地震被害が深刻、重文の損傷相次ぐ 京都・八幡

2018-06-24 10:00:21 | 災 disaster

 18日の大阪府北部地震で震度5強を記録した京都府八幡市で、文化財の被害が深刻な状況であることが、21日までの市などの調査で明らかになった。いずれも重要文化財の伊佐家住宅(同市上津屋)と正法寺(同市八幡)の建物の壁の損傷が新たに分かった。市は国や府に被害状況を報告して対応を検討する。

 伊佐家住宅は江戸時代に幕府領の庄屋を務めた伊佐家の住居で、1734年に建てられた。地震で6棟ある蔵のうち、内蔵と木小屋のしっくい壁に1~2メートルほどのひびが入った。塀の門の瓦が落ちたり、石灯籠も倒れたりした。16代当主の伊佐錠治さん(82)は「蔵の壁は雨が入ると傷むので修復を急ぎたい」と話している。

 正法寺は尾張藩ゆかりの寺で、現在の仏閣は17世紀前半に建てられた。大方丈の玄関のしっくい壁に3メートルほどの亀裂が入り、市職員が21日に現状確認した。唐門(重文)の塀の瓦も崩れた。眞野正信住職(68)は「被災前から修復が必要な箇所があったので、どこから手を付けたらいいのか」と困惑していた。

 市内では、国史跡の石清水八幡宮の境内で多数の石灯籠が転倒、国名勝の松花堂庭園も地割れなどが生じた。国登録文化財の中村家住宅大歌堂で天井の杉板が外れ、府指定文化財の善法律寺の本堂の壁がはがれるなど、被害が広がっている。

【 2018年06月22日 11時50分 】


地震で雨漏り、修繕にガイドブック活用して 京都・長岡京

2018-06-24 09:56:17 | 災 disaster

 大阪府北部地震による建物の雨漏り被害が乙訓地域で相次いでいることから、京都府長岡京市商工会は、屋根の修繕を手がける市内の建設業者の情報を盛り込んで作成したガイドブックの活用を呼び掛けている。

 市によると、ブルーシートの配布や被災に関する相談の際、雨漏りの修理業者の紹介を求める声が市民から相次いでいるという。

 ガイドブックでは、主に市商工会建設業部会の会員業者を紹介。各業者の情報を所在地や連絡先の他、店舗や作業の写真を交えて伝える。26業者に、屋根のふき替えや雨漏り修理を手がけることを示すマークを付した。

 同会は「雨漏りの後、家の傷みが出てくることもある。信頼できる業者の情報を集めているので判断材料になれば」とする。

 市産業文化会館(同市開田3丁目)内の市商工会と市役所広報発信課窓口で無料配布している。問い合わせは市商工会事務局075(951)8029。

【 2018年06月21日 11時40分 】


避難所「余震で眠れず」 京都、公共施設の休館相次ぐ

2018-06-24 09:48:06 | 災 disaster

 大阪府北部地震から一夜明けた19日、震度5強~5弱の揺れに見舞われた乙訓地域では、学校施設の安全確認や公共施設の閉鎖が続いた。同日未明から早朝にかけて余震が相次ぎ、避難所へ身を寄せる人も。20日には大雨が予想されており、各市町は住民に向けて警戒を呼び掛けている。

 大山崎町では、大山崎ふるさとセンターなど避難所2カ所で住民や帰宅困難者計7人が一晩を過ごした。同町の男性(84)は「余震で目が覚めてしまい、全然眠れなかった。くたびれたわ」と疲れた表情を見せた。

 瓦が落ちるなどの被害があった民家では雨に備え、午前中から屋根にブルーシートをかける様子が見られた。町は建物などの被害の調査パトロールを実施。約50件で屋根瓦のずれ落ちや、外壁の亀裂を確認した。

 地震の影響で町体育館は大体育室と小体育室を当面、臨時休館とし、関係者が今後の対応を協議した。町歴史資料館も臨時休館した。中央公民館図書室は午前中休館し、職員が棚から落下し散乱した本の整理に追われた。

 地震直後から町内ほぼ全域で起こった水道の濁水は18日午後8時ごろに復旧した。

【 2018年06月20日 12時00分 】


「建築界の宝」も無残 大阪地震、モダン住宅聴竹居の見学中止

2018-06-24 09:45:55 | 災 disaster

 18日に発生した大阪北部地震で、戦前のモダン住宅として知られる京都府大山崎町の「聴竹居(ちょうちくきょ)」でも母屋・茶室(いずれも重要文化財)の窓ガラスや土壁に被害があった。

