがどうも。

 

さて「ムンク」の部屋でいちばん魅かれたのはこちら。

◆ムンク「冬の夜」

これって寒くて冬が長い雪国の人ならではの絵だと思います。自分も信州生まれなのですが、しゃべりたくないほど冷たい空気、重苦しい空、音のしない世界、そんな雰囲気が伝わってきます。

 

「フォービズムとキュビズム」の部屋ではピカソがゴヤの「裸のマハ」をもとに描いた「大きな裸婦」が面白かった。ピカソが描くとこうなるのか。

◆ピカソ「大きな裸婦」

 ◆ゴヤ「裸のマハ」(プラド美術館) 

 

自分はこのあとの「クレー」の部屋、「抽象絵画」の部屋、「シャガール」の部屋、「シュルレアリズム」の部屋が気に入りました。

 ◆クレー「深淵の道化師」 どこか切ない。。。

 ◆シャガール「パリの上で」 まさにシャガールの色

◆マグリット「9月16日」 「し~ん」という音が聞えてきそう(?)。今回いちばんじっくり見ていた作品。マグリットは大好きです。

 

最後はスイスの彫刻家「ジャコメッティ」の部屋。独特の細長い人物像はジャコメッティならでは。ずっと絵画を見てきた最後にジャコメッティとは面白い構成。しかしこの垂直方向へのこだわり、すごいな~。

 ◆ジャコメッティ「立つ女」 (!)

 

サブタイトルの「印象派からシュルレアリズムまで」の通り、19~20世紀にかけての近代美術の流れにそった展示で、各部屋のテーマもシンプルでわかりやすい美術展でした。ただどちらかというと小品が多く、キャッチコピーの「すべてが代表作」というのはちょっと大げさのような。。。オルセー美術展を見たあとだからかな?

 

 ◆展示を見たあとはミュージアムショップへ(ここのショップは広くてグッズも幅広く揃えてあり楽しい)

◆「日展」も開催中のためか、ロビーは大勢の人で賑わっていました

 

さて来年の新国立美術館はルーヴルとマグリットで始まるようで、特にマグリットが楽しみです。

(2014.12.03)

 


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