そこはかとな紀

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小松左京 「復活の日」

2020-04-13 22:42:21 | 書評

 現在の新型コロナをまるで予見したような小説、オイラもリアルタイムで読んでたよ。

何十年ぶりかで読み直してるんですが、やはり新鮮なおかつ、病原体が流行の兆しを見せたときに最初はみんななめてる「たかが風邪でしょ」(作中はチベット風邪)というところも妙に符合するのですよ。さらには日本の首相が(実際は副首相ですが あ 麻生さんか(笑))「非常事態宣言」を出すかどうかで悩むシーンも、しかし大きな違いが、それはこの本の中では町中に処理しきれない遺棄死体が溢れ、その処理に自衛隊が出動する事態になってやっと決断する・・・。これは時代の差を感じますね しかしそんなことは気にならないくらい秀逸な作品となっております。おすすめ度 ★★★★★

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生物と無生物のあいだ

2019-08-03 14:23:47 | 書評

 

 
 生物と無生物のあいだ
 福岡伸一
 命とはなにか(人生とかではないですよ)について、わかりやすく述べてくれた本です。簡単に言うと 生きている生物の体は腐敗しないのに、死んだら腐るのはなぜか、ということです。
 宇宙を支配している原理に、熱力学の第二法則「エントロピーは常に増大する」というのがあります。 これは 透明な水で満たされたコップにインクを一滴落とすと、時間が立つにつれて拡散して、ついには均一になる。つまりちょっとわかりにくいかもしれませんが、このインクはほおっておいても絶対元には戻りません。もとに戻そうとしたら、外からエネルギーを注入しないとできません。つまり「エントロピーは乱雑さを示すもの」「物事は乱雑な方向に変化する」というものです。エネルギーも我々が利用するためには、落差がないといけません。ところが最終的には宇宙全体が均一になって落差がなくなり、熱量死と呼ばれる終末を迎えるという考えがあります。 うーんちぃっと違う方に行きました。
でも 生物が生きていくということは、腐敗していく大きな流れに、必死で逆らっていることになるのです。
 突然ですが排泄物(うんこ)ですがあれって、エネルギーを吸い取られたあとの排気ガスみたいなものだと思ってませんか?違うんだそうです、食物にアイソトープでマーキングしてマウスに食べさせると、排泄物には1、2割しか出てきません。残りはマウスの体の構成要素になるそうです。だから逆説的に言うと排泄物は旧マウスの体だったもの。その入れ替わりは激しくて人間でもほぼ半年で全く新しくなるそうです。
 これは我々生物が必死でエントロピーの法則に抵抗しているかららしいですわ。だから命とは流れなのです。動的平衡と著者は言っておられますが。
 川に似ていませんか?川は水のことでも、溝のことでもなく、流れそのものでしょ?
行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
方丈記
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火星の人 オデッセイ

2017-08-29 21:37:32 | 書評

 

 火星の人 → オデッセイ が好きで好きで 百回以上セリフ聞いて 映画も20回は見てます

なら原作はって ついに最近読みました、一日で一気に読めたよ。いやーまた映画とは違って興味深いなー。

 その1 あのね レーションていうか 食料パックにマジックで字を書くシーンがあるねんけど、それって食事がじゃがいもだらけになって、折り目切り目に5回だけほんまのレーションを残してるっていうのがわかったわ。なるほどなー

 その2 ローバーの改造や水の作成方法など まあ映画は時間の制約があるからしょうがないけど、原作はよくわかったわ。

 その3 太陽神によるサプライの補給がうまくイカなかった場合は カンビュセスの籤的方策が予定されてたなんて これはおどろき たしかにそれしか無いよなあ う~んまあリアルと言えばリアル

