「隣でやっていれば」。寂しいスタンドを見ながら、ぼんやり考えていた。
9月22日、なでしこリーグ・大阪高槻―新潟戦。5万人収容の長居スタジアムの観衆は、土曜日の昼間だが1054人。それでも、「なでしこブーム」以前を考えれば、千人を超えれば上々なのだが――。
その日の夜、Jリーグのセ大阪戦が、隣の小ぶりな金鳥スタジアムであった。その前週は万博記念競技場で、昼は大阪高槻、夜はガ大阪の試合との両方を1枚のチケットで見られた。ともに松下電器が前身だったこともあり、ガンバとの密な関係があったから実現したのだろう。セレッソとは状況が違うが、工夫次第でうまく集客できたのでは。
そう思いながら見ていたら、前半15分、大阪高槻の丸山桂里奈が先取点を取った。アテネ、北京五輪に出場し、昨年のW杯でも活躍した「なでしこジャパン」のFWは今季公式戦初得点。昨秋右ひざを手術し、リハビリを越えてロンドン五輪に間に合わせた。「これでもっと自信をもてる」とホッとしていた。
だが、この日の逆転負けに「集中力が欠けている。下に落ちるという危機感を覚えている」と厳しい言葉を口にした。サッカーに対しては熱い女性だ。今季はまだ1勝。10チーム中9位と残留争いの最中にある状況に焦燥感を募らせている。ワントップだが、守備にも献身的だ。「練習ではつなげるのに、試合だと蹴ってしまう。相手にのまれてはいけない」。世界を相手に戦ってきた経験があるだけに、説得力がある。
芸能事務所に所属し、バスタオルを巻いただけの写真をブログに載せるなど、派手な言動も多い。だが、注目を集める彼女が加入しなければ、吉本興業が演出するクラブとはいえ、集客面でもっと苦労していただろう。「ロンドンでは不完全燃焼。もっとうまくなれる。お客さんは私のゴールを楽しみに見に来てくれているんだから」と言う29歳には戦力、営業両面で浮沈がかかっている。
9月22日、なでしこリーグ・大阪高槻―新潟戦。5万人収容の長居スタジアムの観衆は、土曜日の昼間だが1054人。それでも、「なでしこブーム」以前を考えれば、千人を超えれば上々なのだが――。
その日の夜、Jリーグのセ大阪戦が、隣の小ぶりな金鳥スタジアムであった。その前週は万博記念競技場で、昼は大阪高槻、夜はガ大阪の試合との両方を1枚のチケットで見られた。ともに松下電器が前身だったこともあり、ガンバとの密な関係があったから実現したのだろう。セレッソとは状況が違うが、工夫次第でうまく集客できたのでは。
そう思いながら見ていたら、前半15分、大阪高槻の丸山桂里奈が先取点を取った。アテネ、北京五輪に出場し、昨年のW杯でも活躍した「なでしこジャパン」のFWは今季公式戦初得点。昨秋右ひざを手術し、リハビリを越えてロンドン五輪に間に合わせた。「これでもっと自信をもてる」とホッとしていた。
だが、この日の逆転負けに「集中力が欠けている。下に落ちるという危機感を覚えている」と厳しい言葉を口にした。サッカーに対しては熱い女性だ。今季はまだ1勝。10チーム中9位と残留争いの最中にある状況に焦燥感を募らせている。ワントップだが、守備にも献身的だ。「練習ではつなげるのに、試合だと蹴ってしまう。相手にのまれてはいけない」。世界を相手に戦ってきた経験があるだけに、説得力がある。
芸能事務所に所属し、バスタオルを巻いただけの写真をブログに載せるなど、派手な言動も多い。だが、注目を集める彼女が加入しなければ、吉本興業が演出するクラブとはいえ、集客面でもっと苦労していただろう。「ロンドンでは不完全燃焼。もっとうまくなれる。お客さんは私のゴールを楽しみに見に来てくれているんだから」と言う29歳には戦力、営業両面で浮沈がかかっている。