大山崎の江下町長、府町協調へ 水道訴訟上告取り下げ (京都新聞) - Yahoo!ニュース
「裁判路線」の転換は急ピッチだった。6日に初登庁した江下伝明・大山崎町長は早速、府営水道訴訟の上告を取り下げ、府町協調をアピールした。一方で町政転換の準備をしてきた町職員は、府の対応の激変に目を見張る。新町長には、協調の対価をどう引き出すかが問われそうだ。
「6日中に取り下げの手続きを済ませてほしい」。江下町長は就任初日の5日日曜、町幹部に指示した。町幹部は6日朝から京都市内の町顧問弁護士の事務所前で待機し、全員協議会終了後、すぐに書類を整え大阪高裁に提出。午前中に受理され、「協調路線」への回帰が完了した。
町の方針転換は周到に準備されていた。府は新町長就任前の11月下旬、町幹部を乙訓地域総務室(向日市)に呼び、▽上告取り下げ▽府営水道の基本料金値下げに連動した町料金の引き下げ▽乙訓地域上水道事業健全化検討会への復帰-を要請した。関連の府条例改正案を12月定例府会に追加提案する可能性も示唆し、「就任後、一日も早く表明してほしい」と求めた。
町は「経費削減の自助努力には限界がある」「町水道料金の値下げ財源は府の支援を頂きたい」「地下水を飲み続けたいという住民の希望がある」と配慮を求めた。府も「町の事情は分かっています」と応じた、という。
協調へ向けた伏線は早くからうかがえた。「国民文化祭の町関連事業は、二つとも補助がつくことになりました」。町長選翌日の10月18日、府から町に電話が入った。それまで「1事業しか補助できない」とかたくなだっただけに、町幹部は「町長選の効果だろう。手のひらを返すのが早いな」と受け止め、苦笑いした。
別の幹部は4年前、真鍋宗平前町長の当選直後、府庁を訪れた時の対応が忘れられない。「大山崎町さんとはお話しできる状況にありませんから」。担当課長は聞こえよがしに言った。府営水道の購入水量削減をめぐり、提訴前に町と協議していた時の府の対応も「常識外」だったとされる。机をたたく、いすをける、怒鳴る…。複数の府幹部の態度は「府に盾突いた弱小自治体の悲哀」を象徴していた。
新町政は協調に基づき、府からどんな支援策を引き出せるのか。江下町長の支持母体「活力・大山崎町を創(つく)る会」の室崎秀男会長は6日の登庁式であいさつに立ち、こう激励した。「頑張るだけなら、誰にでも町長は務まる。町民は新町長に分かりやすい成果を強く期待している」
「裁判路線」の転換は急ピッチだった。6日に初登庁した江下伝明・大山崎町長は早速、府営水道訴訟の上告を取り下げ、府町協調をアピールした。一方で町政転換の準備をしてきた町職員は、府の対応の激変に目を見張る。新町長には、協調の対価をどう引き出すかが問われそうだ。
「6日中に取り下げの手続きを済ませてほしい」。江下町長は就任初日の5日日曜、町幹部に指示した。町幹部は6日朝から京都市内の町顧問弁護士の事務所前で待機し、全員協議会終了後、すぐに書類を整え大阪高裁に提出。午前中に受理され、「協調路線」への回帰が完了した。
町の方針転換は周到に準備されていた。府は新町長就任前の11月下旬、町幹部を乙訓地域総務室(向日市)に呼び、▽上告取り下げ▽府営水道の基本料金値下げに連動した町料金の引き下げ▽乙訓地域上水道事業健全化検討会への復帰-を要請した。関連の府条例改正案を12月定例府会に追加提案する可能性も示唆し、「就任後、一日も早く表明してほしい」と求めた。
町は「経費削減の自助努力には限界がある」「町水道料金の値下げ財源は府の支援を頂きたい」「地下水を飲み続けたいという住民の希望がある」と配慮を求めた。府も「町の事情は分かっています」と応じた、という。
協調へ向けた伏線は早くからうかがえた。「国民文化祭の町関連事業は、二つとも補助がつくことになりました」。町長選翌日の10月18日、府から町に電話が入った。それまで「1事業しか補助できない」とかたくなだっただけに、町幹部は「町長選の効果だろう。手のひらを返すのが早いな」と受け止め、苦笑いした。
別の幹部は4年前、真鍋宗平前町長の当選直後、府庁を訪れた時の対応が忘れられない。「大山崎町さんとはお話しできる状況にありませんから」。担当課長は聞こえよがしに言った。府営水道の購入水量削減をめぐり、提訴前に町と協議していた時の府の対応も「常識外」だったとされる。机をたたく、いすをける、怒鳴る…。複数の府幹部の態度は「府に盾突いた弱小自治体の悲哀」を象徴していた。
新町政は協調に基づき、府からどんな支援策を引き出せるのか。江下町長の支持母体「活力・大山崎町を創(つく)る会」の室崎秀男会長は6日の登庁式であいさつに立ち、こう激励した。「頑張るだけなら、誰にでも町長は務まる。町民は新町長に分かりやすい成果を強く期待している」