  その4 ルイス船長に夫が見せて大喜びするものはABBAのLPレコードなんや! やっとわかったわ

 その5 ヨハンセン と ベックはできてたのね もっとはっきりわかった

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Kindle マンガモデル 32GB

2017-07-12 22:25:01 | 書評

Kindle マンガモデル 32GB 18000円が 7/11プライムデーで約一万なので買いました 以前のやつは2GBでしたから

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暗号解読 サイモン・シン

2017-07-01 11:09:08 | 書評

いやー読ませますねこの本。古代の暗号作成と解読の歴史を辿りつつ、現代インターネット通信のプライバシーがどのようにして守られているのか、まで いや~感動。

 特に第二次世界大戦中のドイツ軍の利用したエニグマのくだりは読ませますね。当時考えられる最高の暗号エニグマ(謎)ってやつは、実は連合軍に解読されてた イミテーションゲームって言う映画 これの意味がようやくわかったよ。てのは、エニグマを巡ってはいくつも作品が作られ、実際どうやねんって思ってたので納得の書でした。しかしエニグマの解読方法は、実に論理的ちょっとでも興味の有る方は是非その項だけでも読む価値アリですね。そして最後は現在のインターネット通信の守秘性に関係する、公開鍵の問題。私やっと理解できました。これは素数に関する全く新しい公式が発見されない限り安全なのかあ、意味がやっとわかりました。ただそこにもドラマが、そもそも 暗号学は解読した事自体が秘密なので、他の学問のように成果を公開する性質のものではない。ことから実は,史上最初のコンピュータはエニアックじゃなかった!!!!とか、この公開鍵の歴史的発見が実は、再発見で イギリスのほうが早かったけどそれは秘匿されていたとか(だって解読したのがわかったら相手はその暗号換えるもんね)。いや~驚いた、一気に読めたよ。著者サイモン・シンはインド系ね それも納得

 ラマヌジャンもそうだったよなー

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田辺元・野上弥生子往復書簡

2016-01-10 09:20:03 | 書評

 田辺元と野上弥生子は共に文化勲章受章者で、軽井沢の近所に山荘を構え、ご近所付き合いをしており60台にそれぞれの伴侶を亡くした・・。 

 この本は昭和27年65歳(二人は同い年)から二人の間でかわされた350通にも及ぶ往復書簡から成り立っている。と偉そうなこと書きましたが、実はこの本読んでません。聴きました

 NHKの新日曜名作座というラジオ番組で西田敏行と竹下景子が朗読したのを聴いてるのですよ。

まあしかし65とはいえ 老いらくの恋というと簡単ですが、この二人の心の交流と、その文化レベルの高さはすごいですね。このお二人は明らかに恋愛関係でしたが、たぶん手を握ったこともないとおもいます。しかしそんなことを超越した愛 なんだろうなあ。いや~妙な爽やかさを感じました。

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臆病者のための裁判入門 橘玲

2016-01-10 09:07:43 | 書評

 

コレが実は間違えてアマゾンでポチッとしてしまった本なんです。億万長者入門を買おうとして、間違えました。しかしこれが大当たり!

 内容は著書の友人オーストラリア人の12万円の少額訴訟を本人訴訟で行うドキュメントなんですが、実に面白い。三権分立の中でも司法は我々一般人にとって一番実感しにくい世界じゃないでしょうか?しかしこの本を読むと、ふーんこうやって裁判は行われるのかあ(民事ね)と大変勉強になるし、ADR(裁判外紛争解決手続)の存在なんざー全く知りませんでした。

 特にねー 最近皆さんお仕事してて コンプライアンス順守の問題で、やりにくくなってませんか? それが何故起こったのか まで解き明かすまさしく納得!!!

 暴力団や談合も実は必要悪だった!!←ちょっと意味違うけど

つまり暴対法により巨大暴力団が無くなることになり、小さな抗争がかえって増えている。ことなど まあ冷戦が終わってテロが始まったことと合致しますよね。

 そして最後は福島第二原子力発電所の東電の保証がADRで行われてることなど。いやーいい本でした、もう1回読もうっと。

 

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臆病者のための億万長者入門

2016-01-10 08:57:17 | 書評

 橘玲の著書は殆どを読んでいます。内容もさることながら語り口も絶妙でグイグイ引きこまれれるのです。

さてこの本は定番の彼の主張、為替相場から生命保険、宝くじに至るまで、経済活動全般に多岐にわたり、以前の著書の復習も有りますが、少しでも資産運用に興味のある人なら誰でも・・・。否、著者によると誰でもリタイア後は自分の資産運用と向き合わなくてはならないので全ての人が読むべき、これは真理ですね。

