宮崎駿の「風立ちぬ」を鑑賞しました そして一昨日 高倉健さんの「あなたへ」も鑑賞しました
健さんは思ったよりもヨタヨタ歩き口ごもり セリフをかんでました (演技なのかな?)
どちらにしても80歳越えの健さんは きっとこの作品に自分の遺作のつもりで臨まれたことと思います、映画の内容といえば健さんの今までの映画のいいとこ取り、ごった煮状態のような映画です。悪く言えば映画自体は大したこと無いし意外な展開があるわけでもない他愛のない作品だけれど、人生の黄昏を迎えた健さんが最後まで映画人であり続けようとした気迫のようなものが伝わる映画でした。キャストもそういう意味で豪華絢爛ですよねぇ。でも華麗なる一族みたいな話でなくて朴訥に自分の仕事をこなし、一人の女性を真摯に愛した男の話つまり彼が生涯かけておそらく描きたかったお話の集大成なんです。
一方 宮崎駿監督の 風立ちぬは
こちらもやはり 70歳越えの映画人としては世界に通じる押しも押されもせぬ巨匠の作品です
しかしこの作品を鑑賞されて あれ?? なにこれ ヽ(~~~ )ノ ハテ?と思われた方のほうが多いのではないでしょうか。 そもそも 歴史好きで 飛行機オタクの私にとっても カプローニ さんや 七試単座戦闘機 九試単座戦闘機 が動画で飛び回るような映画が商業ベースに乗るなんてことは夢にも思いませんでした。おまけに空母鳳翔!!
戦艦大和 やゼロ戦に比べてあまりにも知名度のない兵器とそれを開発するお話が主眼に据えられたお話なんです。物語の中で出てくる専門用語はなんの解説もなく沈頭鋲(ちんとうびょうがこの漢字って即分かる人は殆どいない)にNACA(鯖の骨の形の翼ね) は現在のNASA(アメリカ航空宇宙局)の前身だとか、翼面荷重って言葉の意味はその飛行機の重量を翼面積で割ったもので、少ないほうが一応運動性能が優れていると言われているとか・・。
一体誰が分かるねんこんな話!!
そう きっと宮崎駿監督はわかってもらおうと思ってこの作品を作ってないのです 別に金も評価もどうでもええねんッて感じ 分かるやつだけわかったらええ
いやひょっとしたらそれすら思ってないかもしれません 自分のためだけにこの作品を作ったかもしれないのですわ。てか確信犯的にそうでしょうね。勝手に想像するにもう宮崎駿さんは自分が作れる作品はカウントダウン状態 ひょっとしたらもうこれが最後かも で受けるかなんてことはまったく度外視して自分の好きなもん作っちまった っていう作品ですよね。正味小学生に分かる作品ではない どころか本来商業ベースに乗るなんてことは考えられない作品なんですよ。でも宮崎駿監督ってことで 子供連れの多いこと でも この作品はポニョでもトトロでもありません。 ネットで酷評受けてますがそもそも人に受けようなんてことは彼の眼中にありませんわ。
そういう意味で 黒澤明監督の 夢 も同じ傾向の作品ではないでしょうか
これこそ わけのわからん映画の代表ですが もう黒澤明監督が評価とかわかってもらおうとか無視して好きなコトやりまくった映画なんですよ、そういう意味では 乱もそうか …c(゜^ ゜ ;)ウーン そして 最後の作品となったまあだだよ は逆に開き直って自分の憧れ、成りたかったような人生を歩んだ 内田百のお話をやったんですね。
そして ここで突然この方 上記の三名の方と真逆の生き方をした方です
そう笹川良一さんです 我々の世代だとこの方の このCMを覚えている方も多いのではないでしょうか
日本のフィクサー(黒幕)といわれ ボート協会の上がりを一手に手にし 権力と金を思うがままに手にした彼が人生の黄昏にあたって欲しかったものは・・・・。
そう尊敬と愛と人望だったのです みんなに親しまれ善い人だと言われたかったのですよ だから一日一善 戸締まり用心火迺要慎 と絶対誰にも否定出来ないテーゼ(なんてもんじゃないけど)を前面に押し出して CMを流しまくったのね。 なんかかわいそうだな
人は人生の黄昏にいろんなことを思うものなんですね 俺はいったい何思うんだろ