 聴竹居では外壁がはがれ落ちたほか、建築当時から使われている窓ガラスが割れるなどの被害が生じた。茶室の壁もはがれ、地下倉庫の内部があらわになった。

 維持管理や案内をする一般社団法人「聴竹居倶楽部」のメンバーらが駆けつけ、掃除や予約キャンセルの対応に追われた。事務局長の田邊均さん(64)は「今年は来場者1万5千人を見込んでいたのに残念だ。ここは建築界の宝。こんなことになって身が裂かれる思い」と話した。今月の聴竹居の見学は全て中止、来月以降は未定。

 町内の民家でも屋根瓦が落ちたり壁にひびが入る被害があった。

【 2018年06月19日 11時51分 】


火災発生時は「お・し・て」 京都の消防、標語をシールに

2018-06-17 06:11:56 | 災 disaster

 火災発生時の行動と対応を標語とイラストで分かりやすく伝えるシールを京都府の乙訓消防組合が作った。標語は長岡京消防署員が考え、昨年の全国意見発表会で最優秀賞に選ばれた「お・し・て119」。今後、同組合のホームページで公開し、広く利活用してもらう計画もある。担当者は「身近な場所に貼り、万一の際にシールを見て適切に行動してもらえれば」と期待する。

 標語お・し・て119は「お」(大声で叫ぶ)、「し」(消火器を使う)、「て」(天井まで火が大きくなったら逃げる)の冒頭文字と消防通報ダイヤル119番をつなげた。同署員の上羽勝さんが向日消防署勤務時代に考案した。

 標語は同発表会以降、使われていなかったが、消防本部予防課の井口まどかさんが「このままではもったいない。広めたい」と考え、火災時に取るべき行動が分かりやすいイラストでデザインした。この図案を基に乙訓防火・危険物安全協会(事務局・同課)がシールと横断幕を製作し、訓練用消火器とともに同組合に寄贈した。

 シールは名刺サイズで2千枚作った。消火器や回覧板などに貼ることができる。協会加盟の事業所に配られたほか、残る約900枚は今後、防火イベントなどで配布する予定。

 同組合は今後、ホームページでのデザインの公開・活用も検討している。井口さんは「全国に標語が広がり、住民の防火意識の向上につながってほしい」と話している。

【 2018年06月03日 15時30分 】


女子中学生、下校中に襲われ負傷 大阪・島本町、男は逃走

2018-05-27 06:43:27 | 災 disaster

 サントリー山崎蒸溜所(大阪府島本町)近くで男が下校中の女子中学生を襲って逃げる事件が22日にあり、現場に隣接する京都府大山崎町は23日、 町防災・防犯情報メールで注意を呼び掛けたり、児童の安全確保のため町職員による下校時のパトロールを実施したりするなど警戒を強化した。

 事件は22日午後6時15分ごろ発生。島本町の女子生徒がハサミを持った中年の男に手でほほを引っかかれ軽傷を負った。高槻署によると、男は50代ぐらいで身長約170センチ。紺色の長袖の服に灰色のズボン、帽子を着用していたという。

 事件を受け、同町は町内の各小中学校などに注意喚起の文書を配布。大山崎町も23日午後2時すぎに同メールで事件発生を伝え、不審者情報を流した。大山崎小の放課後児童クラブは保護者に対し、帰宅時の付き添いを呼び掛けた。

【 2018年05月24日 10時04分 】


天王山登山、小倉神社ルートが通行止め 京都、迂回呼び掛け

2018-05-13 11:31:06 | 災 disaster

 天王山(京都府大山崎町)にある登山口のうち現在、小倉神社からの登山口が工事などのため通行止めとなっている。町などは、近くの迂回(うかい)ルート活用や他の登山口からの山歩きを呼び掛けている。

 昨年10月の台風21号の影響で倒れた木々が登山道付近の急斜面に引っ掛かった状態になっており、危険なため撤去作業を実施。同神社近くの川の護岸工事も行う。通行止めは、二つの作業が終わる6月末までの見通し。

 迂回ルートは小倉神社第2駐車場の奥から入る。山頂までの距離は変わらないという。町は同ルートを示す看板と天王山への道しるべを複数箇所に設置した。町担当者は「今回、利用を呼び掛けている迂回ルートは景色が良く、京都市内の眺望を楽しみながら上り下りできるので、利用してもらいたい」と話している。

【 2018年05月12日 15時30分 】


災害時に地図供給、ゼンリンと協定締結 京都・長岡京市

2017-11-13 13:53:22 | 災 disaster
 京都府長岡京市と地図製造販売会社「ゼンリン」(福岡県北九州市)は6日、災害時における地図製品などの供給に関する協定を、長岡京市開田1丁目の市役所で締結した。

 協定の主な内容は住宅地図や市域の広域図などの貸与と災害時における住宅地図ネット配信サービスの活用など。貸与品は災害時のみに使える。

 締結式で協定書に署名と押印をした後、同社関西第二エリア統括部の岩崎登統括部長が中小路健吾市長に住宅地図や同配信サービスのパスワードを入れて封印したダンボール箱を手渡した。