 当然 この本を読んでも億万長者には成れません。

 当たり前のことですが <お金持ちになるたった3つの方法>は

  収入を増やす  運用益を上げる  支出を減らす

これしかないのです 

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コミック BAKUMAN 小説 火花

2015-10-07 22:59:09 | 書評

 映画化されたBAKUMAN その斬新な映像(予告編しか見てませんが)あのプロジェクションマッピングはやばいね。 でもって原作読み始めてるんですが 現在7巻読んでいるところなんですが、いや面白い。今までなかったタイプのコミックですね。

 正直このコミック読んで初めて、漫画が制作されていく過程や、産みの苦しみ、そして編集部殿からみ、初めて知りました。

 マンガ家の方たちってこんなに真摯に作品に向き合っていて、ジャンプの非情な人気主義と相まって、実にドキュメンタリータッチで面白い。さらに主人公二人のちょっと変わった恋愛話も、絡まり濃厚なストーリー、そりゃそうだこのコミック原作作画のコンビは あのデスノートの二人なのですから。しかし妙に共感されるところもあります、マンガ家に憧れた時期もありましたが、絶対おいらにゃ無理だわ。

 又吉の火花でも書きましたが、こういう作品や、芸をただ寝っ転がって消費する立場の大衆から言わせていただくと。申し訳ない・・・。こんなに真摯に自分の仕事や作品に向き合っていているのに。こっちはその万分の一もその努力をわかってなかったなあと。

 まあでもそれはそれ、そういうものなのかもしれません。あーちょっと映画見に行きたいな

DVDでがまんかな・・・。

 

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『なぜ私達は未来をこれほど不安に感じるのか?』

2015-05-24 10:07:20 | 書評

『なぜ私達は未来をこれほど不安に感じるのか?』

 

数千年に一度の経済と歴史の話

 

帯 資本主義の変わり目に割りを食ってしまう世代のために。

著者 松村嘉浩

 

要約

 

セミナー No1-2

 先年社会現象ともなった進撃の巨人を題材に取り上げ、世界の人口動静を論じています。

例えば、スーパーコンピュータを使うことに寄って、明日の天気や台風の進路を予測することは可能になりました。しかし明日の日経平均株価や円ドル相場を予測することはどんなスーパーコンピュータを使おうが不可能です。ましてや10年後20年後の未来予測などというものはほとんど無意味なのです。

 しかしたったひとつだけ10年後20年後の予測が可能なものがあります。それは人口動静。20年後の30歳の人口は少なくとも予測可能です。と言うのも20年後の30歳は現在10歳のはずですから、現在10歳の人口より絶対多くなることはありません。

 そして少子化が進み危機的状況だと言われている日本を始めとした先進国のみならず、じつは発展途上国も出生率が2を切る国が続出していると言う事実。←これは意外でした。

 その理由の一つを教育のコストとリターンに求めています。早い話が昔農業が基盤産業だった日本では高い教育を受けた質の高い労働力よりも低い教育でもいいから労働力量が必要とされたのです。それがIT化が猛烈なスピードで進む現代では質の低い労働力はあまり必要とされなくなり、高コストの教育を受けたものだけが高い給与を得るように労働環境が変わってきているのです。

 これが産業革命の時は蒸気機関車が生まれて馬車の御者は失業しましたが、その代わりに工場労働者という新しい職場が生まれました。ところが高度にデジタル化された現在では一部の人間が機械を操り生産をフルオート化された工場や海外の低賃金の工場などで生産を行うシステムができてしまっています。

 アメリカではジョブレス・リカバリーといって景気が回復しても雇用が回復しないと言う事態が起きています。また所得の中央値が下がっていると言う事実←つまり中間層がなくなり一部のスーパーリッチと低所得層の二分化が起きているということ、があります。

