認知症特別講演会「突然 家族が行方不明になったら~家族の無事を願った日々」が7月31日夜、京都府長岡京市天神4丁目の市立中央公民館で開かれた。市介護家族の会会員で、認知症の夫(62)が行方不明になり亡くなった森糸子さん(67)が当時の切実な思いや行動を振り返った。
森さんの夫は一昨年8月、自宅を出たまま行方不明になった。友人や知り合いに協力してもらって懸命に探したが、翌年3月に竹やぶの中で見つかった時には、すでに亡くなっっていた。正式な診断は受けていなかったが、行方不明の直前に自宅への帰り方が分からなくなったり、ご飯を日常通りに食べられなくなったりするなど認知症の症状が出ていたという。
講演会で森さんは「記憶をたぐっていると涙が出てきて気持ちがざわつき、まとめられないが、多くのことを体験談として話したい」と語り、夫の認知症に気づいた時のこと、ポスターやチラシを作って情報を求めたことなどを説明した。
夫も自身が認知症ではないかと疑い、森さんには伝えずに通院していたことも紹介。森さんは「水くさいと思ったが、私を心配させないようにしたのだと思う。しっかり分かってから話そうとしていたのではないか」と夫の心情を思いやった。
講演会では認知症に詳しく、森さんを支えてきた医師の野々下靖子さんも登壇した。野々下さんは「自分や家族が認知症になった時、自分ならどうするかを考えてほしい」と呼び掛け、行方不明者の早期発見の仕組みづくりに取り組んでいることを説明。「認知症は恥ずかしいことではなく、誰がなってもおかしくない病気。認知症になっても住みやすく、楽しめる長岡京市にしたい」と話した。
【 2015年08月04日 10時50分 】
森さんの夫は一昨年8月、自宅を出たまま行方不明になった。友人や知り合いに協力してもらって懸命に探したが、翌年3月に竹やぶの中で見つかった時には、すでに亡くなっっていた。正式な診断は受けていなかったが、行方不明の直前に自宅への帰り方が分からなくなったり、ご飯を日常通りに食べられなくなったりするなど認知症の症状が出ていたという。
講演会で森さんは「記憶をたぐっていると涙が出てきて気持ちがざわつき、まとめられないが、多くのことを体験談として話したい」と語り、夫の認知症に気づいた時のこと、ポスターやチラシを作って情報を求めたことなどを説明した。
夫も自身が認知症ではないかと疑い、森さんには伝えずに通院していたことも紹介。森さんは「水くさいと思ったが、私を心配させないようにしたのだと思う。しっかり分かってから話そうとしていたのではないか」と夫の心情を思いやった。
講演会では認知症に詳しく、森さんを支えてきた医師の野々下靖子さんも登壇した。野々下さんは「自分や家族が認知症になった時、自分ならどうするかを考えてほしい」と呼び掛け、行方不明者の早期発見の仕組みづくりに取り組んでいることを説明。「認知症は恥ずかしいことではなく、誰がなってもおかしくない病気。認知症になっても住みやすく、楽しめる長岡京市にしたい」と話した。
【 2015年08月04日 10時50分 】