【 2017年11月07日 13時30分 】

日本遺産の景観「浜茶」も冠水 台風影響で京都・山城

2017-10-31 19:57:58 | 災 disaster
 超大型の台風21号は京都・山城地域にも激しい風雨をもたらし、各地で道路の寸断や農地の冠水など、被害が相次いだ。

 国道163号が笠置町などで22日午後10時ごろから通行止めとなり、23日午前8時半ごろに解除された。木津川、井手、宇治田原、笠置、和束、南山城の各市町村では土砂崩れや倒木、落石による通行止めが相次いだ。

 宇治市莵道でも23日午前3時ごろ、昨年9月に大雨で土砂崩れが起きた市道で、鉄製の防護柵ごと斜面が崩れた。三室戸寺に近く、復旧の見通しは立っていない。

 木津川市加茂町の海住山寺では参道の一部が崩れた。通行は可能で、注意を呼び掛けている。

 民家の被害も相次いだ。木津川市加茂町大野で1棟が床上浸水した。同市木津で10棟、和束町石寺で1棟が床下浸水した。また井手町田村新田で23日午前2時半ごろから約80世帯が一時停電した。

 木津川沿いでは茶畑が冠水した。茶園の覆いにたまったごみや、茶葉に付いた泥の処理が課題になりそうだ。

 八幡市の河川敷に広がる「浜茶」の茶園約15ヘクタールが増水で漬かった。高級てん茶の生産地として知られ、景観が「日本遺産」に指定されている。都々城(つづき)茶生産組合事務局(JA京都やましろ)によると、施肥や防除作業をしていた最中で、影響を調べている。城陽市でも川沿いの茶畑約20ヘクタールが冠水した。

 各地でビニールハウスの被害や、刈り取り前の稲の倒伏も相次いだ。キュウリ栽培のハウスが破損し、応急処置していた久御山町の男性(60)は「事前に補強していたが予想以上に風が強かった。ただでさえ雨続きで育ちが悪く、野菜の値段が上がるのでは」とこぼした。

 観光施設にも影響が出た。淀川河川公園(京都府・大阪府)は、背割堤地区(八幡市八幡)を含む全地区が22日昼前から臨時閉園した。再開の見通しは未定という。

 笠置町隅田の温浴施設「わかさぎ温泉 笠置いこいの館」は、近くを流れる白砂川の増水で駐車場が冠水し、23日は臨時休業した。

【 2017年10月24日 12時21分 】

公用車タイヤ、刃物で切られる? 京都・向日市、5月も4台被害

2017-10-23 11:05:45 | 災 disaster
 向日市役所敷地内(京都府向日市寺戸町)に駐車していた公用車がパンクさせられていたことが16日、分かった。向日町署が器物損壊容疑で捜査している。

 市によると、16日午前6時50分ごろ、庁舎南西にある敷地に止めてあった軽ワゴン車1台のタイヤ全4本がパンクしているのを警備員が発見した。いずれのタイヤにも刃物で切ったような跡があった。

 車両は敷地内で毎週土曜日に開かれる農産物直売会「愛菜楽市」の広報車として使用。車体に楽市のロゴや野菜の写真をラッピングしており、普段から表通りに面した場所に止めて市民に楽市をPRしていた。向日市では5月にも公用車4台がパンクさせられる被害があった。

【 2017年10月17日 11時26分 】

備蓄品不足、損賠支払い完了 京都・向日、前市長らから

2017-09-16 14:40:26 | 災 disaster
 京都府向日市の災害用備蓄飲食料品不足問題で、市は14日、追加調達や府補助金の返還などに要した約750万円について、損害賠償請求した久嶋務前市長と前副市長、当時の担当職員らの計6人から全額が支払われた、と発表した。

 市は8月3日、市監査委員の監査結果を受け、地方自治法などに基づいて6人へ損害賠償請求。市によると、期限の9月1日までに全員が支払った。行政不服審査法に基づく不服申し立てや、支払い拒否はなかった。賠償金は市の財政全般に充てるという。

 市は2014年4月、物品が未納なのに作成された虚偽の検収調書に基づき約1700万円を先払い。約800万円分が落札業者の破綻で履行不能となった。

 市は個別の賠償額を明らかにしなかった。

【 2017年09月14日 23時00分 】

民家浸水、原因はブレーカー切断 京都、ポンプ作動せず

2017-09-16 14:39:09 | 災 disaster
 京都府長岡京市神足2丁目で先月18日に起きた民家浸水被害について、市は12日までに、神足ポンプ場のブレーカーが定期点検時に切られたままになっていたため降雨時に排水ポンプが作動しなかったのが原因だったことを明らかにした。