 簡単な話、以前なら 社長になれなくても その企業で働くホワイトカラーになればそこそこの豊かさが約束されましたが、社長になれなければ派遣社員でしかないという現実では、子供を産んで育てるということがあまりにもリスキーで投機的です。

 普通の親は 自分の子供に平凡で幸せな人生を望みますが、それがかなわない社会が徐々に現れてきているというわけなのです。

 

セミナーNo3

 古典経済学や松下幸之助を例に上げ、昔はもののない時代でありもののあるのが幸せ、安くて良い物を水道水のように作れば世の中が幸せになる(松下幸之助さんの水道理論)古典経済学のセイの法則では 供給が需要を生む つまりものがない時代は物さえあれば売れていく。

 ところが冷蔵庫や洗濯機が行き渡ってしまったら、いくら安くていい冷蔵庫が出たからといって2台3台と要らないわけですよね。

 実はアメリカの90年台の空前の好況や日本の高度経済成長期からバブルに至る好景気は人口ボーナス期といって老齢年齢層が少なく(日本の場合は特に戦争で多くが無くなった)ベビーブーマーの人口の多いそうが壮年期を迎えて大きな消費行動を行うことで生み出されてきたのです。しかしその時期を過ぎものを十分に持ってしまった老齢年齢層が主力になってくると話は違うのです。

 

セミナーNo4

 いよいよ本題に入ってきますなぜヨーロッパが世界の覇権を握ったかに言及されています。その昔世界の後進地域で辺境であったヨーロッパが(これは歴史ををちょっとかじったものには常識ですが)豊かなアジアを目指した、その際いろいろな民族がそれぞれ国を作り群雄割拠状態であったヨーロッパは、略奪侵略を常識とし軍事技術だけは抜きん出ていた。(もしそうでないと自分たちの町を焼かれすべてを失ってしまうのが常態であったから)そして他地域を侵略することで富を手にしたヨーロッパが次々に自分たちを“中核”とするシステムに世界を組み込んでいった、というのが16世紀以降の世界の歴史のおおまかな流れです。

 その中で覇権を握りヘゲモニー国家となったのが

オランダ→イギリス→アメリカ なわけです

そしてそれらのヘゲモニー国家はアジアやアフリカ南アメリカなどをわざと低開発化することによって繁栄してきました。ところがここに至ってついにその繁栄にも陰りが見えてきました。どんどん成長し発展するのが当たり前というのは人類の歴史でここ数百年の特殊な状況でそれはいつまでも続かないのです、セミナーNo5へ

 

セミナーNo5

 ここ数百年で人口が爆発的に増えた技術の進歩と爆発的経済発展とこれは表裏一体の関係です。しかし地球が有限で資源もまた有限である以上無限の発展はありません。途上国の出生率が頭打ちなのももうその現れの一つでしょう。更に問題なのは年金です、一説には年金制度のせいで少子化が進んだということも言われています。というのも老後の心配が無から安心して独身でいられるわけです。

 そしてその高齢者のニーズのためにサブプライムローンが生み出されリーマン・ショックを産んでしまった。こういった社会を変革しようとしても高齢者の方が数が多い→投票数が多い→手がつけられない。先進諸国の大量の国債発行(当然日本もそうですが)の原因も実は同じ根っこの問題です。

 言い換えると 高齢者が昔と同じ生活を送りたいから借金やリスキーな金融商品が生み出されその問題の解決は先送りされている、というわけなのです。

 でその解決策として 再成長 インフレターゲット などが我が国の目標になっていますがこれは極めて危険な状態なのです。日銀の黒田総裁が今行っていることは実は異常事態であると論じます。

 本来民間銀行がリスクを取って儲けに走り経済を回し、中央銀行たる日銀は事あった時に民間銀行に最後の貸し手として機能し経済の守護神たるべきであるのに全く逆であるのです。

 例えて言えば 民間銀行が フォワード 日銀は ゴールキーパー であるべきなのゴールを放ったらかしてフォワードの位置までキーパーが上がってしまっている状態それが現在の日本の状況なのです。

 ここまででは全く救いがありませんが

あと2章あります 

一読をおすすめします

 

 

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