先日追加で作成したトライバーティノフマスクを実際に試してみました。
望遠鏡は米オライオン社D200mmリッチークレチアンです。
まずは光軸調整は現状のままでマスクを付けて光条を確認してみた。最初に作成したマスクよりも光条がより明瞭になり、調整しやすくなった。追加作成の2個に光条の違いはなかったので、最初に作成したマスクが段ボール地であったので、マスクの切り口がスパッと切れていない部分が多かったのが、光条が小さく不明瞭な一因かもしれない。
これまで、リッチークレチアンの光軸修正はチェシャ型の光軸修正アイピースを使ってきました。
それで光軸調整は合っていると思っていたが、トライバーティノフマスクを付けて光条を見てみると、なんと光軸調整不完全であったことが判明した。
上下の光条ではピントが合っている状態であるが、他の左右の光条、特に左右の光条が特にずれているもよう。
マスクを外してピントをずらして焦点外像を撮影してみた。光軸のズレはわずかにあるようであるが、明瞭には把握できない。私は星像の焦点内外像での光軸調整は苦手です。
副鏡の調整は手でマスクの3方向のいずれかを隠して、該当する光条が薄くなる方向の副鏡の光軸調整ネジをいじればよいので、非常にわかりよい。調整の結果、上の写真のように全方向できれいに光条が真ん中に均等に入るようになった。
ところが、この状態で光軸調整アイピースで確認してみると、なんと下の図のように少しズレていることが判明、
この原因は接眼筒のスクエアリングができていないことにあると思われたので、光軸調整アイピースを覗きながら、スクエアリングを調整してみた。
この望遠鏡(GSO社のOEM製品)にはスクエアリング装置は標準装備されていないが、昨年オプション品を購入していたので、スクエアリング調整が可能であった。
上の図のようにスクエアリング調整がほぼできたと思われる状態でトライバーティノフマスクの光条を確認してみると、
と、全方向にピントが合っていることが確認できた。これでばっちりです。
<使ってみての感想>
・光軸のズレ具合、どの方向を調整すればよいのかが明瞭にわかるのが便利。
・光軸調整アイピースでスクエアリングを含めて念入りに光軸調整し、トライバーティノフマスクで調整具合を再確認するという流れとなるのであろうか。
・このマスクは光軸調整とピント合わせの二役できる触れ込みであるが、通常のバーティノフマスクの方が光条が少ない分、光条が明るく長いので、バーティノフマスクがあるのであれば、ピント合わせ用にはそちらを用いる方が楽。
ということで、本トライバーティノフマスクはリッチークレチアンの光軸調整にも使えることが確認できた。
今後、大いに役立ちそうである。