 浸水被害では同市内は1時間雨量10~20ミリのやや強い雨に見舞われ、旧犬川の水があふれ、民家4戸が床下浸水し、車1台も水に漬かって立ち往生した。旧犬川の水を犬川に流すための排水ポンプ2基が稼働しなかった。

 市によると、当日は落雷などによる停電の発生記録がないことから、8月9日に実施した年1回の定期点検終了時に業者がブレーカーを元に戻すのを忘れていた可能性が非常に高いという。

 定期点検には市職員は立ち会っていたが、点検前後の準備や片付けは業者のみで行っていたという。市は「維持管理業務を精査し、マニュアルを見直したい」としている。

【 2017年09月13日 11時02分 】

排水ポンプ作動せず民家浸水 京都・長岡京、道路冠水も

2017-08-26 15:07:08 | 災 disaster
 18日朝、京都府南西部の乙訓地域はやや強い雨に見舞われ、長岡京市神足2丁目の犬川支流・旧犬川の水があふれた。近くの府道などが冠水し、民家4戸が床下浸水した。付近のJR東海道線高架下を走行中の乗用車1台も水に漬かって立ち往生した。けが人はなかった。

 市によると、現場南側の旧犬川沿いには犬川へ排水する神足ポンプ場があり、降雨時に排水ポンプが作動していなかったことが判明。市の職員が現場で確認した。市は故障の時期や原因を調べている。ポンプは復旧した。

 乙訓地域では午前8時5分、長岡京市に大雨、洪水警報が、また向日市と大山崎町に大雨警報が発表された。府や各市町などが警戒にあたった。

 気象庁によると、長岡京市の午前7~9時の累積雨量は37ミリ。向日町署は、冠水したJR高架下―府道片泓交差点間を一時通行止めにした。道路冠水地域では消防職員が土のうを積むなどした。近くの女性は「一帯はピーク時、膝下まで水がたまった」と話した。

 乙訓消防組合は同日午前に八条ケ池で予定していた水難救助訓練を取りやめた。

【 2017年08月19日 11時36分 】

水や火に制限あってもおいしく 京都、災害時の非常食学ぶ

2017-07-27 17:39:39 | 災 disaster
 災害時の非常食の作り方を学ぶ教室が23日、京都府向日市上植野町の西向日コミュニティセンターであった。兵庫県三木市の中学校教諭で災害時の食を研究している小林裕子さん(52)を講師に招き、小中学生や保護者ら約40人が、水や火の使用が制限される中でもおいしく食べられる料理作りに挑んだ。

 小林さんは、2015年4月から兵庫県の制度を利用して大学院に通い、卒業した今春以降、講師として各地に出向いている。今回は西向日地区社会福祉協議会が企画、実施した。

 参加者は、耐熱性ポリ袋を使った炊飯とツナカレー作りを体験した。コメと水、食べごろに刻んだ野菜とカレーのルーを袋に入れて密封し、カセットコンロで沸かした鍋の湯で20分ほど加熱。カレーをご飯に掛けて試食し、西村健君(8)=向陽小3年=は「ご飯はしっかり炊けているし、おいしい」と話していた。

 小林さんは、野菜が少なく栄養バランスが悪いなど、被災地の食糧事情を解説。根菜類や缶詰など常温で保存できる食材を日頃から多めに確保し、日常生活で食べながら災害に備えるよう呼び掛けた。

【 2017年07月24日 11時07分 】

水害遺産のホーム巨石撤去へ 京都・JR玉水駅舎橋上化で

2017-05-27 11:02:43 | 災 disaster
 京都府南部地域各地で甚大な被害が出た南山城水害(1953年8月14~16日)で上流から押し流されてきたとされるJR奈良線玉水駅(京都府井手町井手)のホーム上の巨石が、駅舎の橋上化工事のため撤去されることが決まった。水害の教訓を伝える「災害遺産」で、町民から現状保存や移設を求める声が出ている。

 巨石は駅東側ホーム上にあり、幅1・8メートル、高さ1・2メートル、重さ約6トン。駅の南東約500メートルの玉川から流されてきたとされ、町内の小学3、4年生用の社会科副読本にも紹介されている。

 新駅舎は2019年3月末完成予定。巨石が現在ある場所に階段の基礎を設ける計画で、巨石の破壊か撤去が必要になる。

 井手町史別冊「南山城水害誌」によると、水害で町内では大正池が決壊、家屋や玉水駅舎も流され、107人が犠牲になった。

 町ふるさとガイドボランティアの宮本敏雪さん(82)は、観光客を駅で出迎えて最初に巨石に案内し、水害について説明している。「町民が災害に備え、水害を忘れないための礎。現在の場所に置いておけないのなら、適切な場所へ移動してほしい」と話す。

 JR西日本は「駅敷地内での移設は難しいが、町民の意見も踏まえ、他の場所に移設できるか町と協議したい」としている。

【 2017年05月23日 11時38分 】