中世にエゴマ油の販売で栄えた地域の歴史を生かして町おこしを図る大山崎町教委の「エゴマ油復活プロジェクト」に参加する住民が、エゴマを使った料理やせっけんなど、健康や美容を切り口に特産品の製作に取り組んでいる。油座の本拠地だった同町の離宮八幡宮でこのほど開いた試作会は、多くの参加者でにぎわった。20日には2010年度の活動発表会を開く。
プロジェクト2年目の10年度は、町内外のメンバー約50人が「食品」「アロマ」「エコライフ」「文化歴史」の4班に分かれ、試作や研究に挑戦した。
約70人が訪れた試作会では、食品班がダイコン葉との炒め物や豆腐あん、サラダなどエゴマの実を材料にした10のメニューを調理。つきたての餅や、エゴマの葉をせんじたお茶と一緒に来場者に振る舞った。
アロマ班はエゴマの葉を蒸留して「エゴマ水」を抽出した。砕いた実と一緒にせっけんに混ぜてこね、「エゴマせっけん」を完成させた。抽出を実演した町内の主婦山口里美さん(44)は「エゴマ水はさわやかな香りがする。霧吹きで部屋に噴霧してみてもいいかも」と手応えを語る。エコライフ班は天王山で間伐したヒノキを削ってはしを作り、エゴマ油を塗って仕上げた。
同級生と試作会に参加した大阪市立大1年の相馬綾乃さん(19)=堺市=は「エゴマにこんなに多彩な用途があるとは知らなかった。エゴマ茶は初めて飲んだ。体に良さそう」と驚いていた。20日の活動発表会は午前10時から町立中央公民館で。町教委生涯学習課は「11年度は試作や研究をさらに深め、将来はプロジェクトのNPO化へ向け支援したい」と期待している。
2011年03月18日 10時30分